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《櫻井ジャーナル》

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2022.11.06
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 アメリカ軍と韓国軍は10月31日から11月4日の予定で約240機の航空機が酸化する合同軍事演習「ビジラント・ストーム」を始めたが、途中で延長を決め、5日にアメリカ軍は2機の戦略爆撃機B1Bを韓国上空を飛行させた。米韓は10日まで演習を続けるようだ。勿論、アメリカにとって朝鮮は大きな脅威ではなく、東アジアでの軍事的な緊張を高め、中国を威嚇することが真の目的だろう。

 この軍事演習を挑発、あるいは恫喝と捉えた朝鮮は11月2日に短距離弾道ミサイル約17機以上を日本海や黄海へ向けて発射、米韓と朝鮮の威嚇合戦が始まった。4日には朝鮮領内で約180機の航空機が飛行し、韓国が80機を緊急発進させたという。そしてB1B爆撃機の飛行が決まった。

 アメリカ軍が東アジアにおいてどのような戦略に基づいてい動いているかはアメリカ国防総省系シンクタンク「RANDコーポレーション」が今年出したレポートにその一端が示されている。

 それによると、ア​メリカ軍はGBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲しようと計画している​のだが、インド太平洋地域でそうしたミサイルの配備を容認する国は日本以外にない。現在、アメリカと合同軍事演習を実施している韓国も日本ほどには従順でないようだ。

 しかし、日本には「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約がある。そのため、アメリカはASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備で日本に協力するという形にすることになり、そのASCMを南西諸島に建設しつつある自衛隊の施設に配備する計画が作成された。

 ​日本政府は射程距離が1000キロメートル程度のミサイルを開発、艦艇、戦闘機、そして地上から発射できるようにする​と読売新聞は伝えている。地上発射の改良型は2024年度にも配備する方針だという。

 その計画を先取りするような形で自衛隊は2016年に軍事施設を与那国島に建設し、19年には奄美大島と宮古島に作り、そして23年には石垣島でも完成させる予定だ。

 ところが、アメリカが想定していたより世界の軍事的な緊張が高まった、あるいはアメリカの戦略通りに物事が進んでいないためなのか、​日本政府はアメリカから亜音速の巡航ミサイル「トマホーク」を購入する意向​だという。

 東アジアの軍事的な緊張を高める切っ掛けを作ったのは日本政府だ。日本と中国が友好的な関係を築くため、田中角栄と周恩来は尖閣諸島の領有権問題を棚上げにすることで合意、2000年6月には日中漁業協定を発効させた。尖閣諸島が含まれる海域における漁船の取り締まりは漁船が属す国の当局が取り締まり、相手国の漁船の問題は外交ルートを通じて注意喚起するとされたのだ。

 ところが、2010年6月に菅直人政権はこの合意を潰す。「解決すべき領有権の問題は存在しない」とする答弁書を閣議決定したのだ。この決定に基づいて海上保安庁は尖閣諸島周辺の海域における警備基準を日中漁業協定基準から国内法基準に変更。海上保安庁の巡視艦が中国漁船を取り締まり、衝突事件に発展したのである。海上保安庁は国土交通省の外局だが、その当時の国土交通大臣は前原誠司だ。

 閣議決定の4カ月前、アメリカの国務次官補だったカート・キャンベルが来日、前原と会談したと言われている。ジョー・バイデン政権における「対アジア政策」、事実上の対中国政策の責任者はキャンベルだ。

 菅直人政権が東アジアに火をつけた2010年の11月22日、韓国軍は30日までの予定で軍事演習「ホグク(護国)」を始めた。約7万人の韓国兵が動員され、ヘリコプター90機、軍艦50隻、航空機500機などが参加するという大規模なものだったが、アメリカの海兵隊や海軍は「スケジュールの都合」で参加しないと事前に発表されていた。ところがハンギョレ新聞によると、沖縄を拠点とする第31MEU(海兵隊遠征隊)や韓国駐留の第7空軍が参加している。(ハンギョレ新聞、2010年11月24日)

 それに対し、朝鮮軍は11月23日に大延坪島を砲撃して家屋が破壊される。その際、2名の韓国兵と民間人2名が死亡した。これを受け、アメリカ軍は横須賀から空母ジョージ・ワシントンを黄海へ派遣。同空母のほか7300名と約10隻の艦船による米韓合同の軍事演習が11月28日から12月1日にかけて展開された。演習には日本からオブザーバーが派遣されている。

 12月3日から10日にかけては、日米合同の軍事演習が韓国の近くで実施された。過去最大の演習で、日本からは約3万4000名の自衛官、40隻の軍艦、250機の航空機が、またアメリカからは1万名以上の兵士と軍艦20隻、航空機150機が参加、韓国からはオブザーバーが来ていたという。

 これに対し、朝鮮側が軍事的な緊張を望んでいないことを示す情報が内部告発支援サイトのウィキリークスを通じてもたらされた。2010年に同サイトが公表したアメリカの外交文書(A/S CAMPBELL’S MEETING WITH ROK UNIFICATION MINISTER HYUN IN-TAEK, 24 July 2009)によると、韓国の玄仁沢統一相は2009年7月20日にカート・キャンベル米国務次官と会談、朝鮮の金正日総書記の健康状態や後継者問題などについて説明している。

 それによると、膵臓癌の噂は根拠がないとしたものの、金総書記の健康は徐々に悪化しているため、余命はあと3年から5年、つまり2015年以後も生きている可能性は低いと語り、そこで息子の金正恩への継承が急ピッチで進んでいると分析している。

 また、朝鮮の国内情勢については安定しているとしたが、食糧不足が深刻で経済は混乱し、1996年から97年にかけての危機よりも悪い状態だと説明、現金を得るために朝鮮は核技術を売るのではないかと玄統一相は推測している。

 この会談で玄統一相は10月に朝鮮は話し合いに復帰すると見通していたのだが、朝鮮側の主張では、その10月に韓国の艦艇が1日に10回も領海を侵犯、そして11月の交戦につながる。玄統一相の説明に基づけば、この段階で朝鮮が各国との関係を悪化させる理由は希薄。朝鮮を利用して東アジアを不安定化させようとする勢力がいるということだろう。

 玄統一相も金正日の死後、朝鮮国内が混乱すると見ているが、その混乱に乗じて朝鮮を軍事的に制圧するという作戦がOPLAN5027やCONPLAN5029。アメリカ軍は朝鮮の崩壊を前提とした軍事侵攻を想定した作戦を立てていた。そのために日米韓の軍事的な連携を強めようとしていたが、その先には中国制圧計画があるはずだ。この計画が消えたとは思えない。






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最終更新日  2022.11.06 08:39:33



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