27421207 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

《櫻井ジャーナル》

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

バックナンバー

2021.09.26
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類

 ​9月24日にワシントンDCで「クワド」と呼ばれる太平洋における軍事同盟の会合​が開かれた。メンバー国はアメリカのほか、オーストラリア、インド、そして日本。「反中国」の同盟だとされているが、それは自動的に「反ロシア」を意味する。ユーラシア大陸の東岸でもアメリカは覇権を維持し、中国やロシアを封じ込め、疲弊させて戦争を始めるチャンスを待っているのかもしれないが、アメリカに求心力はない。4カ国のうちアメリカに従属していると言えるのはオーストラリアと日本。インドはロシアとアメリカを両天秤にかけている。

 アメリカとオーストラリアはイギリスを加えた3カ国で「AUKUS」という軍事同盟も組織、オーストラリアはアメリカとイギリスの技術で原子力潜水艦を建造すると報道されている。この潜水艦建造はフランスとの契約を反故にして成立した。フランスを切り捨てたのだが、その反作用はあるだろう。

 ロシア国家安全保障会議のニコライ・パトロシェフ議長はAUKUSが中国やロシアを仮想敵とする「アジアのNATO」だと指摘しているが、その通りだ。この人物は2015年10月、アメリカが旧ソ連圏の国々に生物兵器の研究所を建設していると非難、今年4月にはアメリカがロシアや中国との国境近くで生物兵器の開発をしているとコメルサント紙のインタビューで発言している。

 すでにアメリカは太平洋地域で「日米安保」と「ANZUS」、ふたつの軍事同盟を組織している。前者は日本とアメリカ、後者はオーストラリア、ニュージーランド、アメリカだが、ニュージーランドが非核政策を掲げているため、事実上、2カ国の同盟だ。今回、ニュージーランドに替わってイギリスが参加した。

 アメリカ、イギリス、オーストラリアのアングロ・サクソン系の国と日本やインドはユーラシア大陸の周辺部を支配し、内陸国を締め上げるというイギリスの長期戦略に組み込まれてきた。大陸を締め上げる「三日月帯」の西端がイギリス、東端が日本だ。

 日本は中国やロシアを封じ込めるために重要な位置にあるだけでなく、戦闘員の供給源でもあった。アヘン戦争でも明らかなように、中国を制圧するだけの戦力をイギリスもアメリカも持っていない。戦国時代に「戦闘奴隷」の供給源として知られていた日本にヨーロッパ人が目をつけても不思議ではない。

 そしてイギリスに支援された「明治維新」があり、新体制になってからイギリスの外交官アーネスト・サトー、アメリカの厦門駐在領事だったチャールズ・ルジャンドルや駐日公使だったチャールズ・デロングは台湾や大陸を侵略するように焚きつけている。

 明治政府は琉球併合、台湾派兵、江華島事件、日清戦争、日露戦争と侵略の道を歩き始めた。シベリア派兵、「満州国」の建国、ノモンハン事件、そして1941年の関東軍特種演習までは中国からロシア/ソ連を支配するというアメリカやイギリス、より詳しく言うならば、両国を支配する巨大資本の戦略に合致した動きをしている。アメリカが日本に海兵隊を駐留させているは必然だ。勿論、レクリエーションが目的ではない。

 この当時と基本的に同じことを現在の日本も求められている。沖縄はアメリカの軍事基地になっているが、沖縄諸島から先島諸島へと自衛隊は活動範囲を拡大させている。その先にある台湾は2016年から総統を務めている蔡英文がアメリカにすり寄り、中国を揺さぶる拠点になっている。

 オーストラリアと台湾は経済的につながりが強かった中国と敵対、アメリカの軍事戦略に協力する道を選んだ。日本は一時期を除き、明治維新から現在まで米英金融資本の大きな影響下にあるが、経済的には中国との関係が深まっていた。その道を作ったのが田中角栄だが、その道を菅直人以降の政権は潰してしまう。

 アメリカやイギリスが煽っているCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)騒動には経済戦争という側面もある。それによって世界経済は大きなダメージを受けているが、日本も例外ではない。中国やロシアが疲弊することも願っているだろう。

 その上でアメリカの私的権力は中国やロシアに対して軍事的な圧力を強め、危険な状態になっている。それを懸念したのか、アメリカのマーク・ミリー統合参謀本部議長は中国側に対し、大統領が中国を軍事攻撃することを許さないと伝えたというが、マーチン・デンプシーのように解任され、好戦的な人物へ交代になる可能性もある。

 軍事的な緊張が高まると、チョットした刺激で戦争が始まる可能性がある。戦争が始まると人間には止められない。アメリカが中国やロシアと戦争を始めたなら、核兵器が使用されることも想定できる。アメリカも想定しているだろう。そしてオーストラリアに原子力潜水艦を作らせようとしている。「防衛白書」を読むと、日本はこの戦略に従っているように思える。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021.09.26 15:15:56



© Rakuten Group, Inc.