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カテゴリ:美術
六本木ヒルズにあります森美術館で開催中の「アフリカ・リミックス」展に行ってきました。
あまり日本には馴染みの無い、アフリカの現代美術を展示している展覧会です。アフリカ美術と言っても、キリンとか象とかの木彫りの置物(空港のお土産芸術という意味で、エアポートアートと呼ばれておりますが)といったイメージしかない方もいらっしゃると思いますが、この展覧会は違います。 絵画、素描、彫刻、アッサンブラージュ、インスタレーション、写真、ビデオ、デザイン家具など、現代のアーティストが作った、最新のアフリカ美術を見ることが出来ます。今回の展覧会は、パリのポンピドゥーセンターなどを巡回し、来日したものだそうです。 うーん、今回の展覧会はなあ・・・・・。 以前、森美術館の「フォロー・ミー!新しい世紀の中国現代美術」という展覧会のエントリーに、私はこういった感想を書きました。 ・・・・・・・・・ 「全体的に、作品が「中国だから面白い」に寄りかかっているような気がします。作品自体がそれほど面白くなくても、中国でやるから、中国という背景があるから面白い、というような作品が多かったように思います。中国を抜きにしても鑑賞に堪える、つまり私個人を「ジーン」「フハッ」と感じさせるパワーが不足しています。 例えば、青い目をした外国人が日本舞踊を踊っていれば珍しく、面白く感じるでしょうが、それと踊りの善し悪しは別でしょう。私はどうも、そう感じてしまったのです。」 ・・・・・・・・・ 今回も、同じようにアフリカでやるから面白い、アフリカの「植民地として搾取されてきた」とか「今でも政治的に抑圧されている」とかいった背景の知識があるからこそ面白く感じる、といった類のものでしょうか。 いや、それが悪いというわけじゃないですよ。そういった「搾取」「政治的抑圧」なんかが、日本に居る私の問題としても突きつけてくるようなものがあればヤラレタと思うこともあるとおもうのですが・・・・そういうパワーも無いですし。けっこう左脳的な展覧会ですね。 例外は、ジェーン・アレクサンダーの「アフリカの冒険」、ヴィム・ボタ「コミューン:擬音語」ですね。 この2点のインスタレーションは、謎ですよ。この2点だけは、ちょっとやられますね。 アフリカの冒険は、使われている人形の存在感、その表している意味の謎をアレコレ考えてみる面白みがあります。 コミューンも同様。上からポタポタと垂れ落ちる水。この音を、辞書を刈り込んで作った像が見守っている。 もう、ほんとに私にとって謎なんですけど、それを考える余地も、考えてみようと思わせる迫力がある。 他の作品は、それを考えさせる迫力も無いですし、考えたところで「不幸なアフリカ(貧困だったり暴力だったり、植民地支配だったり、差別だったり)」に行き着いてしまう。これはなあ・・・・。 日本には、アフリカを植民地化した過去がないですから、そういったことを提示されても私には「ウッ」とくるものもないですし。現段階で「おまえ、アフリカを差別しただろう」と言われても、ピンとこない。 一応見ましたよ、三時間弱は。でも、ヤラレタというのは、あんまり無かったです。 まあ、それでもちょっと今度、ギャラリートークに参加しておこうかと思います。もしかすると、私のカンチガイかもしれませんし。でも、現時点では、それほど積極的に評価できない。むしろ、もう一つの「ピクサー展」のほうが面白いですよ。 あと、もう一点。会場が寒すぎます。半そでで行ってはいけません。必ず長袖上着を持参してください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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