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一語楽天・美は乱調の蟻

2004.06.02
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そういう教育をされたのか、そういう風潮の中で育ったためなのか、あるいは遺伝子の所為か知らないが、僕もすぐに自滅の戦略を選ぶ傾向がある。かってはこれを格好いいなどと思ったものだが、最近では恥ずべきことと感じるようになった。散ることを美しいと感じる感性が日本の失敗の一因だったと考えてる。

1984年に出版された「失敗の本質 - 日本軍の組織論的研究」という本は太平洋戦争での日本軍の敗因を分析して刺激的な本だ。いくつか重要な指摘があるのだが、今日は「人命軽視の風土」と「攻撃重視、決戦重視の考え方」を取り上げたい。

この三つの視点を僕はすべて受け継いでいる、情けないことに。防御を考える力がないので、攻撃重視といってごまかす。そのほうが楽なのだ。持久戦を戦うほどの忍耐もエネルギーもないので、一点豪華の決戦を挑む。そのほうがずっと楽なのだ。これがみんな自分およびすべての人命の軽視につながる。そのほうがとにかく楽なのだ。

こんなパラダイムでは、膨大な資源をバックに詰め寄ってくる相手に勝てるわけがない。負けてしまえば、東京裁判でどんな扱いを受けようとも、文句が言えない。

NHK取材班編の「電子兵器カミカゼを制す」という、これまた日本の敗因を分析した本がある。その一節にこうある。

「日本は特攻隊に見られるように、死ぬ覚悟をすることで能力を発揮させようとしたのだが、アメリカは必ず生きて帰れることでパイロットを勇気づけ、その能力を最大限に発揮させた。・・・死ぬ覚悟で悲壮に戦った日本人より生きる覚悟で戦ったアメリカ人のほうが、もしかしたら勇敢だったのかもしれないとの思いを強くしたのだった。」

防御には金がかかる。余裕がない場合に攻撃を重視せざるを得なかった日本の事情はわかる。しかし、その考え方が定着した風土のために、人命を軽視することが文化にまでなってしまったのは、失敗だった。

映画「ラスト・サムライ」でカツモトの死に方に描かれていた日本人の文化を、僕たちは崇めてはいけない。美点というより敗因なのだ。かといって、もちろん、それを単に裏返しにした戦後民主主義も、敗因を克服したことには全然ならないのだが。

今の日本に必要なのは技術に裏打ちされた精神主義だと思うのだが(あるいは強い精神に裏打ちされた技術)、どうだろう。






最終更新日  2004.06.03 15:15:35
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