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継続は剛力なり~前田剛力のあなたの一日を豊かにするヒント

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前田剛力

前田剛力

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2010.04.19
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昨日の続きです。

「生物と無生物の間」「動的平衡」「世界は分けてもわからない」など一連の著作で生物学の世界を深めると共に横にも広げているように感じるが、福岡さんにこのような本を書かせるものは何ですか?

科学者として科学の出口は何であるかを考えるわけです。
普通、科学とは数式であり、データであり、顕微鏡写真など非常に客観的に現れるものと考えられるが、私はそうではないと思うのです。データや写真が生命のどういったことかを言葉で語られたときが科学の本当の出口ではないかと考えているわけです。

役に立つものが出来るというのも科学の出口の一つかもしれないが、基礎科学の分野では必ずしもそうではなくて、ああ自然はこういう風になっているのだ、生きているとはこういう状態になっていることだというのがシンプルな言葉で語られたときが科学の出口で、なるほどそうなのかと納得がもたらされるのではないか、科学というのはそこまで行って初めて完結するのではないかと思います。

人類の長い歴史の中で「生命とは何か」、ずっと研究されてきているにもかかわらず未だに謎だったり、脳の働きなどはほとんどわかっていないとか、そんなにミステリアスだとしたら?(幸田さんはいつになったら解明するのでしょうか?と問いたかったのでしょうか)

問いはエンドレスで謎掛けにちゃんと答えることも出来ないのですが、たとえば人間は「命とは何か」について、ずっとずっと昔から答えを知っているのです。
ギリシアの哲学者ヘラクレイトスは「万物は流転する」と言っているわけだし、鴨長明は方丈記で「流れる水の行方は知れず」とか言っているわけで、つまり「生命は絶え間なく流れている」ということ、私の言葉で言えば「動的平衡」ですが、これにずっと昔から人間は気づいているのです。

そして科学はそれを言い直している、再発見しているだけなのです。より新しい言葉で、解像度を上げて、やっぱりそうなのだという納得が科学でもたらされているのです。

表そうとすればするほど表せない、小説で悩むのと同じようなことはありますか?

あります。言葉で表せないことはたくさんあるのですが、ただ科学者としては言葉で表そうと努力することが大切で、自分に禁じているのは「うまく言えないんですけど」という言葉で、イクスキューズは使わないようにしています。その現象なり、感情なり動きなりを言い表す言葉を捜す努力が大切なのだと思います。

結論はスピリチュアルな言い方と同じで「すべてのものはつながっている」ということかもしれないが、そこに到るプロセス、手間暇が違うと思うのです。

科学者や研究者の表現は割りと無機的な感じがあるのですが、福岡さんはその辺りを膨らますのが巧みなので、引き込まれてしまうところがあります。

ここで「空耳」ならぬ「空目」ということに話が移ります。
実際はないことが聞こえるのを空耳というように、実際は見えないものが見えるのを空目と福岡さんは表現しているそうです。

人間がものを認識するときに嵌まってしまいやすい罠で、本当はそうではないのにそう見えてしまうもので非常に沢山あるのです。たとえば壁のしみがお化けに見えたり、虹が七色に見えたりすることなんですが、星を見てオリオン座が見えたり北斗七星が見えるのも当たり前のように思いますがこれも空目なんです。

つまり空の星は無限にあり、平面的に並んでいるわけでもないのに、ひしゃくの形に見えたり三ツ星に見えたりするのは、勝手に図式的に捉えてつないでいるのです。

月の影が民族によって何に見えるか異なるのも民族の伝承の中で培われた空目なんでしょうか。

同じように、ある現象を見るときにこういうメカニズムになっている、こういう因果関係になっていると考える場合、我々は空目になっていることが非常に多いのです。

あることがあればこれが起きて次にこれが起こるというように線で点を結んでいる。しかしそれは、そう見えているだけで実は隠された要素が一杯あって、次の瞬間は別の因果関係が成り立っているのかもしれない。

だから自分できちんと理論がわかったと思っても実は空目に陥っている可能性がある、そのことをちゃんと自覚しないといけない、科学的説明も空目である場合が沢山あるのです。

人間は固定観念を先に持って、そこから物事を見てしまいがちですね。

ですからこれはこうなっているというような、ある種の図式を認知するということには自省、自戒がいるです。

そのように人生論的に読めるところが福岡さんのお書きになるものの魅力だと思いますが、時間が来ましたのでこの続きは来週お聞かせください、と幸田さんが語って終わりです。

やはり竹村さんの番組の場合と書き取るにしても微妙に違いますね。でもなかなか面白い話でした。ではまた来週。





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Last updated  2010.04.19 12:38:01
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