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《櫻井ジャーナル》

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2022.10.13
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 クリミア半島とロシア本土を結ぶクリミア橋(ケルチ橋)で10月8日に爆弾テロが実行され、3名以上が死亡した。ロシアのFSB(連邦保安庁)によると容疑者は12名で、そのうち8名が逮捕されたという。トラックに積まれた建設用フィルムのロールに偽装したプラスチック爆弾で、爆破工作を計画したのはウクライナ国防省の情報総局(GUR)だという。爆破の直後、​ウクライナ大統領府長官の顧問を務めるミハイロ・ポドリャクは「始まりだ」と発言​した。

 それに対し、​計画の黒幕はイギリスの対外情報機関MI6(SIS)だという情報​もある。西側の有力メディアが実行者をSBUだとしていたのはそのためだという。MI6はイギリスの金融界、通称「シティ」との関係が深く、アメリカの情報機関CIAの教師的な存在でもある。イギリスはアメリカと共にNATOの中核国であり、テロの黒幕がMI6が黒幕だとするとロシア政府は慎重に発言せざるをえないだろう。

 10日から11日にかけてロシア軍は黒海に配備されている艦船から発射された少なくとも200機の巡航ミサイルでキエフ、ルボフ、オデッサ、ハリコフを含むウクライナの15都市を攻撃し、軍事施設やエネルギー関連のインフラなど予定された目標を全て破壊したとされている。この攻撃でウクライナ軍の幹部を含む12名が死亡したという。

 夏以降、ロシアはテロ攻撃を受けている。8月20日にモスクワでダーヤ・ドゥギナを殺害、9月26日には「ノード・ストリーム1(NS1)」と「ノードストリーム2(NS2)」を爆破、そしてクリミア橋での爆弾テロだが、これらに対する報復としてミサイル攻撃が実行されたと考えられている。

 しかし、ロシア軍は冬に本格的な戦闘を始めると言われていた。ドンバス(ドネツクやルガンスク)、ヘルソン、ザポリージャをロシアの一部にするための手続きが進められたが、ウラジミル・プーチン大統領は9月21日に部分的な動員を実施すると発表した。近日中に20万人以上の戦闘員を新たに投入するというが、​ロシア軍がウクライナとの国境近くへ大量の兵器を輸送している様子も目撃されている​。

 ウクライナの軍や親衛隊は4月から5月にかけての時期に壊滅状態になり、キエフ政権とロシア政府が話し合う雰囲気になった。そこで​4月9日にイギリスのボリス・ジョンソン首相がウクライナへ乗り込んで停戦交渉をやめさせ​、4月21日にはウクライナ南部のミコライフ州のビタリー・キム知事が「ウクライナ24テレビ」の番組で​「全ての裏切り者を処刑する」と宣言​して国民を恫喝した。

 4月30日にはナンシー・ペロシ米下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪問、ゼレンスキー大統領に対してウクライナへの「支援継続」を誓って戦争の継続を求め、ジョンソン英首相は8月24日にもキエフを訪問し、ロシアとの和平交渉を進める時間的な余裕はないと釘を刺している。

 これ以降、ロシア/ドンバス軍がウクライナで戦う相手はNATOへ変化していく。それまでキエフ政権軍と戦っていたのはドンバス軍が主体で、チェチェン軍や「ワグナー・グループ」と呼ばれる傭兵会社の戦闘員が支援する形で、ロシアの正規軍は多くなかったという。

 チェチェン軍はアメリカが送り込んだアル・カイダ系武装勢力を殲滅した経験があり、ワグナー・グループはロシア軍の元特殊部隊員を中心に編成されているという。いずれもウラジミル・プーチン大統領から信頼されている。チェチェン軍を率いているラムザン・カディロフはここにきて上級大将の称号を与えられた。

 それだけでなく、西部軍管区司令官の司令官がロマン・ビアルニコフ中将へ、またドンバス、ヘルソン、ザポリージャでの指揮官としてセルゲイ・スロビキン大将へ交代している。両者ともシリアで戦闘を指揮した経験があり、スロビキンはロシア軍のエース的な存在だ。ミサイルでの攻撃が一段落した後、本格的な地上戦が始まる可能性が高い。アメリカ/NATOから核戦争の話が流れているが、それだけロシア軍の新たな動きを恐れているのだろう。






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最終更新日  2022.10.13 00:38:28



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