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《櫻井ジャーナル》

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2025.04.28
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 ロシアのドミトリ・ペスコフ大統領報道官は4月26日、ロシア軍のバレリー・ゲラシモフ参謀総長がウラジミル・プーチン大統領に対し、ウクライナ軍からクルスクを解放する作戦が完了したと報告したと発表した。

 ゲラシモフ参謀総長によると、この作戦でウクライナ軍は7万6000人以上の兵士が死傷、またこの作戦に朝鮮の戦闘員が参加していたことも明らかにされている。ただ、朝鮮人戦闘員の人数は戦局を左右するほど多くはないと見られている。

 ウクライナ軍が1万人から3万人の兵力でクルスクへ軍事侵攻したのは昨年8月6日。ロシア側は国境警備隊しか配置されていなかったことから装甲車両を連ねた部隊に対抗することができなかった。ウクライナ軍はクルスク原発を制圧、ロシアを脅す計画だったと推測する人もいたが、そこへ到達することはできていない。

 その直後からロシア軍は部隊を派遣し、反撃を始めているのだが、東部戦線から部隊を移動させていない。つまり東部におけるウクライナ軍の敗走は続いた。ウクライナを舞台とした戦闘でロシア軍の兵士は10万人程度が死傷したと言われているが、ウクライナ軍はその10倍程度だと見られている。

 ウクライナでロシア軍が戦闘を始めたのは2022年2月24日のこと。クライナの軍事基地や生物化学兵器の研究開発施設などを巡航ミサイルなどで攻撃しはじめたのだ。その3日前、プーチン大統領はドンバスの独立を承認している。

 攻撃を始めた時点でロシア軍は戦争の準備ができていなかった。そこでロシア軍の侵攻はないと判断されていたのだが、不十分な体制で始めたことになる。攻撃を始めざるをえない事態が生じていたのだ。

 ロシア外務省によると、​ウクライナ国家親衛隊司令官ニコライ・バラン大将が署名したとされる2022年1月22日付の秘密命令には、ドンバスにおける合同作戦に向けた部隊の準備内容が詳述されている​。ロシア国防省のイゴール・コナシェンコフ少将によると、「この文書は、国家親衛隊第4作戦旅団大隊戦術集団の組織と人員構成、包括的支援の組織、そしてウクライナ第80独立空挺旅団への再配置を承認するもの」。この部隊は2016年からアメリカとイギリスの教官によって訓練を受けていたという。実際、2022年に入るとウクライナ軍はドンバスに対する砲撃を強めていた。

 ロシア軍はドンバス周辺に集結していたウクライナ軍を叩き、戦況はロシア軍が優勢になった。そこで停戦交渉がふたつのルートを使って始まる。仲介役はイスラエルの首相だったナフタリ・ベネットやトルコ政府だった。​2023年2月4日に公開されたインタビューの中で、ベネットはロシアとウクライナはともに妥協、停戦は実現しそうだったと語っている​。

 2022年3月5日にベネットはモスクワでプーチンと数時間にわたって話し合い、ゼレンスキーを殺害しないという約束をとりつけた。その足でベネットはドイツへ向かい、オラフ・シュルツ首相と会っている。​ウクライナの治安機関SBUがキエフの路上でゼレンスキー政権の交渉チームに加わっていたデニス・キリーエフを射殺したのはその3月5日​だ。トルコを仲介役とする停戦交渉は仮調印まで漕ぎ着けている。

 その交渉を壊すため、イギリスの首相だったボリス・ジョンソンは4月9日にキエフへ乗り込み(​ココ​や​ココ​)、4月30日にはナンシー・ペロシ米下院議長が下院議員団を率いてウクライナを訪問、ゼレンスキー大統領に対してウクライナへの「支援継続」を誓い、戦争の継続を求めた。そうした中、西側の有力メディアはロシア軍がブチャで住民を虐殺したと宣伝し始める。その主張を否定する事実が次々と現れたが、停戦交渉は壊された。

 こうした展開を受け、ロシア政府は2022年9月に部分的動員の実施を発表した。軍事衝突は新たなステージへ進むことになったと言える。

 同年10月8日にはクリミア半島とロシア本土を結ぶクリミア橋(ケルチ橋)で爆破事件があり、自動車用道路の桁ふたつが落下、ディーゼル燃料を運んでいた列車7両に引火した。当初、トラックに積まれていた爆発物による自爆テロだと見られていたが、橋に爆弾が仕掛けられていたという情報もある。爆弾テロを実行したのはウクライナのSBU(ウクライナ保安庁)だとロシア政府は主張しているが、計画したのはイギリスの対外情報機関MI6だとも言われている。

 ロシア軍は11月11日にヘルソン地域のドニエプル川西岸から東岸へ約3万人の部隊を撤退させたと発表した。撤兵の際、11万5000人以上の住民を避難させている。アメリカの統合参謀本部は撤退を完了させるまで数週間を要すると見ていたが、2日で終わらせている。これはウクライナ軍やその後ろ盾になっている欧米諸国にとって計算違いだったようだ。

 2023年6月にカホフカ・ダムが爆破された。ダムが破壊された場合、ロシア軍が撤退していなければ下流のヘルソンが洪水に襲われ、少なからぬ犠牲者が出る可能性があった。ドニエプル川西岸にいたロシア軍への補給も厳しくなった。

 また、ロシア側の地域に対する水の供給に問題が生じるほか、水力発電による電力の供給量が落ちる。ロシア軍がドニエプル川西岸に作った地雷原がダメージを受け、クリミアの防衛力が落ちる可能性があるとも指摘されている。

 ドニエプル川西岸を「死守」しようとすれば、ロシア側に少なからぬ犠牲者が出ることは避けられず、そうした事態になった場合、動員に応じた若者の親はクレムリンに対する非難を強め、戦争継続が難しくなったかもしれない。

 西側はダムの爆破を「ロシアの工作員」の仕業だと主張しているが、ダムの破壊はロシアにとってデメリットばかりでメリットはない。現場の状況からカホフカ・ダムはHIMARS(高機動ロケット砲システム)などで攻撃された可能性が高い。

 ​ウクライナ軍の背後に「プロジェクト・アルケミー(錬金術計画)」なる対ロシア計画を遂行するためのグループが存在していると言われている​。この組織はイギリス軍のチャーリー・スティックランド中将が2022年2月26日に組織している。

 カホフカ・ダムが爆破されてから4カ月半後の10月30日に数十名のウクライナ特殊部隊員が小型ボートでドニエプル川を渡り、ロシア占領下のヘルソンにあるクリンキー村を制圧したが、これもプロジェクト・アルケミーの作戦だと見られている。クリミア半島へ侵攻するための橋頭堡を築くことが作戦の目的だった。

 攻撃に参加した海兵隊員はイギリスで2カ月にわたってイギリス軍の訓練を受けていたが、装備は不十分。ロシア軍の攻撃を受け、補給は困難、撤退もできない状況に陥り、無惨なことになった。それにもかかわらずイギリスで訓練を受けたウクライナ軍の兵士は9カ月にわたってクリンキーへ送り込まれ、戦死者は増えていく。そうした状況は西側の有力メディアでさえ伝えていたが、ウクライナ兵の死をイギリス軍の幹部は気にかけていないようだ。

 この無謀なロシアとの戦争を継続するため、ウクライナ軍は外国から戦闘員を募っている。アメリカ、イギリス、フランス、カナダ、リトアニア、ポーランド、コロンビアなどから特殊部隊や傭兵がウクライナ軍に合流していると言われているが、​2022年3月1日の時点で約70人の日本人が志願していると伝えられていた。約50人は「元自衛官」だとされている​が、相当数の戦死者が出ていても不思議ではない。

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【​Sakurai’s Substack​】






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最終更新日  2025.04.28 00:00:07



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