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《櫻井ジャーナル》

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2021.07.04
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 FOXニュースの番組「タッカー・カールソン・トゥナイト」でホストを務めるタッカー・カールソンによると、​電子情報機関のNSAが彼を監視していると内部告発者から知らされた​という。それに対し、​NSAは自分たちが彼を情報活動のターゲットにしたことはなく、番組から彼を降ろそうとしたこともないと答えた​。NSAは自分たちが外国を情報収集の対象にしているとしている。

 しかし、かつてNSAの技術部長を務めた内部告発者で通信傍受システムの開発を主導したウィリアム・ビニーが指摘しているように、自国民を含むすべての通信をNSAは傍受、記録している。自国民を監視するために機能するのがUKUSA(ユクザ)だ。

 UKUSAとはUK(イギリス)とUSA(アメリカ)を意味、イギリスのGCHQとアメリカのNSAが情報活動で協力する仕組みである。この2カ国にカナダ、オーストラリア、ニュージーランドを加えたアングロ・サクソン系の5カ国は「ファイブ・アイズ」と呼ばれるが、あくまでもイギリスとアメリカが中心で、残りの3カ国は米英の支配下にある。アメリカの法律がNSAが自国民を監視することを禁じても、GCHQとNSAの指揮下、UKUSAは全ての通信を傍受、記録しているのだ。しかも、UKUSAはイスラエルの電子情報機関「8200部隊」とも緊密な関係にある。

 GCHQもNSAも1970年代まで存在が秘密にされていた。GCHQの存在は1976年にジャーナリストのダンカン・キャンベルとマーク・ホゼンボールがイギリスのタイム・アウト誌で発表した。その結果、アメリカ人だったホゼンボールは国外追放になり、キャンベルは治安機関のMI5から監視されるようになる。NSAの存在はランパート誌の1972年8月号に掲載された記事の中で明らかにされた。

 1970年代にはアメリカ議会で情報機関による違法活動が調査されているが、そうした舞台のひとつであるフランク・チャーチ上院議員を委員長とする委員会で、NSAとGCHQが日常的に国際通信を傍受、その中にはベトナム戦争に反対していたジェーン・フォンダやベンジャミン・スポックも含まれていたことが明らかにされた。その後、情報機関の活動を制限する法律ができるが、その法律はUKUSAにとって脅威ではなかった。

 第2次世界大戦が終わって間もない頃から情報機関や治安機関は監視プロジェクトを開始する。例えばFBIは1950年代にCOINTELPROを始め、67年8月にはCIAがMHケイアスという監視プログラムを始めている。FBIは当初、コミュニストをターゲットにしていたが、途中でその矛先を反戦平和運動に向けた。

 リンドン・ジョンソン大統領は1967年にNSAのターゲットを反戦運動へ拡大。リチャード・ニクソンが大統領になると公民権運動の指導者、ジャーナリスト、上院議員の一部へと範囲は広がっていく。

 その監視リストには1680名のアメリカ人が含まれ、公民権運動を率いていたマーチン・ルーサー・キング牧師やホイットニー・ヤング、ボクサーのモハメド・アリ、俳優のジェーン・フォンダ、ニューヨーク・タイムズ紙のトム・ウィッカー、あるいは上院議員だったハワード・ベーカーやフランク・チャーチも含まれていた。

 1970年代から電子技術が飛躍的に進歩、通信傍受のシステムも強化されていく。内部告発や議会の調査は蹴散らされた。日本ではそうした問題に興味を持つ人さえ探し出すことが困難だった。






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最終更新日  2021.07.04 16:17:28



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