27404032 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

《櫻井ジャーナル》

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

サイド自由欄

バックナンバー

2022.05.28
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類

 スイスのダボスで会議を開かれているWEF(世界経済フォーラム)の年次総会で5月23日にヘンリー・キッシンジャーはバーチャル演説を行い、ウクライナ情勢について言及した。2カ月以内に戦闘を終えるための交渉をはじめるべきだとしている。

 アメリカではジョー・バイデン大統領、国務省やCIAが戦争に積極的で、フィリップ・ブリードラブ元SACEUR(NATO欧州連合軍最高司令官)は核戦争への恐怖がウラジミル・プーチン露大統領に対する適切な対応を西側にとらせないと主張している。

 それに対し、キッシンジャーはそうした動きを懸念しているようだ。ロシアとの戦争を避けるため、ウォロディミル・ゼレンスキー政権はロシア側の要求を全て呑み、ドンバスやクリミアのロシアへの割譲を認めるべきだとしている。

 2014年2月にバラク・オバマ政権を後ろ盾とするネオ・ナチによるクーデターがあった直後からキッシンジャーはロシアとウクライナが歴史的に特殊な関係にあることを理解するべきだと主張、オバマ政権のロシアを敵視する政策に争い、米露の関係を正常化しようとしてきた。核戦争を心配しろということだろう。

 その発言を受け、5月24日に投機家のジョージ・ソロスは声明を発表、2月24日に始まったロシア軍の攻撃によって「第3次世界大戦」が始まったのかもしれないとし、「西側文明」は「生き残る」ため、できるだけ早くロシアを打倒しなければならないと主張している。

 ソロスにとってウクライナでの戦闘はロシアを制圧する序章であり、ブリードラブ大将と同じように核戦争を想定しているように見える。ソロスの仲間は現在の資本主義システムが限界に達していることを理解、「資本主義の大々的なリセット」が必要だと考えている。そのためにCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)を利用しているわけだ。そのリセットを実現するためにロシアと中国は障害になっている。

 ロシア軍はウクライナに対する攻撃を始めた際、軍事施設と病原体の研究施設をターゲットにし、重要文書を回収している。ロシア軍の動きが想定より早く、証拠を処分しきれなかった可能性がある。その病原体とは兵器として使えるほど危険なもので、生物兵器の研究開発を行っていたと考えられている。

 その研究ネットワークはアメリカの国防総省やCDC(疾病予防管理センター)によって動かされ、大手医薬品メーカーも関係しているとロシア政府は発表しているが、その中枢にはオバマ、バイデン、ヒラリーといった民主党の大物やソロスがいる。

 ソロスはヘッジ・ファンドを動かす投機家とされているが、「オープン・ソサエティ財団」を拠点にし、彼らにとって好ましくない体制、政権を転覆させてきた。「開かれた社会」という看板を掲げているが、その前に「略奪者に」という文字が隠れている。

 彼の力の源泉は明確でないが、ロスチャイルドのネットワークと関係が深いことは確かだ。ニルス・タウブやリチャード・カッツを通じてイギリスの「N・M・ロスチャイルド・アンド・サン」につながり、ジョージ・カールワイツを通じてフランスのエドモンド・ド・ロスチャイルド・グループにつながっている。N・M・ロスチャイルド・アンド・サンは長くジェイコブ・ロスチャイルドとエベリン・ド・ロスチャイルドにコントロールされてきた。

 ロシアに対してオバマと同じ姿勢をとっていたヒラリー・クリントンがソロスから政策面の指示を受けていたことは2016年に行われたアメリカ大統領選挙の際、公開された電子メールによって判明している。彼女の言動を見てもそれは推測できる。

 ヒラリーの友人と言われるビクトリア・ヌランドは民主党政権でも共和党政権でも外交や安全保障関係の要職についている反ロシア派。ネオコンの大物としても知られ、2013年11月から14年2月にかけてウクライナで実行されたクーデターを指揮していた。

 アメリカ政府がウクライナで戦争を始めたのは2013年11月のことだが、その前に1990年代から始まった旧ソ連圏の制圧作戦があった。その作戦の背景には19世紀から続くイギリス支配層の長期戦略がある。

 ウクライナで戦争を始めたのはオバマ政権、つまりアメリカ政府なのだが、それを隠し、バイデン、オバマ、ヒラリー、ヌランド、ソロスといった人びとにとって都合のいいシナリオを作成、宣伝しているのが西側の有力メディアだ。このシステム全体が一種の「陰陽師」になっている。

 アメリカをはじめとする西側の有力メディアが巨大企業の広告費に収入を依存しているだけでなく、巨大資本に会社が所有されていることは外から見ても明白だ。

 アメリカの場合、メディアの約9割をCOMCAST(NBCなど)、FOXコーポレーション(FOXグループなど)、ウォルト・ディズニー(ABCなど)、VIACOM(MTVなど)、AT&T(CNN、TIME、ワーナー・ブラザーズなど)、CBSが支配している。

 そうしたメディアやシリコンバレーのハイテク企業を含むアメリカの主要500社の9割近くを支配しているのはブラックロック、バンガード、ステート・ストリートといった「闇の銀行」だ。こうした金融機関は1970年代から始まった金融規制の大幅な緩和により、銀行のような規制は受けない。こうした「闇の銀行」に資金を投入している一握りの富豪が西側の有力メディアも支配しているわけだ。

 しかし、これは表の話にすぎない。裏では情報機関が有力メディアを操ってきた。「報道機関」として世の中に出現したメディアだが、当初から「プロパガンダ機関」でもあった。第2次世界大戦後、情報操作の重要性を理解したアメリカの支配層は「モッキンバード」と呼ばれる極秘プロジェクトをスタートさせている。

 当時、このプロジェクトをCIAで担当していたのはコード・メイヤーで、実際の活動を指揮していたのはアレン・ダレス、ダレスの側近だったフランク・ウィズナーとリチャード・ヘルムズ、そしてワシントン・ポスト紙の社主だったフィリップ・グラハムだという。(Deborah Davis, “Katharine The Great”, Sheridan Square Press, 1979)

 グラハムは第2次世界大戦中、陸軍情報部に所属、中国で国民党を支援する活動に従事していた。その時の仲間のひとりがヘルムズ。そのほか後にCIA副長官になり、CSISの創設に関わったレイ・クライン、グアテマラのクーデターなどに参加し、ウォーターゲート事件で逮捕されたE・ハワード・ハント、そしてジョン・シングローブ。

 シングローブの肩書きはアメリカ陸軍の少将だが、OSSやCIAの秘密工作に参加していた人物。WACL(世界反共連盟)の議長を務めたことがある。駐韓米軍の司令官を務めていた際、大統領だったジミー・カーターの政策を批判して解任されている。

 アメリカに「言論の自由」があると今でも信じている人がいるようだが、それは幻想に過ぎない。1970年代までは気骨あるジャーナリストが「言論の自由」を支えていたが、巨大資本によるメディア支配が進んだ80年代にそうした人は排除されていった。

 ワシントン・ポスト紙の記者として「ウォーターゲート事件」を暴いたカール・バーンスタインはリチャード・ニクソン大統領が辞任した3年後の1977年にワシントン・ポスト紙を辞め、「CIAとメディア」という記事をローリング・ストーン誌に書いている。

 その記事によると、1977年までの20年間にCIAの任務を秘密裏に実行していたジャーナリストは400名以上に達し、1950年から66年にかけてニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供したとバーンスタインにCIAの高官は語ったという。また、その当時、ニューズウィーク誌の編集者だったマルコム・ミュアは、責任ある立場にある全記者と緊密な関係をCIAは維持していたと思うと述べたという。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

 CIAのメディア支配はアメリカ国内に留まらない。例えば、フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)紙の編集者だったウド・ウルフコテは2014年2月、ドイツにおけるCIAとメディアとの関係をテーマにした本を出版、その中で​多くの国のジャーナリストがCIAに買収されていて、そうした工作が危険な状況を作り出していると告発​している。

 彼によると、CIAに買収されたジャーナリストは人びとがロシアに敵意を持つように誘導するプロパガンダを展開し、ロシアとの戦争へと導いて引き返すことのできないところまで来ているとしていた。ウクライナの現状はCIAが作成し、有力メディアが宣伝した通りの展開になっていると言えるだろう。

 21世紀に入ってからだけでも、2001年9月11日に起こった出来事、イラク戦争前の大量破壊兵器話、東電福島第一原発の事故に関する話、リビアやシリアへの侵略で流した偽情報、パンデミック話等々、嘘のオンパレードだ。同じことをウクライナでも行っている。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2022.05.28 14:27:11



© Rakuten Group, Inc.