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カテゴリ:映画
リンダ・ハミルトン、アーノルド・シュワルツェネッガー
マッケンジー・デイヴィス、ナタリア・レイエス ガブリエル・ルナ、ディエゴ・ボネータ出演 ジェームズ・キャメロン製作、 ティム・ミラー監督『ターミネーター:ニュー・フェイト Terminator: Dark Fate』 (以下、映画の核心に触れる部分もございます) 過去の記憶で現在を見る女サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)と 「未来」の記憶で現在を見る女グレース(マッケンジー・デイヴィス)、 そして現在の中だけで現在を見る女ダニー・ラモス(ナタリア・レイエス)。 それぞれ生きた時代、時間軸、視点が異なる女性3人の選択により(最良且つ究極の選択により) 歴史が掴み取られ作られる妙味がおもしろい。 問題へのアプローチ、ソリューション、発想にも それぞれの時間観が反映されているから。 即ち、過去に、過去の記憶に囚われているサラ・コナー 未来から現在を視る時間観で、危機感と使命感にあふれたグレース メキシコシティの平凡な日常を破壊されるという現在の生を抱えたダニー (新自由主義経済の問題と、メキシコ~アメリカ間の厳しい国境、「壁」の問題も抱える) 時間観の相違から来る三者の鬩ぎ合い。 世代や人種、民族といった差異や対立ではない、 3人が持っている時間観、時間軸が異なり、鬩ぎ合うという きわめてSF的な描写が気に入った。 救世主ジョン・コナー(Jesus Christ的JC John Connor)と そんな男を生む、「聖母マリア」としての(サラ・コナーの)歴史が、 キリスト教的新約聖書的リニアな歴史観はここで上書きされる。 もはや救世主やヒーローを生むだけの性ではない、 21世紀の平凡な労働者の女性、ヒスパニックのダニーが救世主になり History(His story)がHerstory(Her story)に書き換わる、 「黙示録 アポカリプス」後のパラダイムシフトを目撃した感。 それぞれの記憶、過去の記憶、未来の記憶、現在の記憶が持つ葛藤、 過去、現在、未来、それぞれの時代と時間観・世界観のぶつかり合い三つ巴を乗り越えて (新約聖書的リニアな歴史観は克服しつつ) やがて「三位一体」となる 女性の連帯、とその最善最良の選択が生んだ帰結の、予断を許さない力強さが印象的。 21世紀らしいストーリーテリング、THE POWER OF WOMEN👊💥 抑圧的な男性と対峙する、対男性の相対的な女性の連帯、 (例えば、『マッドマックス 怒りのデス・ロード Mad Max: Fury Road』) というよりは地球規模の宿命的な連帯がたまたま女性3人によるものだった、という相違点も。 歴史を書き換え、脱「聖母マリア」や脱リニアな世界観、という意味では形而上学的であり、 時代・時間観の相違と葛藤のプロセスはよりSF的。 ヒロイン3人のような、過去・現在・未来を体現するような 古代ギリシャや古代ローマの女神はいなかったのだろうか、と思わず調べてしまった。 そのような3女神はいなかったが、 古代ローマには過去の女神と未来の女神がいたらしい。 Antevorta が未来の女神、 Postverta が過去の女神。 一方で、ダニーが戦いを通してコミットし覚醒していく過程は まさに英雄のビルドゥングスロマン、英雄譚そのものだった。 しかも、最近のハリウッド映画の傾向、ブルーカラーのヒーロー、 等身大のヒーローというナラティブにも当てはまる。 旧ターミネーター T-800 "Model 101"(アーノルド・シュワルツェネッガー)は 三位一体のしもべ、サポートに徹しているようで すっかりThe Power of Women映画だった。 T-800 がTerminator 2: Judgment Dayでジョンから聞いた挨拶 Hasta la vista, babyが ここに来て、メキシコ系ヒスパニックの新「ヒーロー」の母語スペイン語に リンクするとは... (余談だが、旧ターミネーターことカールがサングラスをしようとして やめるシーンが象徴的。 人間らしい心も少しずつ獲得したカールがターミネーター的装い、外見を捨て いつの間にか人間のように逡巡するようになり、弱い心を見せているようだから) マッケンジー・デイヴィスは『ブレードランナー 2049』にも出演。 ハリウッド映画のブルーカラー・ヒーローの代表格? クリス・プラットも舅が主演する映画を鑑賞。 to be continued...!? buzz KOREA Click... にほんブログ村 韓国映画 にほんブログ村 映画 にほんブログ村 映画評論・レビュー にほんブログ村 韓国情報 にほんブログ村 K-POP にほんブログ村 Copyright 2003-2024 Dalnara, confuoco. All rights reserved. 本ブログ、サイトの全部或いは一部を引用、言及する際は 著作権法に基づき出典(ブログ名とURL)を明記してください。 無断で本ブログ、サイトの全部あるいは一部、 表現や 情報、意見、 解釈、考察 ロジックや発想(アイデア)・ 視点(着眼点)、 写真・画像等も コピー・利用・流用することは禁止します。 剽窃厳禁。 悪質なキュレーション Curation 型剽窃、 つまみ食い剽窃もお断り。 複製のみならず、 切り刻んで翻案等も著作権侵害です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Mar 1, 2023 11:49:54 PM
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