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カテゴリ:第8話 青年インカ
リノは、意を決した目で顔を上げた。 トゥパク・アマルの手紙を、震える指で握り締める。 そして、ついに、扉の取っ手に手をかけ、それを回した。 豪奢な彫刻の施された重厚な扉が、ゆっくりと開かれていく。
入り口に立って、緊張と興奮に震え昂(たか)ぶるリノの目に、インカ族の数名の客たちが映る。 まだ日も高いためか、店内の客は、そう多くはなかったが、皆、インカ族にしては、かなり上等な身なりをしており、酒場の風格も貧しいリノの知る場末の酒場とは全く雰囲気が異なり、格調高い気配に満ちている。
(――……!)
いかにも貧しそうな、しかも、何やら様子のただならぬスペイン人の唐突な来訪にもかかわらず、マスターは決して疎外的ではない朗らかな微笑みを湛えて、丁寧に礼を払う。
マスターは温厚な笑顔のままに、リノに愛想よく呼びかけた。 「いらっしゃいませ、旦那。 さあさあ、どうぞ! 中へお入りなさいませ」
≪トゥパク・アマル≫ ≪リノ≫
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(*´∀`)ノシ
どもども。四草めぐるです^^ノシ 最近、ずっとエブにしか出没していないのでFC2もかなり寂しい事になっています。風とケーナさんは偉いですね。ずっと楽天一筋ですからね。トホホ……。 遂にリノが酒場へと侵入しましたね。 トゥパク・アマルから託された手紙は何が書いてあるのか。そしてトゥパク・アマルの脱獄にどう関わってくるのか。目が離せません。それにしてもアレです。風とケーナさんは、なんでコンドル一本で十年以上書き続けているんでしょう。 す、凄すぎるw ではでは。 (2016.08.23 21:17:29)
四草めぐるさま、こんばんは♪
創作のパワーを高めてくださるコメント&応援、 いつも本当にありがとうございます! トゥパク・アマルがリノに託した手紙と脱獄との関わりに、 思い巡らせて頂けまして、とっても嬉しく思います(*^-^*) いえいえ、楽天一本でダラダラと当作のみしか書けていない私にとって、 多彩な場所で様々な作品を書き上げていらっしゃる四草めぐるさまは、 ひたすらお見上げする存在です。 凄いのは、明らかに四草めぐるさまの方ですよ~☆ お互いスタイルは全然違いますが(笑)、 これぞっ!と納得の作品を目指して、これからも頑張ってまいりましょうw (2016.08.23 22:11:02) |