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僕の仕事はパブリック・ヘルス関係である。この分野にはなぜか女性が多い、それも少々肥満気味の女性が多いから不思議である。健康な食生活、運動の必要性などを薦める仕事をしながら、自分は太り気味というのは、自己矛盾のような気もする。意図したわけではないが、僕が採用を決める僕の課の女性は全員まずまず均整が取れているのである。
アメリカで採用面接をする側に立つ時は気をつけなくてはいけない、日本的な感覚でいくと火傷をする。年齢、性別、性的選好、結婚の有無、子供の有無、人種、文化的背景、宗教など仕事と関係のないことは質問しない方がよい。もしそういう質問をしたとする、その人を採用しなかったとする、すると訴えられる可能性がある。「結婚してるかどうか訊ねて、結果私を採用しなかったから、きっと結婚のことを理由に落としたに違いない。雇用平等の原則に違反してる」と言うことになりかねないのである。 何人かの応募者を面接するときは全員に同じ質問をするようにした方がよい。A君にだけある質問をしてA君を採用したとすると、採用されなかったBさんやC君は「不平等だ、同じ質問をしなかったから、チャンスをもらえなかった」と文句を言い出しかねない。 僕は日本で育った人間でこういうことには疎く、PC(Political Correctness)なんてものに束縛されたくないとヤバイ質問も時々したものである。「どこの国から来たの?」とか「・・語話せる?」とか。幸運にも今まで訴えられたことはない。さすがに「結婚してるの?」とか「キリスト教徒?」とかは口にはしなかった。 仕事の面接と言えば、昔こんな失態を演じた。自分が採用面接を受けた時のことである。「あなたは少数民族に対するアファーマティブ・アクション(少数民族などの雇用を割り当て枠などを決めて積極的に増やすこと)をどう思う?」と質問された。公的機関などでは、まだ割り当て枠が法律的に実施されていた時代である。 「僕は少数民族だけど、そんな特別扱いなんかしてほしくないです。能力のあるものを雇い、ないものは落とせばいいんじゃないですか。アファーマティブ・アクションなんて偽善だと思いますね。」 アホである。まず第一に、日系、中国系、韓国系などは雇用の文脈では少数民族とは考えられてないらしい。人数的にもう十分採用されているから。その上、応募したこの職は管理職であった。管理職に座るものならこういうPC違反の発言をしてはまず失格である。面接の結果は、言うまでもない、不採用であった。わが反PCの蜂起10年早かりし・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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