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《櫻井ジャーナル》

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2020.11.11
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 テロ行為を口実として、​欧州連合理事会は暗号化された通信文にアクセスする権限をプロバイダーに求めようとしている​と伝えられている。アメリカやイギリスの情報機関はこれまでも通信を傍受してきたが、それをEUは合法化しようとしているわけだ。

 通信の電子化が進んでいなかった時代、通信は封書が中心だったが、その封書をCIAは開封していた。その工作を指揮していたのはアレン・ダレスの側近で、ファシストやイスラエルと緊密な関係にあったジェームズ・ジーザス・アングルトンだが、その工作が発覚して1974年12月にCIAを辞めている。

 1965年4月にインテルサット1号が打ち上げられてから通信衛星を利用した情報のやりとりが増大するのだが、それは通信傍受の進歩を伴った。アメリカの電子情報機関NSAは1966年にFROSTINGというプログラムを開始、そこからECHELONという通信傍受システムが作り出された。そのシステムは1988年にダンカン・キャンベルが明るみに出している。このECHELONの傍受は全地球の通信が対象で、全てが記録されているという。(Duncan Campbell, 'Somebody's listerning,' New Statesman, 12 August 1988)

 アングルトンは秘密工作の発覚で辞任に追い込まれたのだが、1970年代には様々な情報機関の秘密工作が浮上している。そうした工作を調査するため、1975年1月にアメリカ上院では情報活動に関する政府の工作を調べる特別委員会が設置され、2月には下院で情報特別委員会が設置された。

 上院の委員会で委員長を務めたフランク・チャーチ議員は1975年8月17日、NBCのミート・ザ・プレスという番組で、アメリカ政府の通信傍受能力はアメリカ国民に向けられる可能性があり、そうなると人々の隠れる場所は存在しない語っている。

 この当時、CIAと有力メディアとの緊密な関係を明らかにされた。例えば、ウォーターゲート事件を追及したことで有名なカール・バーンスタインは1977年、ローリング・ストーン誌に「CIAとメディア」という記事を書いている。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

 その後、エレクトロニクス技術は急速に進歩、社会のコンピュータ化が進んだが、これは監視技術の進歩をもたらす。銀行のATMでカネを降ろせばその情報が銀行のシステムに記録され、クレジットカードを使えばその記録が残る。電子化の進んだ図書館なら何を読んだかが記録される。通信販売を利用しても記録は残る。個人の学歴、投薬記録、運転免許証のデータ、航空券の購入記録、住宅ローンの支払い内容、インターネットでアクセスしたサイトに関する記録などあらゆる個人データが収集、分析されている。スーパー・コンピュータを使い、膨大な量のデータを分析して「潜在的テロリスト」を見つけ出すシステムも開発されている。

 また、GPSを搭載した携帯電話を持っていれば、それを持っている人の位置が記録され、どこで誰といつ会ったかが割り出されてしまう。IC乗車券の動きも追跡、記録される。街に張り巡らされたCCTVの性能も向上、顔を認識して特定の人物を追跡することが可能だ。

 監視システムの強化にCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)も利用されている。感染者の近くにいることをブルートゥースの技術で察知し、その情報をスマートホンを通じて知らせるシステムが考えられたのだが、これは監視システムにほかならない。(​ココ​や​ココ​や​ココ​)

 そうした追跡システムが整備されたなら、COVID-19はコミュニスト、ナショナリスト、反戦派などに切り替えられる。システムを支配する人びとが危険だ、目障りだと考えるターゲットはみな「ウイルス」とみなされる。

 アメリカを中心に次期米大統領はジョー・バイデンになるとする宣伝が繰り広げられているが、それと並行する形で監視システムが強化されている。年明け後、社会の収容所化はさらに進みそうだ。






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最終更新日  2020.11.11 00:36:28



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