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本日のゲストは金融アナリストの久保田博幸さんです。幸田さんも経済が専門ということで、普段以上に大いにお喋りして、久保田さんの出る幕はない、そんな感じも受けましたが、久保田さんは国債の専門家で去年から2度目の出演。
久保田さんはつい最近も「国債・基本とカラクリがよーくわかる本」を出していて、いまさらこんなことは聞けない、というような基本も書いてあるそうです。 幸田さん自身「日本国債」という小説を書いているほどのこちらも専門家、ということで国債の話が続きます。 現在、国債がますます問題になっている。10年物が605兆円発行されていて、その利回りがついに0.9%を割ってしまった。本来、これだけ大量に出ていたら需要と供給の関係で値段が下がって金利が上がるはずなのに、節目の1%も割ってしまった。 かつて日本の金融危機の際も銀行が不安視されてお金がつぎ込まれたが、結局、銀行はほかに投資先がないから国債にその金をつぎ込んで金利を下げてしまった。そのときと同じことが起こっている。 国債価格と金利はシーソーのようなもの、と幸田さんが解説します。 国債がオーバーサプライされているのに値段が下がらないのはなぜか。 それは、需要と供給のバランスが取れているから。銀行が安全な資産として国債を選択している。これは日本に限らず世界的な傾向。 銀行はお金の運用をするために何かを買わないといけない。適切で安全な融資先がないので国債を買うという状況が続いている。 最近では中国も日本の国債を毎月5000億円くらい買っているが、これは資金をドル一辺倒から分散させようとしているのが理由と考えられる。 実際、日本国債の外国人保有率は6%から4.6%に減っており、この状況で中国の存在が大きくなってくる。またこれも円高の要因の一つ、とも言われている。 現代は「投資から逃避」の時代(「貯蓄から投資」のパロディでしょう)。企業への投資も株もだめ、不安感、デフレ圧力が大きくて、結果として消去法で買われている。国債人気は日本だけではなくて、比較的安全なアメリカやドイツの国債も買いを集めている。 先日登場した仙石さんにも「日本は円高を嘆くのではなくて、チャンスと考えて政治にうまく活用してほしい」と言ったつもりと幸田さん。仙石さんの耳には届かなかった模様。 円高で何故そんなに悲観的になるのか。自国通貨が強くなるわけだからメリットもあるはず。素材の輸入価格が安くなるのだし、円を決済通貨にするという働きかけもできるはず。政治家がなぜそんな発想をしないか、と嘆きの尽きない幸田さん。 円の水準は過去最高を更新するかもしれない。15年前の水準まで来ているのに、財政問題はまったく改善していない。 今、いろいろな人が勝手なことを言っているが、本当に現場を知らない人が多く、そんな評論家の暴走が非常に心配。 「金融緩和でよくなる」というのは、過去何度もやって効果のないことがわかっている。為替介入はだめ。わかっているはずなのにまた同じことを言っている。 アメリカ、ドイツはうまくて、実際の為替介入ではなくて、コストをかけずに効果を狙う口先介入をしている。どうせなら日本も、日銀総裁がコメントを出すなど、もう少しうまい口先介入をすべし。 しかし一方で、幸田さんは野口悠紀夫さんとの対談でも語ったそうですが、日本の製造業は新興国の製品があふれているなどの外部変化に対応できていない。価格競争力をやろうとしてもだめ。 経済構造自体が変わっているのに、円高を国債だけの問題として捉えるのも間違っている。全体を見て手を打てる政治家に出てきてほしい、と述べて幸田さんの独演会は終了です。 来週も続きますが、どんな久保田さんの話が聞けるか、聞けないのか、楽しみです。 ではまた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.09.04 22:47:23
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