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2005.01.18
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堺正章やかまやつひろしで知られるスパイダーズの歌った唄に「ノー・ノー・ボーイ」というのがあった。♪いってもいいかい イェイェイェイェ ベイビー これから行くよ おまえの家に ノー・ノー・ノー・ノー・ボーイ 今夜はダメなの♪ という他愛もない歌詞で、日系二世ジョン・オカダの書いた小説「ノー・ノー・ボーイ」とは全く関係がないようだ。

ジョン・オカダの言う「ノー・ノー・ボーイ」は日本という国への棄てきれないわだかまりを心の底に抱えた一部の日系アメリカ人のことだ。

先日下院議員ロバート・マツイの急死についての日記で触れたように、太平洋戦争勃発後日系アメリカ人に対する差別は悪化した。真珠湾攻撃から3ヵ月後、1942年2月ルーズベルト大統領は行政命令9066号を発令し日系人の処遇を軍の手に委ねた。その1ヶ月前軍は既に日系アメリカ人を徴兵不適格者と格下げしていた。既に軍に所属している日系アメリカ人は除隊もしくは下級職にまわされた。

この時点での日系アメリカ人は、徴兵に応じることも出来ない、(西部諸州の日系アメリカ人のみだが)収容所から外に出ることも出来ない、現在の僕のようなグリーンカード保持者以下の待遇を受けていたわけだ。それでもアメリカ人だったというのだから、非白人にとって市民権というのが如何に薄っぺらな紙切れだったかわかる。

マイク・マサオカをリーダーとする日系市民協会(Japanese American Citizens League)の方針は、アメリカ政府に全面的に協力し強制立ち退きが軍事的に必要なものなら、仕方がないが応じよう、というものだった。

1942年3月に強制収容が開始され、困惑の中マサオカ達JACLが取った戦略は、日系アメリカ人にアメリカ市民として戦う権利を勝ち取ろうということだった。アメリカ軍はこの要請を受け入れて1943年2月日系アメリカ人の軍への志願登録を再開した。

軍登録再開に当たって、収容所の17歳以上の日系二世アメリカ人は徴兵選抜質問書(こう訳していいのかどうかわからないが原語はSelective Service Questionnaire)に答えることを要求された。兵役を志願する者と日本送還を希望する者に似たような質問書が使われた。アメリカ軍はこの質問書で適格者と不適格者をより分ける意図だった。

この質問書の第27問と28問が俗に「忠誠登録」と呼ばれている。

27.Are you willing to serve in the armed forces of the United States on combat duty,whenever ordered? (あなたはいかなる時でも命令に服してアメリカ軍の戦闘任務を遂行することに同意するか。)

28.Will you swear unqualified allegiance to the United States of America and faithfully defend the United States from any or all attack by foreign or domestic forces,and forswear any form of allegiance or obedience to the Japanese Emperor,to any other foreign government,power or organization? (あなたはアメリカ合衆国に対し無条件の忠誠を誓い、国内外のあらゆる武力による攻撃から合衆国を身を賭して防衛することを誓い、そして日本国天皇、あるいはその他の国の政府や権力や組織への忠誠または服従を全て放棄することを誓うか。)

ノー・ノー・ボーイとは忠誠登録の2問に「イエス・イエス」と答えられなかった1万3千人の日系アメリカ人のことだ。実際には「イエス・ノー」もいれば「ノー・イエス」もいたのだが総称してこう呼ばれている。

ノー・ノー・ボーイ達はごく最近に至るまで日系社会の中では肩身の狭い思いをしていたようだ。この辺を次回続けたい(が、実行できないこともしょっちゅうである)。

参考
渡辺正清 「ヤマト魂」 (2001年 集英社)
林かおり 「日系ジャーナリスト物語 海外における明治の日本人群像」 (1997年 信山社)
デイ多佳子 「日本の兵隊を撃つことはできない」 (2000年 芙蓉書房)
Kang, Jerry, Denying prejudice: Internment, redress, and denial 51 UCLA Law Review 933 (2004)





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最終更新日  2005.01.19 17:00:50
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