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自由民主党の萩生田光一政調会長が12月10日から台湾を訪問、総統府で蔡英文総統と会談、11日には日台関係に関するフォーラムで基調講演した。
蔡総統が率いる民主進歩党は11月26日に実施された地方選挙で大敗している。同党は「ひとつの中国」を否定、「台湾独立」を掲げて経済状況を悪化させているが、そうした政策への批判が反映されたのだろう。ライバルの国民党は中国と友好関係を維持し、経済活動を活発にしようとしている。 蔡総統はアメリカの力を借りて「現状変更」しようと試み、厳しい状況に陥ってしまった。こうした形の「独立」はアメリカの「属国」になることを意味し、アメリカの軍や情報機関の拠点になることを意味する。 萩生田は台湾海峡の平和と安定の維持が「自由で開かれたインド太平洋」の最大の試金石になるとも主張したようだが、これは「アメリカが支配し、アメリカが自由に振る舞えるインド・太平洋」にほかならない。 アメリカやイギリスは19世紀からユーラシア大陸の周辺部を海軍力で支配し、内陸部を締め上げていくという戦略を維持してきた。これを可能にしたのがスエズ運河の完成であり、イギリスが作り上げたイスラエルやサウジアラビアはその運河を守る役割も担ってきた。 ユーラシア大陸を取り巻く封じ込め帯の西端がイギリスであり、東端が日本。その日本をアジア侵略の拠点、そして戦闘員の供給源にするためにイギリスは明治維新を仕掛けた。この戦略は現在も生きている。 この戦略をまとめた人物がイギリスの地理学者ハルフォード・マッキンダーで、アメリカのジョージ・ケナンの「封じ込め政策」やズビグネフ・ブレジンスキーの「グランド・チェスボード」もその理論に基づいている。 その封じ込め帯のインド洋から太平洋にかけての海域を支配するため、アメリカ軍は2018年5月に「太平洋軍」を「インド・太平洋軍」へ変更した。日本を太平洋側の拠点、インドを太平洋側の拠点、そしてインドネシアを両海域をつなぐ場所だとしていたが、インドネシアやインドはアメリカの軍事戦略と距離を置こうとしている。アメリカはフィリピンにも従属するよう圧力をかけているが、思い通りには進んでいないようだ。 そうした中、日本は喜んでアメリカに従属、GBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲しようというアメリカ軍の計画に従おうとしているが、アングロ・サクソンの戦略にとって不十分。そこで、イギリス、オーストラリア、そしてアメリカのアングロ・サクソン系3カ国は中国を仮想敵国とする軍事同盟AUKUSAを組織した。 こうしたアメリカの戦略に従って動いている萩生田光一は「世界平和統一家庭連合(統一教会)と緊密な関係にある政治家として知られている。統一教会との関係で岸田文雄政権はマスコミや野党から攻撃されているが、萩生田は党の要職につき、アメリカの対中国戦略に関するメッセンジャーのような役割を果たしている。 統一教会騒動が始まる切っ掛けは安倍晋三の射殺事件。公式発表への疑惑が語られているが、ともかく犯人とされている山上徹也は動機として安倍と統一教会との関係を口にしている。もっともらしい説明だが、自民党と統一教会との「ズブズブの癒着」は以前から批判されていた。そして萩生田に対する甘い対応。事態の流れに違和感を感じる。統一教会騒動が注目を浴びている中、日本はアメリカの代理として中国やロシアと戦争する態勢を整えつつあることを忘れてはならない。日本がアメリカの戦争マシーンに組み込まれたのは1995年2月に「東アジア戦略報告(ナイ・レポート)」に発表されてからだ。 それに対し、細川護熙政権は国連中心主義を掲げていた。そこで細川政権は1994年4月に潰される。この時、最初に動いたのはマイケル・グリーンとパトリック・クローニンのふたり。カート・キャンベルを説得して国防次官補だったジョセイフ・ナイに接触し、ナイは1995年2月にナイ・レポートを発表したのだ。 そうした中、1994年6月に長野県松本市で神経ガスのサリンがまかれ(松本サリン事件)、95年3月には帝都高速度交通営団(後に東京メトロへ改名)の車両内でサリンが散布され(地下鉄サリン事件)た。その10日後に警察庁の國松孝次長官が狙撃された。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.12.12 16:17:59
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