土曜日、また試聴の散歩に出て、面白いバンドを発見です。Ozomatli（オゾマトリ）という、ロスアンジェルスを本拠とする、ロスアンジェルスならではの多人種バンド。アフロ・ラテン系の音楽ですが、中近東の香りも漂い、日本語で「ざんけなよ、てめー」という言葉が曲の冒頭に入ったり、ラップをしてみたり、とまさに多国籍的音楽です。核となるのは10人のメンバーですが、その中の一人は日本人のヤマグチ・ジロー、打楽器担当です。彼の出生地はニューヨークと書いてありますので、もしかすると国籍はアメリカかもしれません。

デビューは1998年、以来4枚のアルバムを出しているようです。1998年頃のレビューによりますと、

ステージに立つのは雑多な人種が混ざりに混ざったという構成のバンド。ラッパーとパーカッションのひとりは黒人で、ベースとDJは白人。ステージ全面でタブラを叩いているのは日本人で、ホーン・セクション、ギター、ドラムスはメキシコ系だろうか。そのバンド構成は、すでに白人がマイノリティとなっている今のロサンゼルスそのものだ。

最新作は、今年の6月22に出された、「Street Signs」ですが、前作「Embrace the Chaos」は2001年9月11日、同時多発テロの日に出されています。反戦、社会正義を訴えるこのバンドは、テロ当日のコンサートも決行したそうです。

言葉よりも音。オゾマトリのホームページに行くと、Believe（中近東風）、Satruday Night（ラップ風）、Street Signs（サルサ風ラップ）、Te Estoy Busando（普通のラテン） の4曲が、音質は悪いですが、全曲聴けます。Mi gente という曲のビデオクリップ（15MB位）もダウンロードできます。

ビデオクリップを観ると、これがアメリカか、と驚く方もいると思いますが、ロスアンジェルスの半分以上はいまやヒスパニック系。後10年もすると、カリフォルニアの全体がヒスパニック多数の文化になりそうな様相です。オゾマトリは、そんなカリフォルニアの象徴でしょう。