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アントニオ・バンデラス主演の「13ウオーリアーズ」(何で、この邦題は「13番目の戦士」ではないの?)という映画がありまして、その中で10世紀頃の西欧とアラブ世界の文化の違いが若干描かれていました。
この映画はマイケル・クライトンの小説「北人伝説(Eaters of the Dead)」を基にしているんですが、マイケル・クライトンはイブン・ファドゥラン(Ibn Fadlan)のヨーロッパ紀行を参考にして書いています。 920年代に、イブン・ファドゥランはボルガ河中流のブルガル国に派遣されます。そこで、ルス(Rus)という、スカンジナビア出身の人々に遭います。(これは多分ロシア人の祖先であるルーシ人でしょう。)彼のヨーロッパ紀行から、意訳ですが、いくつか面白いのを紹介します。 ボルガ河畔の宿営するルスの人達を見たが、これほど完璧な体躯を見たことがない。背が高く金髪で、血色がよい。 西欧がイスラム文化の影響を受けたことは、高校の教科書にもよく出ています。イブン・ファドゥランの話を読むと、10世紀頃はイスラムが先進文化圏だったことが窺えます。 1492年に完結したイベリア半島の「再征服」は、文化的に劣る西欧が、先進のイスラムを追討した運動でした。トレドやコルドバなどのイスラム文化最先端の都市を手に入れたキリスト教徒達は、その文化の高さに驚いたことでしょう。 実は、アリストテレスの著作は、西ヨーロッパでは殆ど忘れ去られ、ビザンチン帝国でもプラトンに較べて軽視されていました。アリストテレスの著作を翻訳し、ヨーロッパ人に残したのは、イスラム教徒だと言えると思います。そして、アリストテレスの思想こそが、この後のキリスト教文化圏の発展の引き金になったのです。 参考サイト http://www.vikinganswerlady.com/ibn_fdln.htm お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004.11.01 18:03:02
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