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2025.11.08
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 ガザでの「停戦」とはイスラエルによる住民虐殺に対する人びとの怒りを緩和させることであり、ウクライナでの「停戦」とは劣勢のNATO軍が戦闘態勢を整えるための時間稼ぎに過ぎない。ガザでの停戦は形式上、合意されたものの、予想通りに幻影で終わった。2014年の「ミンスク1」と15年の「ミンスク2」でNATO諸国に煮湯を飲まされたロシアは「停戦」に応じていない。いずれの場合も「停戦」は新たな戦争を始めることが目的だ。パレスチナでもウクライナでも戦乱の背後にはネオコンがいる。

 ネオコンとはシオニストの一派で、イスラエル至上主義者でもある。例えば、バーナード・ルイス、リチャード・パイプス、ダニエル・パイプス、デイビッド・ホロウィッツ、ロバート・ケーガン、ポール・ウォルフォウィッツ、エリオット・エイブラムス、リチャード・パール、ポール・ブレマー、ダグラス・フェイス、I・ルイス・リビー、そしてリチャード・チェイニーやドナルド・ラムズフェルドもネオコンと呼ばれている。後にネオコンで中心的な役割を演じる人たちは若い頃、ヘンリー・ジャクソン上院議員の事務所で仕事を覚えている。

 ネオコンの思想的な支柱はシカゴ大学教授だったレオ・ストラウス。この学者は1899年にドイツのヘッセン州で熱心なユダヤ教徒の家庭に生まれ、17歳の頃にウラジミール・ヤボチンスキーのシオニスト運動へ接近した。

 1932年にストラウスはロックフェラー財団の奨学金でフランスへ渡り、中世のユダヤ教徒やイスラム哲学、そしてプラトンやアリストテレスの研究を始めている。(The Boston Globe, May 11, 2003)カルガリ大学のジャディア・ドゥルーリー教授に言わせると、ストラウスの思想は一種のエリート独裁主義で、彼は「ユダヤ系ナチ」だ。(Shadia B. Drury, “Leo Strauss and the American Right”, St. Martin’s Press, 1997)

 1934年にストラウスはイギリスへ、37年にはアメリカへ渡ってコロンビア大学の特別研究員になる。教授として受け入れられた1944年にはアメリカの市民権も獲得。1949年から73年までシカゴ大学で教えているが、教授を務めたのは68年まで。その間、1954年から55年にかけてイスラエルのヘブライ大学で客員教授にもなっている。ウォルフォウィッツはシカゴ大学での教え子だ。

 ストラウスと並ぶネオコンの支柱とされている人物が、やはりシカゴ大学の教授だったアルバート・ウォルステッター。冷戦時代、同教授はアメリカの専門家はソ連の軍事力を過小評価していると主張、アメリカは軍事力を増強するべきだとしていたが、その判断が間違っていたことはその後、明確になっている。

 世界征服プロジェクトである1992年のDPG草案のベースを考えた人物は国防総省内部のシンクタンクONA(ネット評価室)で室長を務めていたアンドリュー・マーシャルだ。この人物はバーナード・ルイスから世界観を学んでいる。

 ルイスはイギリスで情報活動に従事したことがあり、イスラエルやサウジアラビアを支持していた。そのルイスから教えを受けたマーシャルも親イスラエル派で、ソ連や中国を脅威だと宣伝したきた人物としても知られている。(Robert Dreyfuss, “Devil’s Game”, Henry Holt, 2005)

 ネオコンのシンクタンク、PNAC(新しいアメリカの世紀プロジェクト)はDPGに基づく報告書、「アメリカ国防の再構築」を2000年に発表した。その中で、軍事体制の「革命的な変革」を迅速に実現するため、「新たな真珠湾」のような壊滅的な出来事が必要だとしている。(PNAC, “Rebuilding America’s Defenses,” PNAC, September 2000)

 2001年1月から始まったジョージ・W・ブッシュ政権もネオコンに操られていたが、その年の9月11日からこの政権は世界征服戦争を始めている。その切っ掛けはニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)に対する攻撃。この「新たな真珠湾」のような出来事で人びとは茫然自失、その間に侵略戦争は始められた。

 ウクライナ担当特使を務めているキース・ケロッグ退役中将はドナルド・トランプ政権を戦争へと導いている。このケロッグは2023年2月28日にアメリカの上院軍事委員会で、「もしアメリカ軍を一切投入しないで戦略的な敵国(ロシア)を打ち負かすことができれば、それはまさにプロフェッショナルの極みだと私は考えている」と語っている。代理戦争だと公言したのだ。







 イギリスにはドイツとロシア/ソ連を戦わせ、両国を共倒れさせようとしてきた。ふたつの世界大戦はその結果だと言えるだろう。21世紀に入り、ドイツの代わり、ウクライナとロシアを戦わせている。NATOがウクライナを支援すれば簡単にロシアを倒せると考えたようだが、この見通しは甘すぎた。ロシアを見くびった結果、NATO諸国は窮地に陥っている。ケロッグはロシアを倒した後、中国に集中して倒すとしていたが、この見通しも甘すぎた。

 イスラエルはハマスやヒズボラに勝てず、イランには事実上負けた。ウクライナではロシア軍によってNATOが軍事的に疲弊し、EU諸国の経済は破綻、社会は崩壊しつつある。

 ネオコンは無能だということだが、その事実を認められない彼らは妄想の中へ逃げ込み、状況をますます悪化させている。欧米ではその現実に気づく人が増えているようだが、日本の反応は鈍い。「神風」が吹くとでも思っているのだろうか?

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【​櫻井ジャーナル(note)​】






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最終更新日  2025.11.08 00:00:05



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