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一語楽天・美は乱調の蟻

2017.01.20
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デニス・イストミン(Denis Istomin、30歳、ウズベキスタン、生まれはロシア)、ATPツアーのベテランで最初のメジャーは2006年のオーストラリア・オープン。データを眺めると四大大会(予選で敗退したのを除いて)に出場したのは全部で34回、内3回戦か4回戦まで勝ち上がったのは8回だけ、ATPツアーのトップ100の常連ではあるが、どうみてもイストミンが上位選手、それも世界第二位のジョコビッチの脅威になるとは思えなかった。イストミンの年末ランキングは2010年の40位以降徐々に下がっていて、昨年末は121位まで下がり(昨日の時点で117位)、ピークを過ぎた選手という印象しかない(データは英語版Wikipediaによる)。ジョコビッチとの直接対戦を見ても、今まで五度の試合でイストミンは一度も勝ったことがなく、奪ったセットは2013年のカナダ・マスターズでの1セットのみだ。

初めてじっくりと観察したイストミンのストロークはゆったりとした無理のない動きで、それでいて結構スピードがあるのかもしれない、ジョコビッチをクロスで揺さぶったあとダウン・ザ・ラインに入れる球でポイントを稼いでいた。サーブは125mphだから速い方だろうが、超がつくほどではない。1時間25分かかった第一セットは、イストミンがタイブレーク(10-8)の末取ったが、これが大番狂わせの前奏曲だとは誰も思わなかったに違いない。ジョコビッチが続く二セットを奪った時には、誰もが、ああ、やっぱりね、と思っただろう。

しかし、この日のイストミンは諦めなかった。第四セットのタイブレークを制して試合は最終セットへともつれ込んだ。迎えた第五ゲーム、バックハンドのクロスコートで打ち合った後にタイミングを見計らって、イストミンが放ったバックハンドからのダウン・ザ・ライン、ジョコビッチのサーブをブレークした。それでも、解説のジョン・マッケンローはまだジョコビッチが逆転するだろうと予想していた。しかし、イストミンは大番狂わせの緊張に押しつぶされることなく、ただ黙々と残りのサーブゲームをキープし、4時間48分の長丁場を乗り切り勝利を手にした。

コート上でのインタビュー、イストミンの口から出た最初の言葉は、「ノバック(ジョコビッチ)に申し訳ない」、周りがみんな勝つと予想しているか勝つことを期待している選手を破った時に使われたのを何度か聞いたことがある。そのあと、言葉に詰まったようなイストミンはたどたどしく続けた、「(今にも泣きそうな顔で)今はいろんな思いが入り乱れていて、・・・(意味不明)」。「人生で一番大きな勝利だ、すごく意味あることだ、(この勝利で)このレベルの相手と対等に戦えるんだと感じる」と語るイストミンの表情には、これが最後じゃない、まだこの先トップレベルで競い合えるぞ、という自信が垣間見えた。

観客席のイストミン陣営には、母親・コーチのKlaudiyaとアメリカの女子テニス選手、ヴァルヴァラ・レプチェンコ(Varvara Lepchenko)の姿が見えた。レプチェンコはウズベキスタンの出身で、2007年にアメリカに国籍を移した。同郷のよしみなのかガールフレンドだから応援席にいるのか定かではない。






最終更新日  2017.01.20 09:34:28
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