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《櫻井ジャーナル》

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2021.07.02
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 ​航空自衛隊はフィリピン空軍と「HA/DR(人道支援/災害救援)」を目的とする訓練を7月5日から8日にかけてクラーク空軍基地で実施​するという。ロドリゴ・ドゥテルテが大統領に就任して以来、フィリピンはアメリカから自立する動きを見せてきた。そこでフィリピンを引き寄せるために日本を使うということなのだろう。アメリカと日本は2020年の終わり頃から中国との戦争を想定した作戦を練り始めたとも言われている。

 アメリカは1991年にスービック海軍基地やクラーク空軍基地から追い出されたが、それほどフィリピン国内の反アメリカ感情が高まっていたということだ。アメリカの手先としてフィリピンに君臨していたフェルディナンド・マルコスも1980年代に自立の道を探り始めた。

 それを懸念したアメリカの私的権力は1986年2月、マルコスを国外へ連れ出し、コラソン・アキノを大統領に据えた。この計画を指揮したのはネオコンのポール・ウォルフォィッツだと言われている。コラソンの息子、ベニグノ・アキノ3世もアメリカの手先として2010年6月から16年6月まで大統領を務め、​2012年からスービック海軍基地やクラーク空軍基地をアメリカ軍に再び使わせている​。そうした流れをドゥテルテは止めた。アメリカは1998年にフィリピンへVFA(訪問軍協定)を押しつけたが、​この協定を破棄するとドゥテルテ大統領は2020年2月に通告した。

 アメリカへヨーロッパから移住してきた人びとは「インディアン」から土地を奪い、虐殺する。それが一段落すると傭兵を使ってニカラグアなど中央アメリカを侵略、さらに南アメリカを軍事的に制圧する。その当時、そこはスペインやポルトガルの植民地だった。そうした侵略戦争を推進するためのプロパガンダを繰り広げたのが新聞界に君臨していたウィリアム・ハーストやジョセフ・ピュリッツァーである。

 そうした中、1898年にキューバのハバナ港に停泊していたアメリカの軍艦メインが爆沈する。艦長は石炭庫で火災が発生し、それが原因で爆発したと推測していたのだが、ハーストが発行するメディアはスペインが爆破したと宣伝し、政府による調査が行われる前に議会は戦争に向かう。そこで戦争に消極的だったウイリアム・マッキンリー大統領も宣戦布告せざるをえなくなった。その背後では海軍次官補のシオドア・ルーズベルトが戦争熱を高めていた。(James Bradley, “The Imperial Cruise,” Little, Brown and Company, 2009)

 スペインとの戦争に勝利したアメリカはプエルトリコ、グアム、そしてフィリピンへ矛先を向ける。フィリピンは中国へ乗り込む橋頭堡としての役割を果たすことになるが、フィリピン侵略の際にアメリカ軍は住民を虐殺している。1900年にマッキンリーは再選され、1901年3月にルーズベルトは副大統領に就任、その年の9月にマッキンリー大統領は暗殺され、ルーズベルトが大統領に昇格、「棍棒外交」、つまり侵略政策を推進する。

 このテディ・ルーズベルトと親しかったのが金子堅太郎。ハーバード大学で金子はルーズベルトの2年先輩にあたる。なお、金子と一緒に同大学で法律を学んでいたのが小村寿太郎だ。

 アメリカの支配層にはアジア侵略を目論む集団が存在した。テディはそのひとりだが、明治維新の直後に日本へ公使として来ていたチャールズ・デロング、あるいは厦門の領事だったチャールズ・ルジャンドルも同類だ。台湾から帰国する途中、日本に立ち寄ったルジャンドルは、デロングから日本政府に台湾を侵略するようにけしかけているという説明を受けている。そのために日本政府は琉球を併合、そして江華島へ軍艦を派遣して朝鮮を挑発し、日清戦争、日露戦争へとつながる。

 日露戦争の最中、金子は政府の使節としてアメリカへ渡り、ハーバード大学でアングロ・サクソンの価値観を支持するために日本はロシアと戦っていると演説、同じことをシカゴやニューヨークでも語っている。戦争後、テディは日本が自分たちのために戦ったと書いた。(James Bradley, “The China Mirage,” Little, Brown and Company, 2015)

 日本列島から琉球諸島、そして台湾へ至る島々、そしてフィリピンはこの当時から現在にいたるまでアングロ・サクソンにとって大陸を侵略するための拠点だ。そして今、日本はアメリカの手先として中国と戦う準備を進めている。6月23日には台湾の呉釗燮外相も中国と戦争する準備をする必要があると語った。オーストラリアでは同国軍とアメリカ軍、1万7000名が合同軍事演習を行っている。

 人びとがCOVID-19(新型コロナウイルス)騒動に気をとられている間にアメリカは世界規模で軍事的な緊張を高めている。ロシアや中国に対する脅しが通じなかったため、後へ引けなくなっているとも言えるだろう。







最終更新日  2021.07.02 11:00:20



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