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だんだんわかってくるさ/八万八千億の扉

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2011.06.30
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テーマ:徒然日記(22931)

 

先日、バーネットの『秘密の花園』を文庫版で読んでましたら、

庭にオダマキが咲いているという描写がありました。

イギリスの庭でも、この花は古くからのおなじみさんだったのですね~。

写真は、西洋オダマキです。

西洋オダマキ赤1

 

日本のミヤマオダマキには、まだ会えずじまい・・・

でも、気を取り直して・・・

亡き義経を偲んでうたった静御前の和歌を引用してみました。

 

しづやしづ 賤(しづ)のおだまき 繰り返し

昔を今に なすよしもがな


このころ、

(しづ)という布を織るためのハタ織の道具(糸を繰り、それを機にまわして布を織る)に、

苧環=オダマキと呼ばれる物があったそうです。

この道具と形が似ているところから、花名が苧環になったらしいです。



花言葉を聞いて、なんだか しんみりいたしました。

『勝利への決意』・・・だそうです。

 

 西洋オダマキ黄(横顔)

 

当時、白拍子N0.1だった静御前は、今で言うとトップアイドルなのかな?
(歌を詠むには教養が必須ですから、聡明な女性だったと推測されています)

 

義経とはぐれた静は、重要参考人として鎌倉に召し出されておりました。


 

 西洋オダマキ赤2

 

和歌は、鎌倉に呼ばれた静御前が源頼朝の前で舞いながら歌ったものです。

 

この歌を聞いた頼朝は、ものすごく激怒ムカッしました。

なぜなら、こんな意味だから・・・

「白拍子とさげすまれる私だけれど、義経さま恋しや、ああ、むかしに戻れたらよいものを」

天下の頼朝が罪人とする義経恋しと、堂々と歌ったとは!

静御前のshizuに掛かかる‘しづ’という布は身分低い者の服布で、賤しき自分という文脈です。

さらに、この歌には下敷きとなる本歌が2首もあるのでしたから、
静の頭脳の明晰さは、並外れていたと考えられます。
(下に取り上げたのは古今集の1首、頼朝も承知の歌です↓)


いにしへの しずのおだまき いやしきも よきも さかえは ありしものなり ~古今集

 

静御前って、つわものですね・・・びっくり

これって、超シビアーな皮肉 ↓ が込もった和歌ですよ。

「賤しき者も貴き者も、それなりに栄えることがあるでしょうよ」
(今は栄えていても、流人だったくせに! いつまた、どうなるか分かりませんわ!怒ってる

このように本歌取りのテクによって、歌や漢詩はダブル(トリプル)メーッセージを持つのです。

 

 

ここで、もっと驚くのは、

そばにいた妻の政子(これまた頼朝の上手を行くご婦人)の反応です。

 

西洋オダマキ黄(正面)

「人の心とは、そういうものです。いちいちご立腹召されるな」

・・と、ピリピリ切れてる頼朝をいなしてしまったという話です。

*゜.*゜.*゜.*゜.*゜


長く人質だった頼朝は、いわば“トラウマの塊り”だったのでしょう。

暴君ネロ、独裁者ヒットラー、はたまたSFスターウォーズのダースベイダー

・・などと同じパターンがあったかもしれませんね?

歴史の悲劇もようは、所どころで同じ顔を覗かせる…。 

 

<(_ _)> 
お付き合いいただき、ありがとうございました。

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ポチありがとうございます  

 

☆ 黄色の方はキバナオナガオダマキと呼ばれると思います ★

★ 文庫版『秘密の花園』は、以前下矢印こちらで紹介していたものと同じです ☆
とげのない薔薇 ☆

 

 

※・・ その後のエピソード ・・※

身ごもっていた静御前が産み落とした義経の子は、男児でした。
頼朝の命で、川に投げ込まれたと伝わっています。

これはまた、流人時代に頼朝が味わったのと そのまま同じ残酷劇。

静御前も、覚悟の上で、あの歌を詠み、舞ったのでした。

西洋オダマキ赤(ズッコケトリオ)






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最終更新日  2011.06.30 09:38:29
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