安らぎのクレヨン画

2008/06/11(水)12:41

夕方の散歩

エッセイ(48)

ヒロを片手に、ゆっくりと家を出た。 一歳と一ヶ月、まだ立つだけでまだ歩けない。 保育園に僕が迎えに行って、家に帰ってから一時間ぐらいの間いつも散歩する。 妻が帰ってくるまでに洗い物をしてご飯をセットして、それからちょっと出かけるのだ。 サトウキビ畑の間を歩いていく。おばあに挨拶する。 三分ぐらい歩くと護岸された海が見える。波はほとんどない。 夕陽は後ろから低く射している。背中が暑い。 堤防から海を見る。下は磯になっている。 おだやかな海が広がっている。 ヒロを堤防のヘリにつかまらせて立たせる。 大人の膝ぐらいの高さのヘリは、ヒロには首だけ海をのぞけるような格好になる。 ヒロが「ん、ん!」と腕を伸ばして指を指している。 沖に大きな黒い船が浮かんでいる。 ぺしぺし、とヘリを手で叩いてこっちを見上げて笑った。 僕もにこっと返した。 さ、ママがそろそろ帰ってくる頃だね。 またヒロを抱っこして立ち上がる。 ほんと十キロは軽くない。 もうちょっとしたら、手を繋いで一緒に歩いて行こうな。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る