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EPC(欧州政治共同体)の初首脳会合が10月6日から7日にかけてチェコのプラハで開催された。ウクライナへの支援をさらに強化しようとしているジョー・バイデン政権に合わせたのか、EPCの首脳はキエフのウォロディミル・ゼレンスキー政権に対する軍事的な支援を訴えていたが、ウクライナでの戦闘がロシア軍とNATO軍の戦いというステージに進んでいることを考えると危険だ。 西ヨーロッパの「エリート」はバイデン政権の意向に沿った政策を進め、ロシアとの戦争にも前向きである。ウルスラ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長、ジョセップ・ボレルEU外相(外務安全保障政策上級代表)、あるいは有権者の意思を無視してロシアとの戦争に突き進むと公言しているドイツのアンナレーナ・ベアボック外相、ロシア軍がウクライナでの軍事作戦を止められなければNATO軍と戦わせることになると2月27日に発言したリズ・トラス前英首相らは特にそうした傾向が強い。 ライエン委員長はEPCの会合で行った演説の中で出席を決断したリズ・トラスを賞賛したが、各国の首脳は沈黙で応じた。アメリカやイギリスを中心に推進されているロシアや中国に対する経済戦争はヨーロッパ社会に大きな被害をもたらして経済は崩壊寸前であり、国民の怒りは爆発しかかっている。 第1次世界大戦と第2次世界大戦でヨーロッパは弱体化し、ソ連/ロシアも大きなダメージを受けた。第3次世界大戦が勃発したなら、ヨーロッパは消滅する可能性がある。 ところが、ここにきてEUが積極的にロシアとの戦争へ向かっていたことがわかってきた。その一例はフランス海軍を中心にして昨年11月18日から12月3日にかけて地中海で実施されたNATOの軍事演習「ポラリス21」。フランスのほかアメリカ、スペイン、ギリシャ、イタリア、そしてイギリスが参加している。敵の「メルキュール」がロシアを意味していることは明らかだ。
2021年6月21日にウクライナとイギリスは2隻の掃海艇や8隻の小型ミサイル艇をイギリスがウクライナへ売ることで合意、国会とアゾフ海に面した場所に軍事基地を作ることが要請されている。ふたつの基地はNATOの艦船がウクライナの地上軍が集結していたオデッサやマリウポリを守るために使うつもりだったと推測されている。 その2日後、つまり23日にオデッサを出港したイギリス海軍の駆逐艦「ディフェンダー」がクリミアへ接近、ロシアが定めた領海を侵犯して境界線から3キロメートル内側を20分にわたって航行した。 ロシア国防省によると、ロシアの警備艇は2度警告の銃撃を行ったのだが、それでも進路を変更しない。そこでSu-24戦術爆撃機が飛来して艦船の前方へ4発のOFAB-250爆弾を投下、ディフェンダーはすぐ領海外へ出たという。これは模擬弾でなく実戦用だった。後にこの領海侵犯が計画的なものだったことが判明。セバストポリのロシア軍がどう動くかを探ったという見方もある。
ウクライナの政治家オレグ・ツァロフは今年2月19日に緊急アピール「大虐殺が準備されている」を出し、キエフ政権の軍や親衛隊はこの地域を制圧、自分たちに従わない住民を「浄化」しようとしていると警鐘を鳴らしていた。実際、その頃からキエフ側はドンバス(ドネツクやルガンスク)への攻撃を激化させている。 ロシア軍が回収した文書によると、親衛隊のニコライ・バラン上級大将が1月22日にドンバスへの攻撃を命令する文書へ署名、ドンバスを攻撃する準備が始まった。2月中に準備を終え、3月に作戦を実行することになっていたとしている。その作戦にNATOも参加する予定だった可能性がある。EUの上層部がロシアとの戦争に積極的な理由は最初から戦争するつもりだったからであり、ロシアの軍事作戦はその出鼻を折るものだったのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.10.30 03:56:59
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