やっと受容したのだと思う
高機能自閉症だと診断されてから7年がたった。診断された当初は、健常児に追いつかせようという思いだけでがむしゃらにやってきた。外国人に教えるように言葉を教えて日本語を習得させた。見えない未来をつかもうともがいてもがいて。やれることならなんでもやってやろうという気持ちだった。そうでもしていないと自分の心のバランスが崩れてしまいそうだったから。7年たって12歳になった息子は一見普通の中学生にしか見えない。普通に会話できるし、パニックを起こすこともない。一人で電車に乗って自分の好きなところに行くこともできる。ギターも弾く、サイクリングにも行く。でも自閉の特性は消えない。彼には言葉の裏の意味がわからない。相手の好みを考えず、自分の好きなことの話を一方的にしてしまうし、人を疑うということができない。親だからわかる。この子を健常の人として働かせるのには無理がある。この子の特性を理解してもらえる場所で働けるようにしてあげなくてはならない。7年かかって気づいたこと。健常、障害にかかわらず、親が目指すのは子どもが幸せな人生を歩めるようにしっかりした土台を作ってやることだと思う。たまたまうちの子には自閉という障害があったけど、目標は一緒。適した場所で働いてお金を得て生活をしていくという道筋を立ててやるのが、私たちにできること。こんなふうに思えるようになったのは、障害を受容できたからなんだろうな。7年かかっちゃった。