2012/01/27(金)23:33
ランチェスター戦略勉強会
■本日はランチェスター戦略勉強会でした。
心斎橋の狭い事務所にお集まりいただきました。
■今回の事例は福山で地域密着展開をしている和菓子店でした。
この店が出来たのは戦前です。当時は和菓子店がいっぱいあったので、その他食品や日用雑貨なども販売していたらしい。よろずやですね。それはそれで地域のニーズを捉えていたのでしょう。
戦後になって洋菓子なども扱うようになり全国展開を始めます。ところがこれはうまくいきませんでした。
そこで和菓子に特化して、中国地区の土産物店に鞍替えします。しかし、これも競合店が多く、うまくいきませんでした。
そこで行き着いたのが、地域密着の贈答用和菓子を扱う店です。地元の農家と提携し、地元産の食材を使い、地域でのブランドを高めるようにします。
その他、立地、商品政策、人材育成方針なども地域で長く続けていくための仕組みづくりを行っているようです。
■今回、我々は、全国展開-地域密着、ニッチ需要-メイン需要、という軸でこの事例を捉えてみました。
この和菓子屋が、土産物に特化した時、顧客は全国からやってくる観光客でした。つまり、「ニッチ-広域」です。
ところが今は、地域密着で地元の需要を細やかに読み取り採り入れようとしているので「メイン-地域」です。
真逆の領域に変わったことが分ります。
■「ニッチ-広域」の場合、商品コンセプトを決めたら、それを貫いて、一気に販売するビジネスです。イニシャルコストがかかるので、回収計画が重要になります。マニュアル通りに行えるように専門性の高い人材が必要となります。
逆に「メイン-地域」の場合は、顧客ニーズを細やかに読みとり、適応する商品に作り変えていかなければなりません。利益計画を注視しながら細く長く続けます。必要な人材は現場で柔軟に対応できる多能工です。
全く違う仕組みを作らなければならないわけです。
■興味深いのは、今日、「ニッチ-地域」「メイン-広域」というビジネスは成立しにくく、徐々に「ニッチ-広域」「メイン-地域」に集約されていっているのではないかという指摘でした。
確かにそうかも知れない。
■私としては、縮小経済下で「ニッチ-地域」ビジネスは必要になるのではないかと思えるので、成立する条件を考えてみたかったのですが、残念ながらそこまで至りませんでした。
これまでのビジネスは成長を前提にしているので、「ニッチ-地域」で止まるというのは考えにくいわけですね。
こちらは今後の課題としたいと思います。
■というわけで、新年会は近くの高級和食店へ。
店が終わるまで粘りました^^;