論理回路の簡単化2.2 論理関数の簡単化 いま,3つの論理変数をX,Y,Zとして,論理演算の基本公式を示す. (2.1) ![]() ![]() (2.2) ![]() ![]() (2.3) ![]() ![]() (2.4) ![]() ![]() (2.5) ![]() ![]() (2.6) ![]() ![]() (2.7) ![]() ![]() (2.8) ![]() ![]() (2.9) ![]() ![]() (2.10) ![]() ここで,左右に示した式は,論理積を論理和に,定数0を定数1に置き換えることによって他方が得られる.このような関係にある式の性質を双対性という. また,次に示す式はドモルガンの定理という.NANDおよびNORは,ドモルガンの定理を用いて書き直すことができる.すなわち,図2.8に示す左右の回路は等価になる. ![]() ![]() 図2.8 ドモルガンの定理 表2.8に示した3変数の真理値表の論理関数について式による表現を求めてみる. 4行目に着目すると,X2,X1,X0がそれぞれ0,1,1の場合に ![]() ![]() ![]() で表される.このようなすべての変数の反転または非反転の論理積を論理和で結んだ論理関数を特殊加法標準形(または主加法標準形)とよび,各項は最小項(または極小項)と呼ばれる. 一方,特殊加法標準形と同じようなものに特殊乗法標準形(または主乗法標準形)があり,真理値表から次のようにして求めることができる.(1)真理値表の関数値が0になっている行について,変数値が0のものはそのまま,1のものは反転してすべての変数の論理和をとる,(2)関数値がすべて0となる行について同様の操作を行い,得られたすべての論理和の論理積をとる.ここで得られる論理和は最大項(または極大項)と呼ばれるものである.表1.9を特殊乗法標準形で表すと次式となる. ![]() 同じ真理値表を満たす論理関数も(2.11)式や(2.12)式のように異なる形で表すことができる.また,先に述べた基本公式を用いれば,これらの論理関数はより簡単な形で表すことができる.論理関数の簡単化の例として,基本公式を用いて(2.11)式の簡単化を行う. ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 簡単化の方法としては,公式を用いる方法の他に,ベイチ図を用いる方法がある.ベイチ図とは,図2.9(a)のように長方形の図の中に論理変数の論理値を割り当てたものである.論理変数の値の全て組合せに対応するますがあり,真理値表に対応したますに0または1の値を記入することによって論理関数を表すことができる.排他的論理和のベイチ図を図2.9(b)に示す. 5変数までの論理関数はベイチ図により容易に表すことができる.図2.10は3,4,5変数の場合のベイチ図の論理変数の割り当て例である. ![]() 図2.9 ベイチ図の例 ![]() 図2.10 3,4,5変数のベイチ図 ベイチ図を用いた簡単化の方法について説明する.表1.10に示した真理値表をベイチ図に直すと,図1.19のように表される.図中の隣り合ったますで論理値が1の部分があればそれらをまとめて表すことができる.例えば,破線(1)のように隣り合ったますはX1X0で表すことができる.更に,破線(2)で囲った4つのますはX2で表すことができる.論理関数は論理積によりまとめられたますの論理和を取ればよい.以上の結果から論理関数は, ![]() となり,(1.13)式と一致した論理関数が得られる. ![]() 図2.11 ベイチ図による論理関数の簡単化 ジャンル別一覧
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