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日本学術会議が新会員として推薦した候補者105人のうち6人を菅義偉首相は従来のルールを無視して任命しなかった。学問の自由を侵害する行為だ、学者が萎縮すると批判されているが、前にも書いたように、大半の学者は権力システムにすり寄り、学問の自由は放棄してきた。そうした状況だからこそ、今回のような強引なことが行われたとも言える。 この団体は1949年1月、内閣総理大臣の下で、政府から独立して職務を行う機関として設立されたが、戦前戦中に科学者が戦争に加担したことを反省、その翌年に戦争を目的とする科学の研究は行わないとする声明を出している。同じ趣旨の生命を1967年と2017年にも出した。 明治維新以降、日本がアングロ・サクソン系金融資本の強い影響下にあることは本ブログで繰り返し書いてきたが、現在、アングロ・サクソン系諸国の中心的な存在になっているアメリカには軍と緊密な関係にある科学者の団体が存在した。JASONだ。 この団体が設立されたのは1960年。物理、化学、数学、コンピュータ、生物、海洋などを専門とするエリート学者がメンバーとして名を連ね、その中にはノーベル賞も含まれていた。一般的には優秀と見られている学者たちだが、昨年4月にアメリカ国防総省はJASONとの関係を終了させている。 第2次世界大戦の終盤、CIAの前身であるOSSはドイツの科学者やエンジニア1500名以上を雇い、アメリカへ連れてきた。ペーパークリップ作戦だ。当時、OSSや軍の反ソ連勢力はフランクリン・ルーズベルト大統領を無視する形でナチスの元高官らを逃がすラットラインを作り、その元高官たちを保護、雇用している。ブラッドストーン作戦だ。 本ブログで何度も書いたことだが、アメリカの金融資本は大戦の前からファシズムに傾倒、国務省は親ファシスト派の巣窟だった。第2次世界大戦の終盤、フランクリン・ルーズベルト大統領は各国の首脳と会談しているが、そうした会談に同行させたのは基本的に軍人。外交官を信用していなかった。同行した非軍人はルーズベルトが個人的に信頼していたハリー・ホプキンスだけだった。(Susan Butler, “Roosevelt And Stalin,” Alfred A. Knopf, 2015) 大戦中、ロケット(ミサイル)を開発するなどドイツの科学技術の水準は高く、ドイツの科学者や技術者が戦後、兵器の開発で果たした役割は大きかった。それを受けてのJASONだったのかもしれないが、この集まりの軍事的な貢献は大きくなかったと言われている。 しかし、それでも意味はあった。兵器の開発で協力させることで守秘義務やカネで縛ることができたからだ。戦争を目的とする科学の研究は行わないという姿勢はアメリカの支配者にとって不愉快なことだっただろう。 アメリカには各国の有力者をコントロールする仕組みが存在する。昨年7月6日にその一端が露見した。未成年の男女を世界の有力者に提供し、寝室などでの行為を映像などで記録して脅しに使っていたジェフリー・エプスタインが逮捕されたのである。エプスタインの妻だったギスレイン・マクスウェルも共犯関係にあると言えるだろう。 ギスレインの父親はイギリスのミラー・グループを率いていたロバート・マクスウェル。は1960年代からイスラエルの情報機関と関係が深いと言われていたロバートの死体が1991年11月、カナリア諸島沖で発見された。 イスラエル軍の情報機関ERDに所属、イツァク・シャミール首相の特別情報顧問を務めた経験のあるアリ・ベンメナシェによると、3名ともイスラエル軍の情報機関(AMAM)に所属していた。(Zev Shalev, “Blackmailing America,” Narativ, Septemner 26, 2019) つまり、イスラエルの情報機関に弱みを握られた有力者は世界中にいるということ。その仕組みの中で重要な役割を果たしていたエプスタインの「友人」としてドナルド・トランプ、ビル・クリントン、イギリスのアンドリュー王子が有名だが、JPモルガンの重役だったジェームズ・ステイリー、財務長官を務めたローレンス・サマーズ、COVID-19問題で重要な役割を果たしてきたビル・ゲイツなど親しい。そのほか著名な学者やジャーナリストも親しくしていた。 ニューヨーク・タイムズ紙によると、エプスタインはニューメキシコの牧場で自分のDNAによって複数の女性を妊娠させる計画を持っていたという。ノーベル賞を受賞したような著名な科学者をエプスタインが招待していることから、エプスタインを含むグループは優生学的な実験を行おうとしていたのではないかという疑いもある。 このグループに限らず、アメリカには自分たちが特別な存在だと信じているエリートが存在する。その一例がフェデラリスト・ソサエティーだ。1982年にエール大学、シカゴ大学、ハーバード大学の法学部に所属する学生や法律家によって創設された団体で、自分たちには権力を超越した権利があると信じていたという。 議会に宣戦布告の権限があるとする憲法や1973年の戦争権限法はアナクロニズムだ、プライバシー権などを制限して拡大してきた市民権を元に戻すべきだ、企業に対する政府の規制を緩和させるべきだといったことが彼らの主張には含まれていた。ジョージ・W・ブッシュ政権で司法省の法律顧問として拷問にゴーサインを出したことで知られているジョン・ユーもフェデラリスト・ソサエティの熱心な活動家として知られている。 そうしたグループに属しているゲイツは長野県の別荘地、軽井沢町の千ヶ滝西区に敷地面積2万1969平方メートルという巨大な「個人の別荘」を建てたと言われている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.10.18 18:00:08
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