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《櫻井ジャーナル》

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2021.10.21
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 10月11日にモスクワを訪問したビクトリア・ヌランド米国務次官に対するロシア政府の対応は冷淡なものだったと伝えられている。ロシアとの関係を悪化させる政策はバラク・オバマ政権が始め、ドナルド・トランプ政権も軌道を修正できなかった。オバマ政権で副大統領を務めたジョー・バイデンはオバマ政権を同じ政策を始めたが、ロシア政府の対応は厳しいものになっている。

 今回、ヌランドはロシア側に対し、​ワシントンDCの外交スタッフを300名削減​することを要求したほか、フランスの「元植民地」であるマリにいるロシア人傭兵を問題にし、アフリカからロシアを追い出そうとする意思を示した。またアメリカが破壊したリビア情勢をヌランドは取り上げ、ロシアの協力を要請したという。

 そのほか​中央アジアに情報機関のネットワークを構築し、ウズベキスタンかタジキスタンに軍事基地を作りたい​と申し出たようだが、これは拒否されている。この計画は遅くとも4月の段階で考えられていた。

 ​ジョー・バイデン米大統領​は6月16日にスイスのジュネーブでウラジミル・プーチン露大統領と会談した際、テロと戦うためにドローン(無人機)のネットワークを中央アジアに張り巡らせるため、アメリカ軍をそこへ常駐させたいと希望、プーチンから一笑に付されたと言われている。その提案をもう一度ヌランドが持ち出したわけだ。

 中央アジアに入ったアメリカ軍はアフガニスタンとロシアを分断しようとするだけでなく、その矛先はロシアや中国の「一帯一路(BRI/帯路構想)」も向けられる。ロシアや中国が認めるわけがない。

 アメリカ政府は9月までに特殊部隊や情報機関の工作員、そして1万6000名以上の「民間契約者」を残し、自国軍2500名をアフガニスタンから撤退させる計画を持っていたが、アフガニスタンを放棄するつもりはなかったはずだ。タリバーンとの戦争で敗北、アフガニスタンにいられなくなっただけのことだ。

 そこでアメリカ空軍はカタールのアル・ウデイド基地やアラブ首長国連邦のアル・ダフラ基地、あるいはクウェートのアリ・アル・サレム基地とアーマド・アルジャベル基地に戦闘機、偵察機、爆撃機などを集め、アフガニスタンも空爆できる態勢を整えたが、それだけでなく、中央アジアにドローンの拠点ネットワークを張り巡らせる計画を立てていた。ジュネーブでの提案はこの計画に基づいている。

 ところが、アメリカを後ろ盾とするアシュラフ・ガニー政権は予想以上に早く崩壊する。タリバーンは8月15日に首都カブールを制圧、その直前にガニー大統領は国外へ脱出した。アメリカ軍の撤退は混乱の中、行われることになった。

 ヌランドのモスクワ訪問がロシアとの関係修復を意図していないことを示す出来事が訪問の直前にあった。NATOがロシアの外交団員8名を追放、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は10月18日に対抗措置を発表する。11月からNATOへの派遣団は活動を停止、モスクワにあるNATOの軍事連絡事務所を閉鎖、それ以降、ロシアはNATOとベルギーにロシア大使館を通じて接触するとしている。

 ラブロフが対抗措置を発表する直前、10月15日にアメリカの駆逐艦「チャフィー」がロシアの国境へ接近、領海を侵犯する動きをみせた。それを阻止しようとするロシアの駆逐艦(大型対潜艦)と60メートル以内まで接近する事態になったという。その海域では10月14日から17日にかけてロシアと中国が軍事演習を行っていた。ロシア外務省はアメリカの駐在武官を召喚している。

 10月17日には日本海でロシアへ接近したアメリカのB-1B爆撃機に対してロシア軍のミグ31が緊急発進、19日には黒海でアメリカのB-1B爆撃機2機とKC-135給油機2機に対してロシアのスホイ20戦闘機2機が緊急発進している。






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最終更新日  2021.10.21 10:04:49



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