テーマ:PLUTO(19)
カテゴリ:冥王星の黙示録/PLUTO関連
ついうっかり5日発売だと思ってたら今日だった(笑)今月のビッグコミックオリジナル誌2009年第8号。2005年9月以来足かけ2年に渡って追い続けてきた漫画『PLUTO』(浦沢直樹/手塚治虫)も今回を以て最終回です。
その最終回は『史上最大のロボットの巻』 トラキア合衆国・エデン国立公園の地下のマグマ溜まりに突入したアトムと"プルートゥ"=サハドを待ち受けていた"ボラー"。その人工知能となった"ゴジ博士"=アブラーはこの期に及んでもまだ自分をアブラーと言い張り続けるが、"プルートゥ"は「憎しみからは何も生まれない」と我が父の姿を騙ったそいつを否定し、アトムだけを自分の右手ごと地上に逃がして"ボラー"と運命を共にする。砂漠を花畑にするという自分が本来成すはずだった使命を思い出し、かつて自分が壁に描いた絵を見てくれたウランによろしくと言い残して――――――アトムがその瞬間に垣間見たのは、歩き出すロボットの姿に"生きている"ということを実感して涙した二つの人物の記憶・・・・・・かつて初めて目覚めたトビオ=アトムの姿に涙した天馬博士の姿と、ゴミ捨て場で拾い上げたロボットの我が子の姿に感動したゲジヒト夫妻の姿だった。 かくて、世界の終わりとなるはずだった破局噴火は"プルートゥ"=サハドの捨て身の活躍によって防がれた。生き延びたアトムは残された"プルートゥ"の角を手に斃れていったロボットたちを思う・・・自分たちの戦いは何だったのか。そして、誰も憎しみ合わずに生きられる日がいつか来るのだろうかと・・・・・・ というわけで、完璧すぎるくらいに原作のラストをなぞった最終回でした。 ゲジヒト夫妻の悲劇のきっかけとなった例の子供ロボット、今回で"ロビタ"と名付けられていたことが判明しましたが、ロビタといえば手塚治虫先生のライフワークともいえる『火の鳥』の復活編・未来編に登場する人間とロボットの"融合"によって生まれたロボット。"人でないモノが人の心を得る"というこのシーンのゲジヒト夫妻を象徴するネーミングといえるでしょうか。 そしてラスト、ベルギー・ブリュッセルの人工知能矯正キャンプから忽然と姿を消した"ブラウ1589"が現れた場所、それはトラキア国のアレクサンダー大統領と"Dr.ルーズベルト"の前。高度なロボット技術を擁していた旧ペルシア王国を陥れて我が国を発展させたかったという大統領の真意に付け入り、自分たちロボットが人間を支配する世界を夢見た邪悪なテディベアに対して、朽ちかけた"最初の人殺しのロボット"が下した断罪は、かつてアトムと交わした約束の結果なのでしょうか・・・? 何はともあれ、ようやく完結を迎えた『PLUTO』ですが、やはり終わりに向けてちょっと急ぎすぎた感は否めず、もう1巻分ほど話数を費やしてくれた方がよかった気がしないでもなく・・・とりあえず、6月に予定されている最終巻で載るであろう浦沢直樹先生の ひとまず、長らくの連載お疲れ様でした! <今回のより詳細なレビューをご覧になりたい方は、当店のPLUTOコンテンツ"Branch of MOST"までどうぞ(^^)> *注:ブログよりレビューのアップが遅れる場合があります お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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