2019.10.19

ベネズエラの国営石油会社をロシアのエネルギー会社が経営する可能性

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 アメリカはベネズエラにも経済戦争を仕掛けている。その最大のターゲットは国営石油会社のPDVSA。同社がアメリカに保有していた資産70億ドルは凍結され、石油の販売も妨害されている。

 イランでイスラム革命があったときにも資産が凍結された。アメリカにある資産は絵に描いた餅、幻影にすぎないと思った方が良いだろう。日本がアメリカに対して持っている債権も同じことだ。

 苦境にあるPDVSAをロシアのエネルギー会社ロスネフトが支援してきたが、ベネズエラのロシアに対する負債を軽減するため、私有化せずに​PDVSAの経営権をロスネフトへ渡す合法的な手段を検討​しているようだ。

 アメリカがベネズエラの体制転覆を計画するようになった理由は1999年にウーゴ・チャベスが大統領に就任したことにある。チャベスは自国をアメリカから独立させた。

 そこで、​2002年にジョージ・W・ブッシュ政権はクーデターを試みた​が、その中心人物はイラン・コントラ事件に登場するエリオット・エイブラムズ、キューバ系アメリカ人で1986年から89年にかけてベネズエラ駐在大使を務めたオットー・ライヒ、そして国連大使だったジョン・ネグロポンテの3人。ネグロポンテは1981年から85年にかけてホンジュラス駐在大使を務めていたが、そのときにニカラグアの革命政権に対するCIAの秘密工作に協力、死の部隊にも関係している。

 このクーデター計画を事前に知らされていたチャベス政権は潰されずにすんだ。情報を伝えたのはOPECの事務局長を務めていたアリ・ロドリゲスだ。

 また、​ウィキリークスが公表したアメリカの外交文書​によると、2006年にもベネズエラではクーデターが計画されている。「民主的機関」、つまりアメリカの支配システムに操られている機関を強化し、チャベスの政治的な拠点に潜入、チャベス派を分裂させ、それによってアメリカの重要なビジネスを保護してチャベスを国際的に孤立させるとされている。

 チャベスは2013年3月に癌のため、58歳の若さで死亡。その際にアメリカは体制転覆を目論むが、それも失敗した。チャベスを引き継いだニコラス・マドゥロもアメリカの支配層から嫌われている。

 アメリカがマドゥロを倒す手先に選んだ人物がフアン・グアイドで、アメリカ政府は「暫定大統領」というタグをつけた。この人物を支援しているひとりがマルコ・ルビオ上院議員。この議員は自身の​ツイッターにムアンマル・アル・カダフィの元気な時の姿と惨殺される寸前の様子を撮影した写真を並べて載せていた​。

 ルビオはキューバ系だが、ほかの議員と同様、イスラエルのためにも活動している。ルビオはイスラエルに対するBDS(ボイコット、資本の引き揚げ、制裁)を法的に禁止しようとしているグループのひとりであり、2017年5月には反中国運動の中心メンバーである黄之鋒(ジョシュア・ウォン)と会談している。

 グアイドは「何か」が2月23日に起こると「予言」していたが、その日にはバージン・グループを率いるイギリスの富豪、リチャード・ブランソンが主催するコンサートが予定されていた。

 コンサートに20万人以上が集まったとワシントン・ポスト紙は伝えていたが、その様子を撮影した写真から実際は1万5000人くらいと推測されている。

 コンサートの開催日に「人道的援助物資」を積んだUSAID、つまりCIAのトラックがコロンビア領内に出現し、現在は使われていない橋を渡ってベネズエラ領へ侵入しようと試み、混乱を引き起こそうとしたが、失敗している。

 3月7日にベネズエラでは大規模な停電があったが、その数分後にルビオ議員はその状況を詳しく述べ、空港ではバックアップの発電機も起動しなかったことが指摘している。これは事実だが、その時点ではベネズエラ政府もその事実を把握できていなかった。

 4月30日にグアイドは軍事蜂起を呼びかけたのだが、「笛吹けど踊らず」で無様なことになる。グアイドと同様、反政府派の象徴になっているレオポルド・ロペス(2014年のクーデター未遂で自宅軟禁中だったが、クーデター派によって解放されていた)はスペイン大使館へ逃れ、クーデターに参加した兵士25名はブラジル大使館へ逃げ込んでいる。

 マドゥロ政権の転覆に失敗したアメリカ政府は経済戦争、一種の兵糧攻めを続けてきたが、ロシアや中国が立ちはだかっている。登場人物を見てもわかるように、中東、ウクライナ、香港、ベネズエラなどにおける混乱はアメリカの世界制覇プランが原因だ。






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最終更新日  2019.10.19 01:41:10