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一語楽天・美は乱調の蟻

2004.08.29
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10数年前まで、カリフォルニアの土曜の日本人学校に、子供を通わせていた。児童数40人程度の小さな組織で、保護者が各種委員になり運営していた。

ある時、運営委員会が運営規約の改定を提案した。規約改定の一番の目的は、日本語読み書き能力の足りない子供を入学させないということだった。そのために、児童入学に際して下記のような宣誓書を書かせるとの提案であった。
・・・下記の通り宣誓いたします。
1.私の子供は一時的に米国に滞在しており、将来日本での義務教育又は高等教育の履修を予定しているものです。 
2.私は、私の子供の・・・校への入学許可と同時に・・・・運営要綱を遵守し、且つ、本校の決定に従います。
3.私(保護者および児童・生徒)は、入学後においても、学力や行動などで問題がある場合には退学処分となることを理解しており、その際も本校の決定に従います。

「将来日本での義務教育又は高等教育の履修を予定している」ということを誓約させ、もし「学力や行動などで問題がある場合には退学処分」にできるようにしてある。日本語能力のあまりない生徒を排除する(あるいは排除できるようにする)のが目的だ。

大手の日本企業の駐在員の子供が約半数を占める学校で、運営委員長はほぼ毎年その企業の保護者の中から任命されていた。運営委員会の方針は当然、彼ら短期滞在者たちの意図を色濃く反映していた。

自分達の子供の日本語能力の維持・向上のためには、しどろもどろで日本語を話すような子供達は困るのだ。自分達の子供が帰国して日本の学校のレベルについていけなくなるのを恐れたのだ。

その事情はわかるが、手段が悪い。

僕は米国永住者で、自分の子供が帰国するということを心配する必要がないということもあり、この規約改定には大反対した。(僕の息子の場合は、永住者であるが、日本語能力に問題がないし、従来通り在学できる、との運営委員会からの内示だったが。)

僕の考えを要約する。日本語能力が劣れば確かに授業の進行にも差し障る、しかしあからさまな排斥は時代錯誤だ、門戸を開き日本語の劣る子供、ひいては日本語を学びたいという人達も特別クラスを作って歓迎すべきだ、あなた達の子供は英語を話せなくてもアメリカの学校で受け入れてもらってるではないか。

日本の文部省に電話して、これこれの動きがあるが文部省はどう思うかと訊ねたり、米国各州の日本人学校に電話して、彼らの方針を聞き出したりした。文部省の方針は、地元のコミュニティに門戸を開くべきだ、というものだった。他の日本人学校も、1校を除いて、これほどの排他主義はとっていなかった。

この学校の約半数近くは永住者なので、その人達に電話して、水面下の動きもしてみた。ところが驚いたことに、永住者の人達は、この学校に入れて貰えているだけでもありがたい、規約がどうあれ多分自分達に影響はないのだから、ここで波風を立てるのはどうかと思う、という態度が主流だった。事なかれ、長いものには巻かれろ、である。

数週間後に保護者総会の投票があった。結果は悲惨。僕の考えに賛成してくれたのは、わずか3,4票だった。

僕はその時までその学校の高校部門の授業を受け持っていたのだが、失意の果てに、辞職、自分の子供も退学させることにした。

グループの中でビジョンの共有を育て上げる政治力・指導力というのは、とても難しい。自分の政治力のなさ、カリスマ性のなさを、この時ほど痛感したことはない。

せめて10票は欲しかった。






最終更新日  2004.08.30 16:35:32
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