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くれーじーくえいる ぶろぐ

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2009.03.21
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テーマ:ゴルゴ13(71)
 先日16日、独立行政法人産業技術総合研究所が人間型ロボットの研究開発用プラットフォームとして開発しているHRPシリーズの最新型・HRP-4Cを発表しました。先行のHRP-2およびHRP-3では出渕裕氏が担当した『機動警察パトレイバー』を彷彿とさせる外観デザインが印象的でしたが、今回のHRP-4Cはメタリックなロボットボディに人間そっくりな女性の頭部と両手を備えた外観で、動作もさらに洗練されています。しかし、メカボディに人間型の頭という組み合わせはフィクションではよくあるガジェットですが、実際に見てみるとどうもアンバランスに思え、"萌える美少女型ロボット"なんて所詮フィクションだと妙に実感してしまった管理人です(苦笑)
 奇しくも今週の『ゴルゴ13』アニメ版に先立った格好となった話題でした。

〔Target.49:装甲兵SDR2〕  原作:リイド社SPコミックス第148巻収録(2002年初出)

CAST  ベイカー:佐々木勝彦  ロイド:島香裕  藤田:鈴木清信  オペレーター:真殿光昭  SDR2搭乗員:細谷佳正

 アメリカのとある街で犯罪組織のボスを始末する仕事を完了したゴルゴ13。警備を固めていた手下たちの攻撃を振り切り、港の倉庫街に隠していた小型機で脱出するが、相手は携帯式の地対空ミサイルを発射してきた。ゴルゴ13は照明弾をフレア代わりに発射してミサイルを退けるが、その爆発で生じた弾片が機体のエンジンを直撃、小型機は黒煙を吹きながら沖合に浮かぶ孤島へと墜ちていった・・・

 ジャングルに不時着した小型機から脱出したゴルゴ13はM16A2を手に森の中を進むが、やがてその目前に武装した男たちの死体が累々と転がっているのを発見する。そこへ生き残りらしい敵兵たちが襲ってくるが、ゴルゴ13は二人を射殺し、負傷させたアラブ人の男から状況を聞き出す。彼らは世界各地から集められたテロリストで、この島に連れてこられて「島から生きて帰りたければ最後の一人になるまで互いに殺し合え」と命じられたらしい。その数50人ほどだったが、殺し合いの末にほとんどが死んだという。自分たちは騙されたと訴える男だったが、次の瞬間、背後から飛んできた銃弾に斃れた。木陰に退避したゴルゴ13の目前に現れたのは、右腕に多銃身機関銃、左腕にグレネードランチャー、左肩に火炎放射器を装備した巨大な装甲ロボットだった! 銃弾すら効かないそいつに流石のゴルゴ13も驚きを隠せず、ロボットからの圧倒的な銃撃に退却を余儀なくされる。
 ロボットの搭乗員はデータにない敵の出現に戸惑うが、状況を監視していた将校は先程墜落した小型機に乗っていた人物と察し、機密保持のためまとめて始末するよう命じる。

 森を進むゴルゴ13は地雷原らしき開けた場所を発見するが、そこへ先程のロボットが現れた。ロボットは埋められた対人地雷を踏んでもびくともせず、対戦車地雷も事前に探知して回避。ゴルゴ13は対戦車地雷を狙撃して至近距離で爆発させるがやはり通用せず、逆にロボットの圧倒的な火力に追われて崖から海に転落する・・・
 ロボットの正体は、アメリカ軍が1億ドルもの費用を投じて秘密裏に開発した有人型戦闘ロボット・SDR2であった。日本の二足歩行ロボットの技術を導入したSDR2は優れた歩行能力に加えてM1エイブラムス主力戦車と同じ装甲を備え、スーパーコンピュータが策定した作戦に従って戦闘行動を行うようになっていた。この島に集められたテロリストたちはSDR2の性能をテストするための実験台だったのである。
 島の沖合に浮かぶ海軍の駆逐艦では、アメリカ軍の将校ベイカーと米企業の技術者ロイド、SDR2にロボット技術を提供した日本企業の藤田がSDR2の"実戦テスト"を監視していたが、SDR2搭乗員の血圧と心拍数が上がっているのを見た藤田は入隊してまだ3ヶ月の新兵である搭乗員がこのような大量殺戮に精神的に耐えられるのかと疑問を呈する。ロイドは搭乗員はスーパーコンピュータの指令を実行するだけであり、ベトナムやイラクの帰還兵のような心的障害などありえないと言うが・・・
 やがて夜が明け、島内の模擬市街地に人間の反応が確認される。それは連れてこられた50人のテロリストの最後の一人、爆弾テロのスペシャリストである元IRAのノイスという男だった。市街地に入ったSDR2はノイスが仕掛けた自動車爆弾攻撃に晒されるが傷一つ付かず、ノイスは自らSDR2に飛び移って爆弾を張り付けて爆発させるがこれも通じない。だが、SDR2は武器を使わずにノイスを踏み殺した上、万一生き返るかもしれないからと死体を引き千切ってしまう。明らかに精神に異常を来し始めたSDR2の搭乗員を見た藤田は、生身の人間の心がこのような大量殺戮に耐えられるはずがなく、こんな悪魔の兵器を導入すれば兵士たちは心に大きな傷を負ってしまうと訴える。しかし、かつてベトナム戦争で女子供にまで銃口を向けられ部下を失った経験を持つベイカーは、最初から正気など存在しない戦場にこのような兵器を投入するのは理に適っていると言い切り、SDR2で今のダラけた兵士たちの精神を鍛え直してやると豪語する。呆れ果てた藤田はこれ以上付き合えないと一人艦を降りる・・・
 すべてのテロリストたちが斃れ、ロイドはSDR2を引き上げさせようとするが、まだゴルゴ13が残っていた。崖の上に現れたゴルゴ13目がけてSDR2がグレネード弾を放つが、谷からの上昇気流で弾道が逸れてしまい、逆にゴルゴ13の銃弾がSDR2の頭部シールドに命中した。驚愕した搭乗員はそれがまぐれ当たりなどではなく正確に狙ってきたものだと悟る。
 日が落ちる中、SDR2は標的を求めてジャングル内を捜し回るが、ゴルゴ13は全身に泥を塗って赤外線暗視装置を回避していた。SDR2は微光式暗視装置で川の中に潜むゴルゴ13を捕捉するが、ゴルゴ13は空中に照明弾を放ってSDR2のモニターをオーバーブローさせる。SDR2は有視界でゴルゴ13を追うが、精神的に追い込まれた搭乗員は地面に転がるテロリストの死体を見て錯乱状態に陥り、闇雲に機関銃を乱射する。そして、SDR2の機関銃の弾が尽きたその時、川から現れたゴルゴ13が相手の左肩目がけて狙撃! その銃弾はSDR2の左肩の火炎放射器の銃口に飛び込み、SDR2は誘爆大破して崩れ落ちたのだった。

 ゴルゴ13の戦闘能力に興味を持ったベイカーは彼を艦に招き入れ、今回の事情を説明する。アメリカは自由主義を守るためこれからも世界各地で戦うことになるが、今の若者は過酷な地上戦を戦えるだけの精神力を持ち合わせていない。ゴルゴ13の戦闘能力のノウハウを利用できれば軍の教育は飛躍的に進歩し、SDR2のような高価なハイテク兵器に頼らずとも最強の軍隊を作れると考えたベイカーは、彼に軍の顧問になるよう強要する。だが、ゴルゴ13は銃口を向けてきた兵士たちを拳銃で射殺すると、ベイカーにテロリストをこの場に集めた理由を問う。奴らはアメリカが築いた世界の正義を崩壊させる許されざる存在だと言い放つベイカーに対し、「その正義とやらはおまえたちだけの正義じゃないのか」と冷ややかに返すゴルゴ13。アメリカの正義は世界の正義だと豪語するベイカーだったが、ゴルゴ13は容赦なく彼を射殺し、一人ボートで艦を後にしたのだった――――――


○○○○○○

 アニメ化されたゴルゴ13シリーズの原作の中で最も新しいエピソードとなった今回は、ゴルゴ13が驚異的な戦闘能力を持つロボットと対決するというSFチックな話。ゴルゴ13シリーズでは時折こういう妙にSF色の強いエピソードが登場しますが、本作はロボット技術という昨今のトレンドに現代のアメリカ軍の抱える問題や"アメリカの正義"を織り込み、一見荒唐無稽ながらもテーマ的には深みのある内容となっています。ちなみに、ゴルゴ13アニメ版の制作を担当するアンサー・スタジオは2006年にロボット機動兵器が登場する近未来の紛争地帯を舞台にしたWebアニメ『FLAG』(総監督:高橋良輔)を制作しています。

 原作では前半でSDR2の開発の経緯が語られており、兵士に犠牲者が出ることに国内世論が極端に反発するようになった昨今のアメリカ軍を背景に、地上戦での兵士の犠牲を出さない新兵器の開発を依頼されたダイナミック・ランド・システムズ社がロボット兵器の開発に乗り出し、折しも1997年に日本のOND社が開発した二足動歩行ロボットの技術を利用して5年後に有人戦闘ロボットSDR2として完成させたという設定です。この辺は1996年に本田技研工業が発表して全世界を驚かせた画期的な二足歩行ロボットP2、後のASIMO(アシモ)が元ネタなのは言うまでもありません。
 原作のSDR2は南米コロンビアで麻薬組織の工場破壊任務を遂行して成功を収め、アニメ版ではベイカーの名前が与えられた米軍の将校は更なる実戦データを得ようと世界中のテロリストたちを孤島に掻き集めて映画『バトル・ロワイヤル』の如く殺し合いをさせ、そこへSDR2を投入するという非道の性能テストを決行、SDR2に立ち向かって倒されていくテロリストたちの姿が描かれていきますが、アニメ版では原作の前半の経緯が端折られてゴルゴ13が孤島に辿り着く所から始まるため、SDR2の登場が少々唐突になった印象は否めません。もっとも、逆に考えるとアニメ版は原作をゴルゴ13の視点で一部再構成したともいえそうですが。ちなみに、原作ではゴルゴ13はSDR2に攻撃されたコロンビアの麻薬組織のボスを抹殺する仕事を遂行し、先にSDR2に襲われたことから警戒を強化していた敵の予想以上の反撃に遭遇して孤島に不時着するハメになるという因縁めいた展開になっていますが、アニメ版ではマイアミとおぼしき街で犯罪組織のボスを始末するというありきたりな展開に変更されています。
 原作でのSDR2とテロリストたちの様々な攻防は、尺の都合&首がもげたりバラバラに吹っ飛んだりと残酷描写が多いせいかアニメ版ではほぼ丸々カットされてますが、所々に名残が残ってますね。島に降りたゴルゴ13に尋問されたアラブのテロリスト・リカオンは原作でSDR2に地雷&落とし穴攻撃を試みるイスラム過激派3人組の一人で、原作では殺した敵の耳を首にぶら下げてたましたが、アニメ版でもよく見ると首のネックレスが人の耳に見えなくもない(笑)また、市街地でSDR2に戦いを挑んだIRAのテロリスト・ノイスは、原作では同じ同じIRAのテロリストから自分がイギリス当局に捕まったことで家族が処刑されたと知り、絶望してSDR2に自爆攻撃を挑んで果てますが、アニメ版では暴走したSDR2に踏み殺された上に引き千切られる役回りをさせられています。

 "地上戦を躊躇し空爆しかできない今の米軍"に危機感を覚え、自身のベトナム戦争での苦い経験からSDR2の暴走すら容認し、アメリカの正義こそ世界の正義だと断言して憚らないベイカー。ある意味ではステレオタイプな"自尊自大な世界の大国アメリカ"の象徴的なキャラですが、政治ネタを極力控えていた感のあるアニメ版では珍しくストレートな政治ネタでした。一方、SDR2に反発して最終的に場を蹴ってしまう日本企業(原作のOND社)の藤田ですが、アニメ版では原作よりもさらに麻生太郎首相に似てるような気が(笑)そういえば、以前NHKスペシャルで現代のロボット技術をテーマにした連続シリーズが放映されたとき、軍用ロボットの研究を行っている米軍の関係者からの協力要請を断る日本の研究者が登場したことがありました。

 なお、今回のもう一つの主役たるSDR2は『忍者戦士飛影』『機動戦艦ナデシコ』『超人機メタルダー』のメカデザイン等で知られる森木靖泰がデザインを担当。原作のデザインを踏襲しつつよりマッシブなイメージになっており、トゥーンレンダリングCGによるスムーズでメカメカしいアクションは如何にも今時のアニメですね。搭乗員も原作ではヘルメットを被ってるだけですが、アニメ版では両眼式のビジョンゴーグルを着用しており、何となく映画『機動警察パトレイバー2』の陸自レイバー隊員っぽくもあります。





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Last updated  2009.03.23 19:38:07
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かなりストーリーが短くなってました   HK さん
ダイナミック・ランド・システムズ社とOND社がSDR2を開発するまでの経緯とか、ゴルゴ13が島に不時着するまでのいきさつとか、テロリストたちが船に乗せられて島に着くまでの状況とかが大幅にカットされたのは時間制約上しかたないでしょう。東芝機械ココム違反事件とFSX日米共同開発の関係なんてアニメでできるネタじゃないでしょうしね。
それよりも今回のポイントはSDR2なのですから、3D-CGを使って迫力たっぷりに動くロボットをアニメで見ることができて良かったです。銃やメカが出てくれば満足するというのは我ながら単純だと思いますけど。

しかし、ちょっと前まではホンダのASIMOとかソニーのSDR-3X、SDR-4Xとか産総研のHRPシリーズとか二足歩行ロボットがいろいろ開発されていたのに、最近ではマネキンの頭をくっつけただけにしか見えないHRP-4Cくらいしか新しい話題がないのが悲しいです。
そろそろホンダから人型ロボットに変形する車が発売されてもいいんじゃないかと思うのですが。 (2009.08.05 23:53:55)

ロボットに変形する車・・・   ブラック・タロン さん
 それはホンダではなく日産がデュアリスでやってますな(笑)
 個人的には車→ロボットというと『トランスフォーマー』が真っ先に思い浮かんでしまいます。

 本記事の冒頭でも触れたHRP-4C、もうちょっとボディのデザインに一工夫欲しいところですな(笑) (2009.08.17 18:21:03)

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