鎌倉の時間 傍らにある音楽

2005/07/02(土)11:11

太陽の香りのするジャズ

ジャズ(11)

梅雨の高湿な部屋の中、憂鬱な気分を振り払うかのように、Chet Bakerの「Chet Baker&crew」を思い浮かべた。1曲目の「To Mickey's Memory」が無性に聴きたくなった。予兆的なBobby timmonsのピアノのフレーズとBill Loughbroughのパーカッションの心地よい響きから、やがて大海原に繰り出すように展開していくこの曲が堪らなく好きだ。Chetのような有名な人は、レコードも数枚しか持っていないのに、知ったような気持ちになってしまう。僕もこのレコードをかなり前に手に入れていながら、ほとんど聴いていなかった。ジャケットの写真も、ため息が出るほど素晴らしい。言うまでもなくWilliam Claxtonの撮影した物だ。最近は、昔買ったジャズの名盤達を聴き直している。恥ずかしながら、持っていない作品も沢山ある。転職をして失う物もあったが、こうして音楽と向き合える時間が増えた事はささやかな幸せだ。梅雨が明ければ、鎌倉の海も賑やかな季節が来る。

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