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ビットコインの将来には懐疑的ですが、アップル・ペイの方は大ヒットするかもしれない、と感じています。今までの人生、アップル製品にはとんと縁がなく、唯一所有したのは、今では市場から消えたiPod Mini(その生涯は短命、2004年2月-2005年9月)だけという、いわば反アップル党でした。しかし、アップル・ペイという決済革命には、頑迷な僕を転向させるかも知れない現実的な魅力があります。というのは、アメリカでは最近クレジットカード情報の漏洩が相次いで起きていて、つい先日もある業者のコンピューターがハックされたことで、二つのクレジットカードが新番号で再発行されました。再発行されると、そのカードで自動引き落としをしている業者に電話を掛けたりオンラインで再登録をしなければならず、旅行中などにその必要が起きると面倒です。もちろん、面倒なだけでなく、ハッキングにより自分の個人情報があちこちに流れているかもしれないというのは、不安なものです。その点、アップル・ペイを使えば、クレジットカード情報を盗まれる確率が低い、と思うのです。
アップル・ペイとは2014年10月にアップルが導入した新型の決済方法で(現在のところ北米のみ)、支払いの時にiPhone6(もしくは6plusや近い将来発売されるアップル・ウォッチ)を店に置かれた機器に近づけるだけで済むという、日本のお財布携帯やSuicaのようなものです。電子マネーではなく、事前に登録してあるクレジットカードで決済します。大きな違いは、機器に近づける時にiPhoneの指紋認証センサーに指を置いて本人確認をする点です。 クレジットカード決済のセキュリティの弱点は、支払いを受ける業者がクレジットカードの情報を保存しておく、という点にあるでしょう。業者のシステムが侵入されれば、そこでクレジットカードを使った消費者の情報が全て盗まれてしまいます。アップル・ペイはこの問題を次のようにして解決しています。 クレジットカードをiPhoneに登録すると、カード番号はiPhoneにもアップルのサーバーにも保存されません。そのかわり、技術用語ではトークン(token)と呼ばれる代用番号がクレジットカード会社あるいは発行銀行から電子的に送られてきます。クレジット番号の代わりにこのトークン/代用番号が実際の決済時に使われます。クレジットカード番号とトークン番号の一対一の関係は、発行元で厳重に保管されます。iPhoneにはトークンが暗号化されて保存されるのです。 支払いの時は、トークンとともにiPhoneが動的に作り出す取引番号が発行元に送られます。<動的に作りだす>ということは、支払いごとに異なる取引番号が生成されるということです。この時、クレジットカード番号や有効期日などの情報は一切交換されませし、業者のコンピューターには当然保存されません。 アメリカはクレジットカード使用では先進国でありながら、技術的には後進国で、いまだにカードの裏の磁気テープからアカウント番号を読み取る方式のものを使用しています。ICカードとか"Chip and PIN"と呼ばれいてる方式への移行は、2015年後半になるようです。この間隙をぬってアップル・ペイが出現したのはいいタイミングです。業者の端末機器はこれから一年の間に大量にNFC(near field communication)可能なものに変更されますから、アップル・ペイが使える端末が一気に増えるということです。あとは、業者が参加するかどうかですが、すでに大手の業者が多数参加しています。 ここでガラパゴスを捨ててiPhoneに乗り換えるかどうかは未定ですが、現行のクレジットカードに変わる方法をしばらく模索したいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.11.03 07:25:52
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