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《櫻井ジャーナル》

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2022.12.11
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 日本はすでに世界有数の軍事力を保有する国である。その日本がアメリカと共同で音速の5倍以上で侵入してくるHGV(極超音速滑空体)を迎撃するミサイル技術の研究開発を考えていると報道され、話題になっている。すでにロシアはHGVを配備、中国は飛行試験段階だ。

 今年7月24日には宇宙航空研究開発機構(JAXA)が鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所で迎撃ミサイルに必要な速度に到達することが可能だとされるエンジンの飛行試験を初めて実施したが、極超音速で飛行するミサイル自体も研究している。日本の場合はHGVではなくエンジンによって推進力を得る極超音速巡航ミサイル(HCM)の開発を目指しているという。2026年に九州や北海道の島々へ配備したいようだ。

 ​日本政府は射程距離が1000キロメートル程度のミサイルを開発し、艦艇、戦闘機、そして地上から発射できるようにする計画​。地上発射の改良型は2024年度にも配備する方針だとされていた。その後、​日本政府はアメリカから亜音速の巡航ミサイル「トマホーク」を購入する意向だという話も出てきた​。トマホークは核弾頭を搭載でき、地上を攻撃する場合の射程距離は1300キロメートルから2500キロメートル。記事では「反撃能力」が強調されているが、このミサイルには言うまでもなく先制攻撃能力がある。

 さらに、​日本は射程距離が3000キロメートル程度のミサイルを開発し、2030年代の半ばまでに北海道へ配備する計画だとも伝えられている​。それが実現するとカムチャツカ半島も射程圏内だ。岸田文雄政権の与党である自由民主党と公明党は「敵基地攻撃能力」を日本が保有することで合意しというが、これは「先制攻撃」の言い換えにすぎない。こうした方針が打ち出された背景にはアメリカの戦略がある。





 アメリカはイギリスの長期戦略を引き継いでいる。ユーラシア大陸の周辺部を支配して内陸部を締め上げていき、最終的にはロシアを占領して世界の覇者になるというものだ。スエズ運河の完成で可能になった戦略だ。本ブログで繰り返し書いてきたように、その戦略に基づいてイギリスは明治維新を仕掛け、サウジアラビアやイスラエルを作り上げた。




 ロシアや中国の周辺にミサイルを配備しているのもその戦略に基づいているが、アメリカ国防総省系シンクタンクの​「RANDコーポレーション」が今年出したレポート​によると、アメリカ軍はGBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲しようと計画している。

 アメリカが太平洋地域における同盟国と考えているのはタイ、フィリピン、韓国、オーストラリア、そして日本だが、タイとフィリピンは微妙。韓国もアメリカの戦略に従うことを拒否する声は小さくない。

 そこでGBIRMの配備を受け入れる可能性が高い国は日本だということになるのだが、日本には「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約がある。そこでアメリカはASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備で日本に協力する方針のようだ。

 そのASCMを南西諸島に建設しつつある自衛隊の施設に配備する計画が作成され、その計画を先取りする形で自衛隊は2016年に軍事施設を与那国島に建設し、19年には奄美大島と宮古島に作った。2023年には石垣島でも完成させる予定だという。

 アメリカのバラク・オバマ政権は2014年2月にネオ・ナチを利用してウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒し、同年9月から12月にかけて香港で「佔領行動(雨傘運動)」と呼ばれる反中国運動を仕掛けた。そのひとつの結果としてロシアと中国は接近、今では戦略的同盟関係にある。日本の軍事力増強はこの中露同盟と戦うことが目的で、日本は先制攻撃を目論んでいるというべきだろう。












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最終更新日  2022.12.11 12:07:09



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