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くれーじーくえいる ぶろぐ

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2008.10.11
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テーマ:ゴルゴ13(71)
 以前にも紹介しましたが今月21日に実写映画版『ゴルゴ13』2作のDVDがリリースされます。蔦屋でレンタル版出ないかな~?
 TVアニメ版が実現したことで、管理人的には新たな実写版ゴルゴ13の映像化も期待したいところですが、問題はゴルゴ13を演ずる俳優だな・・・個人的にはちと背丈が足りませんが松田賢二辺りがいいかな。ちなみに、さいとう・たかを先生はどっかのインタビューでもし新たな実写版を作るならゴルゴ13役はハンマー投げの室伏広治選手がいいとか仰ったそうですが、ホントかいな?(笑)

〔Target.27:フィアレス〕  原作:リイド社SPコミックス第139巻収録(2001年初出)

CAST  イギーリ・ソルベノ:玄田哲章  セルゲイ:中村秀利  情報屋:佐々木梅治  ブルー・ファイア:福山潤  アーロン・マックスウェル:矢部雅史  アン・ブラウン:多緒都

 朝のアメリカ・ニューヨークのとある高層ビルで、階上へ向かうためエレベーターに乗り込んだゴルゴ13。その同じエレベーターに一人の清掃作業員が入ってきたが、そいつはゴルゴ13に背を向けたまま自分のワゴンの中から拳銃を取り出し、背後のゴルゴ13を狙うかのように平然と自分の胸に当てる。不穏なものを察したゴルゴ13が寸前で身を避けた直後、清掃作業員は自分を撃ち抜いて斃れた・・・
 場所は変わって、とある暗い部屋。部下から自分の"ソルジャー"が任務に失敗したことを知ったサングラスの男は新たなソルジャーを集めるよう指示する。彼のターゲットは、ゴルゴ13!

 その後、長距離列車に乗り込んだゴルゴ13はその車内でとある老人と遭遇する。老人の様子に不審を抱いたゴルゴ13が通路の影に隠れた次の瞬間、老人は何の躊躇もなく奥歯に仕込んだスイッチを噛んで自爆した! 突然の爆発で列車は停止するが、ゴルゴ13は辛うじて命拾いする。

 立て続けの自分への自殺攻撃に不審を抱いたゴルゴ13はロサンゼルス在住の情報屋に調査を依頼する。調査を進めた情報屋は、ゴルゴ13を襲った清掃作業員と老人が以前にそれぞれ船舶遭難と観光ヘリの不時着事故で九死に一生を得た経験の持ち主で、その後行方不明になっていたことを突き止める。折しも、23人の犠牲者を出した航空機事故の生存者であるアーロン・マックスウェルという男性が何者かに誘拐される事件が起きていた。ゴルゴ13は同じく自動車事故で一命を取り留めたアン・ブラウンという女性の監視と共に、Web上でこの件の情報を収集するよう情報屋に依頼する。
 シアトルに飛んだ情報屋はその夜、アン・ブラウンの自宅を訪ねるが、その目の前で帰宅してきたアンが不審な車の中に連れ込まれて拉致されてしまう・・・
 情報屋はモーテルでゴルゴ13に連絡を取るが、その時、彼のノートPCのチャットに"ブルー・ファイア"と名乗る人物から情報を知っているとのアクセスが届く。"ブルー・ファイア"曰くWeb上では記録が残ってしまうため直接会いたいという。情報屋はゴルゴ13と連絡を取り、ワシントンD.C.で"ブルー・ファイア"と接触する手筈を整える。
 後日、ワシントンでゴルゴ13が会った"ブルー・ファイア"とは十代の少年だった。ハッキングを趣味にしている少年は、FBIのデータベースにアクセスした際に件の誘拐事件に関する調査報告書を見つけたという。そこには誘拐事件の主犯と目されるある人物のデータがあった。その人物の名はイギーリ・ソルベノ。彼は元KGB(旧ソ連国家保安委員会)のエージェントで、あるスナイパーに任務を度々妨害されたことからそのスナイパーに対して異常なまでの憎しみを抱いており、旧ソ連崩壊後はアメリカに移住して旧KGB時代の部下たちと共にそのスナイパーを追っているらしい。少年はさらに、そのソルベノが誘拐している人間たちのある共通点について語る。被害者たちは大きな事故や災害に遭遇したことによる恐怖感から脳が本来持つ原始的な恐怖発生のメカニズムが壊れてしまい恐怖の感覚を失った"フィアレス"であり、ソルベノはそれを利用して彼らを誘拐・洗脳し、憎きスナイパーを倒すための死を意識しないソルジャーに仕立て上げているのだという。少年はそんなソルベノに狙われているスナイパーが何者なのか興味を抱きつつもそれ以上ゴルゴ13に対して詮索はせず、ギャラの礼を述べて去っていった。
 情報を得たゴルゴ13は、情報屋に自分がソルベノの潜伏する街に向かったとの情報をリークするよう依頼し、彼らとの決着に臨む。
 一方その頃、ソルベノは自分の隠れ家で誘拐したアン・ブラウンとアーロン・マックスウェルに対して、薬物を用いて自分の"ソルジャー"とするための洗脳と訓練を施していた・・・

 やがて、ソルベノの潜伏する街にゴルゴ13が姿を現した。ソルベノの部下のセルゲイが密かに監視する中、ゴルゴ13は街中のホテルに宿を取るが、そこのボーイの一人がソルベノに洗脳された"ソルジャー"だった。ボーイは部屋で拳銃を手にゴルゴ13を襲うが軽くいなされて自爆。ホテルを脱出したゴルゴ13は地下駐車場に置いていたレンタカーで外へ向かうが、その通路内で前後から襲ってきたトラックに挟撃されて車を失う。さらに、脱出したゴルゴ13に対して"ソルジャー"と化したアーロンとアンが挟み撃ちで自爆攻撃を仕掛けてくるが、ゴルゴ13は物陰に逃げて攻撃を避ける。"ソルジャー"たちによる自殺攻撃が失敗したのを見たセルゲイは自ら車で背後からゴルゴ13を狙うが敢えなく返り討ちにされる。セルゲイからの連絡が途絶えたのを察したソルベノは、ゴルゴ13がいずれ自分の所に現れると考えて策を練る・・・
 その夜、ゴルゴ13はソルベノの隠れ家に姿を現した。暗闇の中、ソルベノは背を向けてソファーに座ったまま、明かりを点けた瞬間に自分を撃ってほしいと頼む。だが、その声がダミー人形のスピーカーからのものだと見抜いたゴルゴ13は、明かりが点った瞬間、背後のカーテンに銃弾を撃ち込み、中に隠れていたソルベノを倒す。ゴルゴ13は断末魔のソルベノに向けて呟く・・・
「死の恐怖・・・恐怖だけが我々を危険から遠ざけてくれる・・・・・死の恐怖があれば生き残っていくことができる・・・俺はそうしてきた・・・」


□□□□□□

『フロリダ・チェイス』を抜いて最も初出の新しいエピソードとなった本作は、ゴルゴ13シリーズでは定番のゴルゴ13抹殺を目論む敵とゴルゴ13の対決にスポットを当てた話の一つ。この手の対決系エピソードでは、敵は最新技術や幾重もの策略等を駆使してゴルゴ13を狙うのがお約束ですが、本作の敵がゴルゴ13への攻撃手段として目を付けたのは"フィアレス=恐怖心を失った人間"でした。

 人間が持つ恐怖という感情は、現実または想像上の危険や好ましくないリスクから生じる刺激に対して生じる防御的な反応であり、恐怖を感じることによって人間はそのリスクから安全な状況に退避しようとする動機を起こすことができます。実際、恐怖状態となった人間は心身の判断能力や行動能力が常時よりも素早く正確になるようです。しかし、何らかの理由によってその恐怖を認識できなくなったとしたら、傍目にはどんな危険や恐怖にも動じなくなるように見えますが、恐怖=危険回避の本能という点から見れば、そこに存在する危険を認知できず自ら飛び込んでしまいかねない非常に危険な状態であるといえるでしょう。ちなみに、原作のラストでも少し触れられていますが、英語で恐怖を意味するfearの語源はドイツ語で危険を意味するgefahrだそうです。
 本作に登場する"フィアレス"はまさにそういう人々で、大きな事故や災害に遭遇して一命は取り留めたものの、その精神的ショックから人間が本来持つ恐怖心を認識できなくなっており、本作の敵はそんな"フィアレス"をゴルゴ13に対して自殺攻撃を行うソルジャーに仕立て上げます。普通の人間であれば自分自身を殺傷することへの本能的な恐怖が命令より先走りうるのは当然で、それが結果的に自殺攻撃をしくじらせる可能性があるわけですが、もし自分自身を傷付けることに何の恐怖を感じない人間が存在するならその可能性もなくなるわけで、ある意味では自殺攻撃にまさにうってつけの存在かもしれません。なお、事故や災害に遭遇した人がその精神的ショックでPTSD(心的外傷性ストレス障害)に陥る事例は昨今様々な局面で注目されていますが、本作のように恐怖自体を感じられなくなるような心的外傷を受けるケースが実際に存在するのかどうかはちょっと調べきれませんでした。生物学的には恐怖に関する反応は大脳辺縁系の扁桃体が司っており、ここに障害が起きることで恐怖の認知に何らかの影響が生じる可能性はありそうです。

 一方、そんな"フィアレス=恐怖心を失った人間"を利用した敵の攻撃に対して、ゴルゴ13はその真逆ともいえる真理で対抗してこれを打ち破ります。それは即ち前述した通り、"恐怖するからこそ、そこに潜む危険を回避して生き延びる"というある意味では人間として当然の心理でした。
 原作の『ザ・スーパースター』というエピソードの中でゴルゴ13は自らを「うさぎのように臆病だが、そのおかげで生きている」と称していますが、本作での彼の「恐怖だけが我々を危険から遠ざけてくれる」という言葉はこれに通じるものといえます。常に誰かに命を狙われる危険が潜む裏の世界に生きるゴルゴ13にとって、危険の察知と回避は生きていく上で絶対に疎かにできないことであり、故に彼は顔や言動に出すことはなくとも危険に対して恐怖することを忘れず、臆病ともいえる用心深さに徹することによって逆に生きることへの強い執着を生み、時として常人を超える力を発揮して今日まで生き抜いているといえます。本作は"恐怖しない敵"を登場させることにより、逆にゴルゴ13の恐怖を知って生き延びるという矜持を強調した作品になっています。

 ちなみに、今回の敵役イギーリ・ソルベノを演じたのは玄田哲章。玄田氏は1998年のOVA『ゴルゴ13 QUEEN BEE』でゴルゴ13を演じており、制作側が狙ったのかどうかはわかりませんが新旧ゴルゴ13声優対決となりました。次は記念すべきアニメ化第1作である1983年の劇場アニメ版のゴルゴ13役である瑳川哲朗にゲストでご登場いただきたいなぁ(笑)
 あと、『コードギアス 反逆のルルーシュ』で一躍人気がブレイクした若手声優の福田潤がハッカー少年役で登場するなど、相変わらず脇の声優陣が豪華です♪ なお、作中でのこのハッカー少年、原作では自宅ではなく図書館のPCからアクセスする理由をゴルゴ13を自分の部屋に招きたくないからと答えたり、母親も5年は自分の部屋に入れていないなどいわゆる"引き籠もり"的なものを連想させる描写がありますが、アニメ版では表現上の配慮なのか省かれています。





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Last updated  2009.02.11 20:41:44
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