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《櫻井ジャーナル》

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2021.12.04
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 アメリカの属国と見なされている日本がロシアや中国から嫌われるのは必然である。より正確に言うならば、日本はアメリカとイギリスの金融資本、いわゆる「ウォール街」と「シティ」を中心とする私的権力に支配されてきた。こうした主従関係は「明治維新」で築かれ、例外的な時期もあったものの、現在まで続いている。

 日本を支配しているアメリカの私的権力は現在、ロシアや中国に対して経済的な戦争を仕掛けると同時に軍事的な恫喝を続けている。岸田文雄首相は10月8日に中国の習近平国家主席と電話で会談、日中国交正常化50周年にあたる来年は建設的で安定的な関係を築く好機だと述べたというが、こうした発言をアメリカ側が喜んだとは思えない。

 そうした中、12月1日に安倍晋三元首相は台湾のシンクタンク「国策研究院」が主催したフォーラムでアメリカの意向に沿う発言をした。​台湾有事は日本有事であり、日米同盟の有事でもあると発言​、「ひとつの中国」という建前を否定することで中国を挑発したのである。

 日本が中国との関係を悪化させる道へ足を踏み入れたのは2010年6月のことである。発足したばかりの菅直人内閣が「解決すべき領有権の問題は存在しない」とする答弁書を閣議決定した。

 言うまでもなく、日本と中国との間には尖閣諸島を巡る「領有権の問題」が存在している。それがネックになって両国の友好的な関係が築けないのは両国にとって良くないという判断から尖閣諸島の領有権問題を棚上げにすることで周恩来と合意したのは田中角栄だ。この合意によって領有権問題の決着は先送りにされ、尖閣諸島は日本が支配する現状が容認され、その状態を武力によって変更しないことになった。

 その流れの中で2000年6月に日中漁業協定を発効。尖閣諸島が含まれる海域における漁船の取り締まりは漁船が属す国の当局が取り締まり、相手国の漁船の問題は外交ルートを通じて注意喚起するとされた。

 ところが、2010年6月の閣議決定に基づいて海上保安庁は尖閣諸島周辺の海域における警備基準を日中漁業協定基準から国内法基準に変更。海上保安庁の巡視艦が中国漁船を取り締まり、衝突事件に発展したのである。海上保安庁は国土交通省の外局だが、その当時の国土交通大臣は前原誠司だ。

 閣議決定の4カ月前、アメリカの国務次官補だったカート・キャンベルが来日、前原と会談したと言われている。ジョー・バイデン政権における「対アジア政策」、事実上の対中国政策の責任者はキャンベルだと言われている。

 1991年12月にソ連が消滅した直後からアメリカは「唯一の超大国」として行動し始めた。ところが日本の細川護熙政権は国連中心主義から離れない。そこでマイケル・グリーンとパトリック・クローニンはカート・キャンベルを説得して国防次官補だったジョセイフ・ナイに接触、ナイは1995年2月に「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」を発表している。ここでもキャンベルはキーパーソンだ。

 1995年には3月の地下鉄サリン事件、その直後に警察庁長官だった國松孝次が狙撃され、8月にはアメリカ軍の準機関紙であるスターズ・アンド・ストライプ紙に日本航空123便に関する記事が掲載された。その記事の中で自衛隊の責任が示唆されている。それ以降、日本はアメリカの戦争マシーンに組み込まれた。

 日本がアメリカの戦争マシーンに組み込まれていることを安倍は熟知しているはずだ。2015年6月、安倍は赤坂の赤坂飯店で開かれた懇親会で「​安保法制は、南シナ海の中国が相手なの​」と口にしたと伝えられている。

 安倍は「戦争ごっこ」のつもりかもしれないが、「ルビコンを渡った」アメリカに対する中国やロシアの姿勢は厳しいものになっている。アメリカによる中国やロシアに対する恫喝が機能せず、厳しい反撃にあっていることは本ブログでも書いてきた。安倍は火薬庫の中で火遊びをしているとも言える。

 ロシアはウクライナ周辺におけるアメリカの軍事的な圧力に対抗するため、防衛体制を強化している。ウクライナからモスクワまで500キロメートル程度しかない。それだけでなく、千島列島でも防衛体制を整えつつあり、択捉島に続き、​松輪島に対艦ミサイル・システム「バスチオン」を実戦配備​したと伝えられている。中国の沿岸部にも対艦ミサイルは配備されているはずだ。






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最終更新日  2021.12.04 02:50:34



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