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confuoco Dalnara

古い海

L’histoire de l’histoire展にて。

静謐で古くて雄弁なモノクロの海の写真。
これは書かれなかった、あるいは読まれなかった歴史なんだと思った。
そこに静かに横たわっているいちばん古い層...。
紅海、黄海、黒海の写真があった。
書かれなかった歴史が映るかもしれないと、
離れたところに展示してある水晶を通して写真を覗いたら
太古の海のようにも見えた。ふしぎだった。

東海(東の色は青)と死海(白)を加えたら五色になる...。
(青・朱・黄・白・黒の五彩)
陰陽五行の色。


「Architecture」展(杉本博司)に寄ったことも書いておこう。
先日見た「歴史の歴史」展と同じくモノクロームの写真の展示。
建築物をピントをはずして撮っている。輪郭が曖昧な写真。
これは記憶の中の建築、あるいは記憶の中で消失していく建築ではないかと思った。
遠くなる残像とその時間の経過を表現しているような気がした。
あとで調べたら作家自身は
「建物の外観をぼやかして、白黒の残像イメージを強調することで
建築家が建物を作る前の想像上のイメージを再構築しようと試みている」と語っていたそうだ。

...equal to...イメージがかたちをつくる前の、脳内の靄のような状態?
輪郭がぼんやりしていて、ふつうに瞬間的な像を切り取るのとは全く反対のような表現、
目だけで見るのとは違う、ゆらぎのある写真表現を発見しておもしろかった。
以前行った「建築の20世紀」展で感じたこともふっと思い出した。
建築の儚さ。コンペに勝たなかったら作品はこの世に生まれることさえかなわないのだから。
建築家がイメージしたものがかたちになるまでにはほんとに遠い道のり。
そして別の意味の儚さ。
今年築80年の旧帝国ホテル(ロイド館)だって
80年間日比谷に立ちつづけていたわけでなくとうの昔になくなっている...。

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