テーマ:思ったこと 考えたこと(832)
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権力争いの敗者に残された道は、組織を去るか組織にとどまり窓際に追いやられるか、二つに一つしかないでしょう。権力が集中している非民主的な組織の場合には、組織にとどまり不平を言い続けるという方法は、ほぼ無意味ですから。
さて、この敗者の中にどうしても組織に残して置きたい人たちが数名いるとします。経済的な理由からかもしれません、組織のドル箱であるとか。倫理的な理由もあるでしょう、この数人を追い出すあるいは窓際に追いやることは組織外からの倫理的な批判を受け組織の繁栄に危機をもたらす、というような。あるいは、超組織の政治的なプレッシャーもあるかもですね、大衆のような政治力を持たない人々ではなく当該組織の外の政治家達や企業組織とかです。 こうした何らかの動機で数名を残しておきたいとすると、一人をスケープゴートにして追放し、残る数名には謝罪をさせ以前とほぼ同じ待遇で残すことになります。映画などでもよく見られる、首謀者だけが斬首されて残ったものは生存を許される、というパターンの変種です。外部からのプレッシャーが相当ある場合には、この方法を使って組織の倫理的・経済的勢力を維持しようとするでしょう。 この場合、あるストーリーをでっちあげてすべてを正当化することが必要です。そのストーリーの流布にはマスコミ・メディアの助けが必要で、それを担当してくれるメディアには貸借関係が生まれることになります。あの時助けてもらったお礼に、これこれの情報をあげます、というように、今後そのメディアは特ダネをもらえる立場になるでしょう。 組織に歯向かった一人の人間が抹殺され数名のメンバーはプライドを傷つけられる、組織優先のこんな茶番劇が生まれる大きな原因は、当該組織が独裁的な権力を持ち過ぎているばかりか、市場を寡占若しくは独占していることです。組織を離れる自由がない、あるいは組織を離れたら生活していくことができない(干される)、という状況があるから、こんなバカげたことが起きるのです。クーデターの首謀者が、数名の信奉者と円満に組織を離れることができるような、仕組みが存在すればよかったのです。こんな独裁的な組織がメンバーの離脱に対してパワハラをするようなことがあれば、ほんとは独占禁止法などの法律的手段で取り締まるべきです。 例えば、アメリカのプロスポーツのように、時間的な制限の中でチーム間の移動が非常に自由な状況、これは個人の経済的利益を押し上げます。それによって、エンターテインメントとしての価値は上がり、観衆はより楽しめるでしょう。しかし、この新自由主義的な仕組みにも弊害はあります。一握りの特に有能な選手とそれ以外の選手との報酬の差が大きくなるのです。いわば、貧富の差が広がる、ということでしょうか。 ですから、組織間移動の緩やかな自由というのが理想的かもしれません。その点、日本のプロ野球の場合ですと、倫理的な枷がかかっていますから、組織間移動は比較的穏やかです。芸能界でも、これに似た状況づくりをすることが望ましい、と思います。 (注) タイトルにある「芸能人はなぜ干されるのか?」というのは、星野陽平の著書で2014年に鹿砦社から出版されています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
何故なんでしょうね・・・
私はTVモニターを持っていないので日本の政界をも動かした SMAP の事として幾つかのニュースも読んでみました。 そして、日本の芸能界では、所属事務所 組織がとても重要なんだと、あらためて思いました。 ここって、入社した会社で定年まで働くのが 当たり前だった時代の考え方と似てる気がします。 よく、生みの親、育ての親と言いますが 彼らにとって、見つけてくれたジャニーさん 育てながら、進路を見つけてくれたマネージャー どちらも大切な人には違いなかったでしょう 板挟みになった芸能人は、軍隊なら一兵卒かもしれません だから身近で苦楽をともにした人を選ぶのは当然だったかも。 しかし、マネージャー女史に ジャニーズ事務所の人材を預かっている意識があれば 自分と女性副社長らとの関係は、無視すべき事 もしくは、交渉すべき案件という別の仕事として スムーズに行えたように思います。 PS* 去年の秋、村上春樹の本を初めて読了しました。 自伝的エッセイ「職業としての小説家」では ジャズ喫茶をしていたとあり、親近感を抱きました。 (2016.01.21 18:27:54)
るり♪♪さん
僕もいくつも記事を読んでみました。しかし、真実はどうだったのか、霧の中です。うまく納めるために、事務所からの意向を反映して書かれた記事もあったでしょうし、それを見分ける努力をするほどの暇も人脈もありません。結局は、自分の頼りにならない洞察力で読み取るしかありません。が、それを読み取る以前の問題として、二人の権力者があまりに横暴であることは明らかでしょう(この事件以外のことも考慮に入れて)。マネージャーは社内でずいぶんと我慢していたのではないでしょうか。おそらく、次の社長と意見が合わないのなら、おまえは出てけ!と言われたのは事実でしょう。偶然、イーグルスのGlenn Freyが亡くなり、元イーグルスのDon Felderのインタビュー記事が載っていました。FelderはFreyからイーグルスを追い出された過去があります。ここでも金をめぐった権力争いがあったようです。今回の日本の事件も結局は金と権力でしょう。が、それを少しでも減らして、芸能人個人がもっと自由になる世界の方が、僕は好みです。そのためには、我々大衆とメディアが覚醒しなければいけないのですが、まず無理でしょうね。 (2016.01.21 19:57:38)
村上さんの人生についてはほとんど知りません。おそらく、彼の作品に少しずつ散りばめられているんでしょうね。ジャズ喫茶をしていたんですか。国境の南だったかにジャズ喫茶か何かが出てきたような記憶もありますが、定かではありません。文通をしているスペインのおじさんが、村上の大ファンなんだそうで、ぼくもまた読まなきゃいけないかなと思ってます。
(2016.01.21 20:02:43)
やはりスマップの解散騒動の話でしたかーー!
大手企業に属し・・その恩恵を享受し・・個性を受け入れられて仕事をし続けて、人気も有りなのにーー個人の感情で独立とかは、ご法度?!なんですね。。 ★巨大事務所を背負ってるから★でしょうか?! ただただ気の毒な気がしました・・事務所が違っても5人集まれば「SMAP」だと、ファンは受入れるのにね☆ (2016.01.21 21:01:31)
tom☆さん
「芸能人はなぜ干されるのか?」という本をキンドルのサンプルで見ましたが、芸能界とマスコミとの相互依存関係は大変なもののようですね。今年の紅白のトリの選考にもそれは現れているようで、当該事務所の副社長の意志でトリは決まった、とか。なんでこの人がトリなの?と不思議だったのですが、ああそういうことだったんだ、と納得しました。そもそも、ここにSMAPを入れようとしたのが例のマネージャーで、その件で逆鱗に触れた、とか。上記の本についても、大手出版社は関わりたくないということなんでしょう、はじめて耳にする出版社から出てますね。僕たち一般市民の知らないところでいろいろと決められている、ということでしょう。 (2016.01.22 08:14:17) |
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