テーマ:世界の中の日本(523)
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1月27日、イスラム世界への呼びかけ
先週のことになるが、ヒラリー・クリントンが上院の承認を受けて国務長官に就任、彼女は早速中東特使にジョージ・ミッチェルを任命した。もと上院議員で75歳という高齢だが、北アイルランド和平合意に尽力したことでも知られ、平和的な手段のみを用いることを原則にした姿勢は、中東和平にも期待できる。 ミッチェル特使のエジプト到着に時期を合わせるように、26日夜オバマがドゥバイの衛星テレビ局アルアラビーヤのインタビューに応じた。オバマの発言の中のキーワードは、「今すぐに取り掛からなければならない」、「我々はイスラム世界に手を差し出す」、「イスラム世界への敬意」などだ。就任演説にもあったように、オバマは対決の外交から相互利害と相互尊重に基づいた協調へと方向転換を約束している。「ミッチェル特使には、まず耳を傾けるように指示した、アメリカは時に指図したり命令したりしてきたが、これではいけない。・・・イスラエルと共存する形でパレスチナ国家を樹立することは、可能だと思う」 もちろん、オバマはイスラエルとの関係を軽んじるわけではなく、イスラエルの安全保障は重大なものと考える。しかし、イスラエルの中にも平和が大切なことを知っている人達がいて、時期が来ればある程度の犠牲を払ってでも平和を築かなければならないこともわかっている、とオバマは信じる。 就任演説でもはっきりと示したことだが、オバマはイスラム世界の過激分子を対話の相手とは考えていない。過激分子の人たちのことに触れて、「紛争を起こすことだけを目的とし、自分達の社会の病弊が西欧社会によって押し付けられたものと考える」人たちだと決め付けた。と同時に、例えばイランに対して、彼らがその握り締めたこぶしを開いてくれれば、我々は喜んで手を差し出すだろう、とも付け加えた。 人間関係は、何を語るかよりもどう語りかけるかで大きく変わるものだ。その点、オバマの姿勢は平和を呼び寄せる可能性があることは確かだ。ただもっと確かなことがある、それは中東の歴史が信じられないほど泥沼である、ということだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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