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《櫻井ジャーナル》

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2022.10.24
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 ウラジミル・プーチン露大統領は9月21日に部分的な動員を実施すると発表、義勇軍と動員で約30万人が新たな戦力として投入され、冬になると新たな軍事作戦が始まると見られている。そのため、現在、訓練中で、前線には出てきていないようだ。

 すでに兵器をウクライナとの国境へ輸送する様子を撮影した映像がインターネットで流れているが、そうした動き以上に注目されているのが指揮体制の変更だろう。

 西部軍管区司令官の司令官がロマン・ビアルニコフ中将へ、またドンバス、ヘルソン、ザポリージャの統括司令官がセルゲイ・スロビキン大将へ交代し、またチェチェン軍を率いているラムザン・カディロフは上級大将の称号を与えられ、存在感が増している。いずれも実戦経験が豊富な軍人だ。

 さらに「ワグナー・グループ」も注目されている。傭兵会社だが、戦闘員の多くはロシア軍の特殊部隊出身だとされ、事実上、プーチン大統領の直属部隊だと言う人もいる。

 スロビキン大将は10月18日、記者に戦況を説明したが、その際、ヘルソンの状況は緊迫していると語った。ウクライナ軍を指揮しているNATOの司令官はヘルソンへの攻撃を命令し続けているとしている。それだけ戦略的に重要な場所だということで、今後、激しい戦闘が展開される可能性が高い。

 ドンバス周辺はステップ(大草原)で、ウクライナ軍の兵士は草原の中に帯状に伸びる林の中に隠れているが、冬になると葉が落ちて隠れられなくなり、地面が凍結して車両が動きやすくなる。ロシア軍はそうした状況になるのを待っていると考えられている。つまり、11月に大規模な攻撃を始める可能性が高いのだ。

 プーチン大統領は10月19日、ドネツク、ルガンスク、ヘルソン、ザポリージャに戒厳令を布き、ヘルソンの住民を避難させた。この避難は住民の安全を考えてのことだろうが、軍事作戦の自由度を高めることも目的だと言われている。

 アメリカ/NATOは訓練が不十分なウクライナ兵に無謀な突撃攻撃を繰り返させているが、アメリカの統合参謀本部はロシア軍との直接的な戦闘には慎重な姿勢。ロシア軍が新たな軍事作戦を始めた場合、キエフ政権軍は厳しい状況に陥るだろう。

 そうした中、キエフ政権やアメリカ/NATOの好戦派は核攻撃やダムの爆破といった話を流し始めた。彼らはロシア軍が実行すると宣伝しているが、アメリカ/NATO/ウクライナ軍が行う可能性はある。核兵器でロシア軍を壊滅させる行為は反作用が大きいだろうが、偽旗作戦を実行することは考えられる。ダムの破壊によって川にかかっている橋を全て壊し、ロシア軍が進撃できないようにする可能性もある。

 アメリカでは2007年8月に核弾頭を搭載した6機の巡航ミサイルAGM-129がノースダコタ州にあるマイノット空軍基地からルイジアナ州のバークスデール空軍基地へB-52爆撃機に装着した状態で運ばれるという事件があった。「間違い」とされているが、軍の一部がイランを核攻撃しようとした、あるいはアメリカで核テロを実行しようとしたと考える人もいる。その後、管理は厳しくなったというが、こうした前例があるのだ。勿論、放射性物質を撒くだけでも大きな被害が出る。いわゆる「汚い爆弾」だ。

 ネオコンに近く、アメリカ中央軍やISAF(国際治安支援部隊)の司令官、そしてCIA長官を務めたデイビッド・ペトレイアスは欧米のメディアでロシア軍が核兵器を使うという印象を広めている。「プーチンは絶望的な状況にある」と彼は主張、核兵器が使用される可能性があると人びとを脅しているのだ。そうなればアメリカ軍が登場してロシア軍をウクライナから追い払うと宣伝しているのだが、今のところ統合参謀本部は慎重な姿勢を維持している。

 ペトレイアスは10月22日、レクスプレス誌のインタビューで、ロシア軍がウクライナでアクションを起こせば、NATO軍としてでなくアメリカ主導軍として反撃すると語った。NATOの内部に彼の思い通りに動かない国が存在しているということだろう。4月に元SACEUR(NATO欧州連合軍最高司令官)のフィリップ・ブリードラブ米空軍大将は核戦争への恐怖がプーチンに対する適切な対応を西側はとれないのだと主張したが、思考力があるなら、そうしたことを拒否して当然である。

 アメリカのCBSはロシア軍がNATOを攻撃した場合、ルーマニアで軍事演習しているアメリカの第101空挺師団が軍事介入すると「報道」していたが、この部隊は軽武装で、ロシア軍と正面からぶつかる能力はない。アメリカやその属国に対するイメージ戦略だと考えられている。

 西側の有力メディアは戦争を推進するため、「アメリカは強い」上に「ロシアは弱い」というイメージを作ってきたが、「神国日本」は勝つと言い続けたことを思い起こさせる。実は、ベトナム戦争中、相当数のアメリカ人は自国を「神国」なので勝つと信じていた。その妄想が崩れたため、1967年6月の「第3次中東戦争」で勝利したイスラエルを信奉するようになり、ネオコンの台頭につながったと言われている。






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最終更新日  2022.10.24 10:16:36



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