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クランキー猫’s

クランキー猫’s

C猫のCareer

C猫は金融畑出身だ。といってもそろばんとか数学が得意だったわけでは全然ない。告白するが高校の時、物理の単位落としそうになった。大嫌いである。典型的な文系人間。ではどうして金融に…というと、大学卒業時、就職について考えた時、やっぱり英語なんか生かしたいなとか思う。当時まだ外資系は新卒に門を開いてなかった。でも専門学校卒の友達で外資の銀行に勤めてる子が居て結構お給料も良いと聞いていたのでこれかな~と思った。片っ端から電話して当日会ってくれる所を探した。実はResumeが日付を入れたResumeがだぶついてしまって使いたかったのである。日本って履歴書手書きでしょ。一行良いですよ今日会いましょうと言ってくれたところがあり、面接するとそろばんとか簿記とか出来ますか?と聞かれ殆どのものがNoだった。私は自分の浅はかさを反省し、やっぱり金融はやめようと思った矢先、又電話が掛かってきた。二次面接である。というか後で聞いた話だけど、その担当の男性が当時独身で(今はどうか知らん)私に興味があったらしいのでラッキーだったのかもしれない。いや、定かではない。そういう私情で就職が左右されるわけがないではないか。ともあれ、それから何が気に入られたか、トントン拍子。英語の面接とかもなぜかなかった。いや、英語話せますよね~とは聞かれた。だから話せますよと答えた。嘘つきとは思ってない、表現の違いというのもだ。私はその頃、片言がもしかしたら話せるかなというレベルだった。あまり言及すると年がばれるから控えるが何しろ一昔前である。

というわけでまんまと外銀に就職Customer Service課だったので英語は結構使った。まあ、記入してくださいとか、そういう決まった事しか言わないのだが。でも非常に勉強になった。担当の男性とは残念ながらFeelingは合わなかった。いや、もう100年くらい前の話のように思う。決して一流校とは言えない、いや絶対言えない大学出にしては就職はSmoothだったと思う。何せ一番最初に面接したところに決まったのですよ。

C猫にはこういう事が結構ある。なんか運命のようなもの。素直に従う事にしている。気が向かないことは縁がないと思っているところもある。是が非でもこれをやりたいと思う事は人がなんと言おうとやる感じもある。多分C猫の母校からは当時(今は知らん)高嶺の花だった、外資系の銀行に電話一本で面接に行ったやつは居ないだろう、というか私の周りには居なかった。それも電話した理由はResumeが余ってたからである。普通の人が恥知らずと思うような事もやってしまうのがC猫の特徴でもある。今の学校にためらわずApplyしたのもその一環と言えるだろう。

いや、話がずれてしまったがポイントは金融が好きでも何でもなかったのに入ってしまい、それ以来金融畑一筋になってしまったという事。本当に良くない事だと思う。村上龍の13歳のハローワークではないが人間好きな事を職業にすべきであると思う。でも日本ではそうなってないのですよ。くいっぱぐれがないものを職業にしようとする。ネットとかでもそうだし、NYで知り合った女性達も往々にしてそういうところがある。真っ向からじゃあ貴女何がやりたいの?と聞くと分からないのである。日本に生まれClassicな両親に育てられた私は仕事を一生のものとして考えた事がなかった。23歳ごろ結婚するとしてその後のプランがなかったのである。それに小さい頃からこれやっとくと良いよ、とかこの資格は役に立つよとかとにかく何がやりたいかよりも何をやるとSurvive出来るかの方が断然比率が高いと思う。そこが日米の大きな違いと言えよう。

NYに来て大きな日系の銀行に勤めた私は、いつも知りあうアメリカ人に聞かれると○○銀行に勤めてるのと言う。そうすると必ず、アメリカ人は○○銀行で何をやってるのか、を聞いてくる。アメリカは専門職化が進んでおり専門職以外のアシスタントはAdministrative Assistant(AA)と呼ばれている。日本であれば大きな銀行に入れば何をしようと関係ないところはないだろうか。経理、総務などと幅広く回されるのが普通だと思う。だから一流大学の経済学部を出ても総務で雑用と言う事も十分ありうる。アメリカ人だったら即刻辞めるであろう、そして小さくても自分のやりたい事の出来る職場に変わるだろう。実は銀行時代の同僚のアメリカ人に言われたのである。どうして日本人は有名大学の経済学部を出て総務で臭い消しとか調達しに行くのだと。なるほど、と思った。日本人は会社に就職するのであって仕事に就くのではないのだ。大きな規模の会社に入ることの方が大切だから。伝統的にはLife time employmentの国である。

いや、私だってそうである。好きでもない金融に首を突っ込み以来一筋。アメリカに来て女性も一生キャリアを持てる状態になって、はたと自分の本当にやりたい事とはと考えたのだ。一度籠に入れられた鳥はもう自分の力で羽ばたく事を忘れてしまってるのだ、というか生まれてから一度も自分の力で羽ばたいてないのかも知れない。私の場合、仕事で英語を使いたいという夢は達成されたのでそれはよしとするが。悩みに悩んだ、生まれて初めて真剣に悩みました。自分は何をやりたいのか、しいては何のMissionをもって生まれたのか。生まれた以上意味があるはずだとか。そして行き当たったのがセラピスト。もし嫌いだったらどうしようだってセラピーなんてやった事ないしとか色々悩んだ。金をどぶに捨てたくない。アメリカの授業料は一年で$20,000以上である。猫夫は一応2,3年はやってみる気があれば良いんじゃない?と言ってくれた。そしてこのFieldに入ったのである。

October 2004




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