継続は剛力なり~前田剛力のあなたの一日を豊かにするヒント

2011/04/24(日)13:43

幸田真音さんのマインズルーム38(岸井成格さん)

昨日の幸田さんのゲストはサンデーモーニングコメンテーターのお仲間(だと思います。実はしばらく番組を見ていないので不確か)の岸井成格(しげただ)さんでした。 ・岸井成格さん;http://kishii.info/ このたび(去年の6月でした)毎日新聞社の主筆になられたそうですが、このポストは新聞の紙面すべてに責任を持つ、非常にえらい立場のようです。テレビでの物腰、喋り方から現在フリーの評論家のような印象を持っていましたが、ずっと毎日新聞社社員で今は役員待遇のようです。 今日の話題は岸井さんが理事長をしているNPO法人「森びとプロジェクト委員会」の活動についてでした。 ・「森びとプロジェクト委員会」:http://www.moribito.info/ 岸井さんのお話は「日本の森は今3つの危機を迎えている。1つめは針葉樹林の枯死、2つめは広葉樹林の枯死そして3つめが外国資本による、水源地森林の買い占めである」ということです。 江戸時代から植林を進めるなど極めて先見性を持った政策を進めていた日本ですが、戦後、経済の効率性を優先するあまり、安い外材の導入を進めた結果、国内の林業が立ちいかなくなり、後継者不足もあり間伐などの手も入らず、その結果、針葉樹林が弱ってきているのです。 本来、針葉樹林は間伐することで1本1本が成長できるのですが、現在はすべてが成長しきれぬまま、寿命を迎えていると言われます。たとえば、間伐材は割り箸にも有効活用できるなど工夫はいくらでもあるようです。 個人的には、今回の大震災で破壊された家の復興には国内木材を使うと決めて材料費補助をだし、秋田杉など東北の森林を切り出せば、雇用の創出にもなるし跡地への植林によって山の再生もできると考えています。 2つめは広葉樹林の枯死で、これがここ数年、ものすごい勢いで進んでいると語ります。これについて以前テレビでも見ましたが、ブナやナラがとくに激しくやられており、この結果、熊や鹿なども餌が不足して村里に出没するなど問題が広がっているそうです。 原因は複合的なようですが、岸井さんの話では土中のリン濃度が上昇しているから、と言われます。以前見たテレビではナラに寄生する害虫、カシノナガキクイムシが原因と説明していました。これも里山などに人の手が入らなくなり、巡り巡って寄生虫の大繁殖につながっているようです。 岸井さんも「日本人は戦後、土から離れてしまった、森に入らなくなってしまった。自然が豊か、当然いつまでもそのままあり続けるもの、と思っていたがそれではだめ。まず森に入ろう」と訴えます。 3つめの問題は外国資本による森林の買収です。日本人は山や森などを売買の対象、利殖の対象と考えていないが、2050年問題と言われる人口100億人に達するとき、水、エネルギーなど資源の調達が不可欠となるのに対してまったく無警戒、一方外国は必死で資源囲い込みを図っており、日本の水も外国に奪われてしまう、と警告しています。 ようやく地方自治体なども動き始めていますが、国内でしかも海岸線から離れた山中となればいざとなれば自己中な法律を作って勝手な真似はさせないなど、政府さえしっかりしていれば対応できるでしょう。(某国は立場が逆なら、まずそうするでしょう。だからこそ自国への投資はウェルカム) そのあと、岸井さんの経歴と環境問題とのかかわりなどに話が移りました。岸井さんは入社直後、熊本支局に配属となっていきなり水俣病を取材したのが強烈な印象、きっかけとなってこの方面に目覚めるきっかけになったそうです。 40年前、これらの行政をつかさどる省庁ができることになって名前を決める際、まだ「環境」という言葉が一般的でなかったときにこの言葉を推して、環境省(当時は環境庁)の名付け親の一人になったと自負されていました。 実はわが社も創立40周年を昨年迎えましたが、当時、水処理設備の設計、建設、運転管理を業務の中心に据えた会社として社長が社名を「環境エンジニアリング」に決めたということです。 現在、環境関連の仕事をする「○○環境エンジニアリング」という名前の会社は日本国内にあまたあるも「環境エンジニアリング」という一般名詞を固有の社名として持つことができたのは、先達の先見の明のおかげです。(現在では、別の理由もあってわが社名にも○○がくっついています) 直近、岸井さんたちは足尾鉱山跡のはげ山に植林するプロジェクトなども展開しており、日本での植林事業の第一人者、横浜国大の宮脇教授のお話なども出ました。宮脇さんは、新日鐵君津製鐵所が建設される際も鎮守の森構想をもって緑化計画の指導をされ、その成果として見事などんぐりの森が製鐵所を覆っています。 ・君津の町に森づくり;http://www.nsc.co.jp/kimitsu/eco/green.html まったく今日の話とは関係ありませんが、先ほど「花うさぎ」さんのブログで、今回の大震災に対して莫大な義捐金を送ってくれているにもかかわらず日本政府からの感謝広告が出されていない台湾に有志で感謝の広告を出そうという活動をしている女性のことを知りました。 デザイナーをしている木坂さんが「日本人として何か台湾の人に対してお礼が言えないだろうか」とツイッターでつぶやいたことから始まり1週間少々で3000名以上、1000万円以上の寄付が集まり5月3日に台湾の主要2紙で感謝広告を掲載するそうです。 ・「謝謝台湾計画」 http://blog.livedoor.jp/maiko_kissaka-xiexie_taiwan/archives/2011-04.html?p=2#20110422 まだ間に合いそうなので僕も気持ちだけでも参加したいと思っています。それにしても、ネット、ツイッターの威力を改めて知った次第です。どうしようもない政府を補って余りある(本当に余りあるかどうか確信はまだありませんが)素晴らしい活動です。 ではまた来週。

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