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Mar 13, 2006
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カテゴリ:コト

冬が戻ってきたような、しんとつめたい朝。
早く目が覚めたので、あと少しだった本を読み終えました。
博士の愛した数式」。
映画化もされ、さまざまなところで話題を集めた作品です。

かつては大学の数論教授であったが、
事故の後遺症のため80分間の記憶しか保てない「博士」。
彼の身の回りの世話を任せられた家政婦の「私」と、
その息子で10歳の「ルート」。
3人の過ごした、あたたかく、ときにおかしく、
そして少し悲しいかけがえのない日々を
「私」の視点から静かに淡々と綴った物語です。

数学は「神の手帳にだけ記されている真理」。
友愛数や完全数など、「博士」の口から語られる数字の秘密はとても興味深く魅力的で、
数に対する考え方、見方がちょっと変わりました。
わたしが今学生だったら、もっと楽しく数学を学べたのかも。

読んだあと、心の中に不思議な静けさの残る一冊。
あたりまえのように過ぎゆく日々にあるちいさな幸福を。
例えば夕食の支度をするその後ろで、愛しい人たちが笑いあっていることのあたたかさを。
そういうことを大切に思う気持ちを思い起こしてくれる、そんな一冊でした。

ちなみに映画では、吉岡秀隆さん演じる、成長し中学の数学教師となった「ルート」が
語り手なのだそうです。
こちらも一度観てみたい。

                  2006_03130341.JPG               





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Last updated  Mar 14, 2006 02:59:04 AM
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