子どもが「怒り」をコントロールするために! |
自分の「怒り」の感情をコントロールできず、いわゆる”キレる”状態になってしまう子どもは相当 いると言われています。
目立つ「ストレス」と「未熟」!
生活の中で子どもたちが抱えるストレスが多くなっているという問題があります。
さまざまな面で「未熟さ」が目に付きます。これが”キレる”ことにつながっているのでしょう。
例えば、自分中心でなければ気がすまず、無理やりそこに他者を合わせようとするのは、3,4歳の心しか育っていないことを示しています。この時、本人が怒るのは深い意味があるわけではなく、単なる欲求不満の為です。
これが長じると、ストーカーのような行為につながります。
さらに、子どもたちの「表現方法」が次第に稚拙になっている印象もあります。
自分の言いたいことが上手に伝えられないことにより、ますます不満や怒りの気持ちがたまっていくのですね。
細やかな感情を受け止める!
子育てを機械にさせすぎてしまっている弊害があると思います。テレビやビデオから学ぶこともさまざまありますが、そちらへの比重が大きくなりすぎているのではないでしょうか。
子どもの細やかな感情表現を受け止めてくれるのは、やはり人間です。小さいころから、子どもが一生懸命に表現する様子をやさしく見てくれる大人の存在が、もっとも必要とされているといえます。
”キレる”子どもには、後先考えず爆発してしますので、「よく考えなさい」と、子どもが物事を考えるよう訓練をすることです。
そして、もう少し前段階の対応として、自分の中にストレスがなるべくたまらないよう、上手に自分の気持ちを表現させる工夫が大切でしょう。
そのためには、まずは子どもの好きなように、好きなだけ話をさせる時間をつくりましょう。
子どもにとって、おしゃべりすることは「表現の練習」でもあるのです。
子どもは話をしている間にスッキリしたり、気持ちを整理できたりします。
そうなれば話すことが好きになるでしょうし、たくさん話せばますます表現力が付いていきます。
時には、気持ちを絵に描かせてみるなど、表現方法に工夫をするのもいいかもしれません。
親も話を聞いてもらう工夫を!
子どもたちが表現力やキレないための力を身につけるには、ある程度、長い期間が必要です。
そのためには、親の側にも誰かに話を聞いてもらう努力をしていかないと、親のほうが持たないかもしれません。
夫婦や親しい友人など、身近な関係の中で聞いてもらえるようにしておきたいですね。
場合によっては、カウンセリングや教育相談なども積極的に、そして気軽に活用しましょう。
一生懸命な親ほど、子どもとの会話が「説教」になってしますことがあります。
親子の会話は、あくまでも雑談でいきましょう。
そして、子どもがいいこと、正しいことを言ったときには感心している気持ちを伝えましょう。
すると、子どもはうれしいですし、 自分が言ったことなので、一方的に教え込まれるより、よほど身に付きます。また、子育てを機械任せにしがちな親は、子どもと一緒に遊ぶことも得意でないことがあります。
とにかく一緒に遊んであげてほしいと思います。
遊ぶときは、あくまで「子どもを中心に」!
遊ぶときは、あくまで「子どもを中心に」遊んでほしいのですが、これが意外と難しいのです。
例えば、一緒に遊んでいるつもりでも、「せっかくだから○○もやりなさい」「次はこっちのほうがいいのじゃない?」と、親の思い通りに遊ばせようとしていることが多いのです。
もちろん、良かれと思っていっているのですが、やはり子どもの思い通りに遊ばせるのが良いでしょう。その時、子どもの満足度は、ほかの時とはまったく違うといっていいほど高いものになります。
また、私は子どもに対し「甘やかさず、甘えさせる」という親子関係が大切だと訴えています。
「甘やかす」とは、子どもが要求していないことを親がサービスすることです。その真ん中にあるのは、あくまで「親の気持ち」です。
逆に「甘えさせる」とは、子どもの要求に喜んで応じることです。
たとえば、子どもが「ほめて」と言っている時に、喜んでほめてあげるなどです。
子どもの自発的な気持ちの表現に沿っていくのです。
もちろん、親が心の底から子どもをほめたくなった時には大いにほめていただいて結構ですが、
言われないうちから何でもかんでもほめてばかりいると、いつもほめられていないと不安定な子どもになることがるので、注意が必要です。
| 香川大学大学院・藪添隆一 教授(臨床心理士)
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