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《櫻井ジャーナル》

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2022.06.23
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 バルト海に面したカリーニングラードはロシアの飛び地で、バルチック艦隊の母港がある。2014年2月のクーデターでアメリカは黒海艦隊の母港があるクリミアを制圧することに失敗しているので、チャンスがあればカリーニングラードを狙うと推測している人もいた。

 そのカリーニングラードとロシア本体を結ぶ鉄道や道路はリトアニアを通過しているのだが、そのリトアニアが鉄道や道路を利用した輸送を止めたと6月18日に伝えられた。アメリカがロシアに対する経済戦争として始めた「制裁」の対象になっている貨物を積んだ列車やトラックの国内通行をリトアニアは禁止したのだ。

 それを受け、ロシアの安全保障会議を率いるニコライ・パトルシェフ書記は21日、リトアニアによる「経済封鎖」へ報復するために「適切な措置が近いうちに講じられる」と宣言した。ドミトリー・ペスコフ大統領報道官やマリア・ザハロワ外務省報道官もリトアニアの行動を批判する声明を発表している。

 しかし、リトアニアのこうした行動をロシア政府は予想していたはずだ。NATOによる軍事的攻撃に対する準備も進めていた可能性が高い。報復の方法も検討していただろう。

 リトアニアのガブリエリュス・ランズベルギス外相は物流の遮断をEUが承認していると主張、EUのジョセップ・ボレル外務安全保障政策上級代表もそれを確認している。ボレルによると、移動手段を止めたのであって封鎖したわけでなく、人の移動も禁止していないので問題はないらしい。

 ランズベルギスはリトアニアという国の有り様を示す人物だ。​彼の曽祖父にあたるビータウタス・ランズベルギス-ジェムカルニスはナチス体制のリトアニアで社会基盤大臣を務めていただけでなく、強制収容所の主任監督官だったとされている​。少なくともこの時代、ビータウタスはナチスだった。

 ​ナチス体制になった1941年6月当時、リトアニアは22万人のユダヤ人が生活していたが、戦争が終わった時には21万2000人がいなくなった​。そのうち5000名はポーランドの強制収容所へ運ばれたとされている。

 ポーランドとリトアニアは歴史的なつながりもある。1600年当時、この地域には「ポーランド・リトアニア連邦」なる国があり、その復活を夢見る勢力が存在している。

 この地域にはカトリック教徒が多く、バルト海と黒海に挟まれた中央ヨーロッパにカトリックの帝国を作ろうという計画があったが、これはポーランド・リトアニア連邦構想はつながる。ふたつの海に挟まれているということから「インターマリウム」と呼ばれた計画だ。これは現在、「三海洋(バルト海、アドリア海、黒海)イニシアチブ」という形で生きている。

 ところで、ビータウタスの曾孫だということがガブリエリュスの政治家としての地位を高めている。外務大臣になれたのもネオ・ナチに支援されているからだと言われている。ウクライナ西部、ポーランド、バルト諸国の地域はナチスの影響た強いが、その一因は第2次世界大戦後にアメリカが脱出させ、保護、後継者を育成してきたナチス人脈がソ連消滅後に戻ったことにある。

 ウクライナでクーデターが実行される前、ポーランドでネオ・ナチのメンバーが軍事訓練を受けているが、似た目的の訓練施設をNATOはエストニア、ラトビア、リトアニアに持っていると言われている。






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最終更新日  2022.06.23 21:33:37



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