子育ては自分育て

今回の妊娠中、４ヶ月目くらいから股関節辺りに痛みを感じ始めた。
やっぱり上の子がいると、抱っこすることも多いし、前回よりも負担が大きいんだなと思った。
なので、極力ゆうまを抱っこしないで済むように過ごしたり、重いものを持ったり無理しない
ように過ごしたが、いっこうに楽にはならなかった。

検診時に先生に聞いてみると、
「双子なので、普通の倍のスピードで急激に子宮が大きくなってきている。それで股関節を
圧迫されて痛みが出てきているのではないかと思う。もう少しすると、子宮が股関節より上に
上がってくるので、少しマシになってくるのではないか。」
というような説明だった。

しばらくすると、股関節の痛みは少し楽になってきたように思えたが、今度は足の付け根辺り
の痛みが出てきた。足の付け根って確か妊娠後期にお腹の重みで痛くなるっていうのはよく
あるけど、まだ５ヶ月なのに、やっぱり双子だから？と思った。
この頃にはゆうまを抱っこすることはとにかくしないようにして、無理がかからないように
過ごしていたが、楽になるどころか、痛みは日に日に強くなってきた

そのうち、歩くことだけで辛いので、外出を控えるようになり、ゆうまと家に閉じこもっている
ような生活になってきた。でも、家の中の移動さえも「痛っ！」「痛っ！」って無意識に言いながらの
移動になることもあり、ひとつひとつの動作が苦痛なこともあった。
そんな私の様子を見て母や夫は、
「まだあと半年も妊婦生活があるし、しかも双子でどんどんお腹の重みも出てくるのに、
今の段階でこんなだったら、この先歩けなくなるんじゃないか。」
と本当に心配していた。最悪歩けなくなってきたら、実家にある松葉杖を借りて家の中を移動
するしかないと本気で思っていた。

そのうち、台所で立ち仕事をしていることが、苦痛でたまらなくなり、台所用のイスを買って
もらい、できるだけそれに座って作業するようにしたり、家の中でも工夫した。
でも痛みはひどくなるばかりで、この先のことを考えると不安がつのった。

検診で先生に相談してみても、
「うーん、足の付け根の痛みはねぇ…出産するまで治らないことが多いですね…。」
と言われるだけで、どうしようもない様子。

そんな時、病院の待合に貼ってあるポスターに目が留まった。
「妊娠中の、腰痛、恥骨痛、尾てい骨痛に！」と書かれていたのは、産前産後に腰に巻くベルトの広告だった。

「トコちゃんベルト」
その名前は前回の妊娠中から聞いたことはあったし、よく病院などで紹介されていることも
知っていたが、産後の骨盤のゆがみを直す為のベルトという認識しかなかった。
けれど、その広告をよく見てみると、妊娠中から骨盤はゆがみやすく、その為足の付け根など
に痛みを生じ、苦痛を感じるようになる、とある。
私の痛みってこれじゃないか？！って思ったので、先生に相談してみると、
「試してみるといいのではないですか。」と、まぁ良かったら気休めにという感じに取れなくも
なかったけれど、わらにもすがる思いで、このベルトを購入してみることにした。

病院では斡旋や販売をしているわけではなかったので、家に帰ってネットで検索。
購入の手続きをしたが、「注文が殺到しているので、しばらく日数がかかります」だった。
首を長くして到着を待っていたところ、１週間後くらいにようやく届いた。

パンフレットなど詳しい説明が同封されていたので、一通り読み、説明書の絵を見ながら、
見よう見まねで腰にベルトを巻いてみた。
妊婦が足の付け根などに痛みを感じた場合、骨盤底の組織が、足首などを捻挫したのと同じ
ような状態になっているらしく、固定が有効と書かれていた。
「こんな簡単なベルトでどの程度楽になるかわからないけど、しないよりマシかなぁ。」
という程度の気持ちではあったが、とりあえずしばらく試してみることに。

すると数日後くらいから、明らかに痛みが楽になっていることに気がついた。
あんなに痛かった台所での立ち仕事も、以前の倍の時間立っていても、さほど痛みがひどく
ならない。信じられない気持ちでその後も、朝起きてから寝る直前まで巻くようにしていたが、
今度は、寝ている間外していることが苦痛になってきた。昼間せっかくマシになってきている
のに、寝ている間、どちらを向いても、抱き枕などを使っても痛い！
なので、寝ている間もこのベルトを巻くようにしてみたところ、痛みが消えた衝撃。

２週間くらい続けて使う頃には、ウソのように痛みが減り、動きがとてもスムーズになり、
もう数ヶ月控えていた外出もできるようになり、無理さえしなければ、数時間出歩いても平気
というほどにまで復活していた

今では、トイレとお風呂以外、１日中外さずにすごしているが、外している時に少しでも家の
中をウロウロしていると、骨盤の辺りがグラグラするような感覚があり、鈍い痛みがしてくる。
なので焦って、すぐにベルトを巻くと、またウソのように普通に動けるのだ。

私があれだけ痛がっていたのを知っていた母や夫は、
「もういつ歩けなくなるかと思ってとても不安だったのに、今は長い時間でも平気で歩けるよう
になっていることが信じられない」と本当に驚いている様子。

決して安いものではなく、効くのかどうか半信半疑で買った時は、高い買い物だと思ったが、
これだけ痛みを取りのぞいてくれ、日常生活を送れるようにしてくれたのだから、今となれば
本当に安い買い物だったと思っている。
このベルトを使ってみることがなければ今頃どうなっていたかと思うと怖いくらい。

長くなるが、「その２」で、このベルトのことをもう少し詳しく書いておきたいと思う。
同じように足や腰の痛みで苦しんでいる妊婦さんの目に留まって、「もしかしたら私も骨盤の
ゆがみからの痛み？」と気がついてもらえたらという思いで、書いてみることにしたい。

『トコちゃんベルト』