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《櫻井ジャーナル》

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2022.04.14
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 アメリカはジェノサイドで作りあげられた国である。かつては海兵隊が侵略、殺戮、破壊、略奪の手先として活動していたが、中東ではワッハーブ派やムスリム同胞団、ヨーロッパではナチス、東アジアでは日本人も使われている。

 1492年にクリストバル・コロン(コロンブス)がバハマ諸島に到着する前、北アメリカには210万人とも1800万人とも言われる先住民が生活していたが、ヨーロッパからの移民によって殺されてしまった。

 イギリスから「ピルグリム・ファザーズ」と呼ばれるピューリタンの集団がプリマスへ到着したのは1620年だが、その前にイギリス人が持ち込んだペスト菌で少なからぬ先住民は死んでいる。

 先住のアメリカ・インディアンを殲滅するためにイギリスは天然痘も利用した可能性が高い。当然のことながらイギリスの公式文書には出てこない(記録していない)ようだが、天然痘の患者が使い、汚染された毛布などを贈るという手法をイギリス軍は使っていたとされている。19世紀になっても続けられていたという。

 銃や大砲だけでなく、細菌兵器も使われたということだが、そうしたことを正当化するため、彼らは神を持ち出す。例えば、マサチューセッツ湾に到達したピューリタンのジョン・ウィンスロップは1630年、自分たちを神から選ばれた民だと主張、神との契約に基づいてマサチューセッツ植民地を建設すると語る。

 ジェノサイドで土地を手にしたイギリスの植民者は低コストの労働力を「囲い込み」で生み出された失業者を年期奉公人(年期奴隷)として使うようになった。アフリカだけでなく、ヨーロッパやアジアから奴隷がアメリカへ運ばれていたのである。

 アメリカは「WASP」の国だとも言われている。白人(W)、アングロ(A)、サクソン(S)、そして「P」。通常、Pはプロテスタントの頭文字だとされているが、ピューリタンのPだと言う人もいる。それほどピューリタンの影響力は今でも大きいようだ。

 ピューリタンは17世紀の半ば、イギリスを支配していたチャールズ1世の体制を倒した。いわゆるピューリタン革命だが、その指導者がオリバー・クロムウェル。地主や富裕な商工業者に支持されていた独立派のメンバーだ。革命の際、小農民や職人層に支持されていた水平派とクロムウェルは手を組んでいたが、革命後に水平派は潰される。

 その後、クロムウェルはアイルランドを侵略して住民を虐殺、アイルランドの人口は激減する。虐殺前の1641年には147万人だったが、52年には62万人へ減ったという。50万人以上は殺され、残りは「年季奉公」や「召使い」としてアメリカなどに売られたと言われている。

 アメリカは1776年に独立を宣言するが、これはヨーロッパからの移民が先住民を無視して行った身勝手な行為にすぎない。その後も先住のアメリカ・インディアンを虐殺しながら支配地域を東から西へ拡大させていき、1845年には太平洋岸に到達した。

 1846年にアメリカはメキシコと戦争をはじめ、テキサス、ニュー・メキシコ、カリフォルニアを制圧し、フロンティアの消滅が宣言された1890年にはサウスダコタのウンデッド・ニー・クリークにいたスー族を騎兵隊が襲撃し、150名から300名を虐殺している。

 ウイリアム・マッキンリーが大統領に就任した翌年、1898年にアメリカの中南米侵略を本格化させる引き金になった事件が起こる。キューバのハバナ港に停泊していたアメリカの軍艦メインが爆沈したのだ。アメリカはスペインが爆破したと主張、宣戦布告して米西戦争が始まる。マッキンリーは戦争を回避しようとしていたが、海軍次官補だったシオドア・ルーズベルトが独断で戦争へとアメリカを引きずっていった。

 この戦争に勝利したアメリカはスペインにキューバの独立を認めさせ、プエルトリコ、グアム、フィリピンを買収することになる。ハワイも支配下におく。フィリピンは中国市場へ乗り込む橋頭堡としての役割を果たすことになった。その際、アメリカ軍がフィリピンで行った先住民の虐殺は悪名高い。

 17世紀に書かれた「ウェストミンスター信仰告白」によると、「神は人類うち永遠の生命に予定された人びと」を選んだが、「これはすべて神の自由な恩恵と愛によるものであって、決して信仰あるいは善き行為」のためではないとされている。(マックス・ウェーバー著、大塚久雄訳『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』岩波書店、1989年)

 奴隷も支配者も貧者も富豪も神が決めたことであり、社会的な強者は弱者のことを考える必要はないということにもなる。生まれ育った環境や運、そして犯罪行為もすべて神が事前に定めていたのであり、どのような手段でカネを儲けたとしても、それは神の意志だということだ。つまり、人間にとって善行は無意味であり、自分が「選ばれた人間」だと信じる人びとは何をしても許されるということになる。

 ビクトリア朝時代のイギリスで政策決定の中心にはネイサン・ロスチャイルド、セシル・ローズ、レジナルド・ブレット、ウィリアム・ステッドなどがいた。

 ローズは1871年にNMロスチャイルド&サンの融資を受けて南部アフリカでダイヤモンド取引に乗り出して大儲けした人物だが、1877年に彼が書いた『信仰告白』によると、彼はアングロ・サクソンを最も高貴な人種だと考え、優秀なアングロ・サクソンが支配地域を広げることは義務だと信じていた。非アングロ・サクソンの殲滅は神から許されているということになる。






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最終更新日  2022.04.14 00:53:22



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