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October 2, 2012
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カテゴリ:小説の話
ネタバレあり。

■池上永一の琉球王朝大河小説です。琉球版ベルばらとの説もあります。

全4冊。一冊が薄いので、2冊にまとめてくれよーーと思わなくはない^^;

でも、面白い。無茶苦茶面白い。一気読みは間違いありません。

■何が面白いって、やはりストーリーテリングの妙です。池上永一は、恐るべきストーリーテラーですな。

描写や会話が軽いというきらいはありますが、もともとジュニア向けに書かれたのでしょう、きっと。仕方ないですよ。これほど売れるとは思っていなかったのかも知れませんね。

■主人公は琉球王朝時代の士族の女の子です。事情があって、男に化けて、超難関の試験を突破して、王国の上級公務員となります。

時は幕末。琉球王朝末期です。海外からの開国圧力で日本が揺れている時代です。その難しい時代を、この少女の交渉能力で、渡っていくわけです。

武力もない、資源もない、琉球王国が、大国にはさまれならが、それでも生きていくためには、ぎりぎりの外交交渉を行う必要があったわけです。

そのあたりのことがこの小説の一つのテーマです。

■ところで、この少女、女であることをごまかすために、中国から養子としてやってきた宦官だと言い張ります。

宦官というのは、去勢した男子のこと。中国では、大奥務めのために、そういう身分の者がいたんですな。

ところが、この少女がどういうわけか、絶世の美人に育ちます。男のふりをしていても、その美しさは目立ってしまいます。

なんでばれないんだ――と思いますが、小説ではばれないわけですよ。それどころか、妖しい魅力で同僚や薩摩の侍たちを惑わせます。

この少女をめぐる恋の行方が、この小説のもう一つのテーマです。

■その上、この少女、罪を犯して、流刑にされてしまいます。

そこから帰ってきたと思ったら、今度は王様の側室に選ばれます。どうなってんじゃーーという展開です。

しかも、夜は側室をやりながら、昼はこっそり男に化けて凄腕の交渉人として国家の危機を救うのですから、もう無茶苦茶です。

■でも、その無茶苦茶が、ストーリーとしてうまくはまっています。そこがストーリーテラーたるゆえんですな。

全体に重厚感がなく、あらすじを読まされているようであることは否めませんが、この無茶苦茶なストーリーをまとめ上げた手腕は大したものです。

見習いたいものですな。

テンペスト.jpg





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Last updated  October 6, 2012 09:26:05 PM
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